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ハッピーになる人が“すぐそば”にいるから、頑張れる

セガサミーホールディングス株式会社(以下、セガサミー)の村瀬 征岐(むらせ・まさき)さんは、ユニロボット株式会社に1年間の“レンタル移籍”を始めました。コールセンター関連の業務一筋でキャリアを積んできた村瀬さんは、初めてのベンチャー、初めての営業を経験して、今、折り返し地点の半年を迎えています。そんな村瀬さんに今の心境を伺うと「残り半年間が楽しみでしかたない」と話してくれました。
村瀬さんは今、どんな未来を想像しているのか? その胸の内を伺っていきます。

ー「自分を変えたい」そう思っていた時期に…

村瀬さんは、長年コールセンターに関わる業務をされてきたとのこと。しかも移籍直前は、ユーザーボイスを社内で活用するという、新しいミッションに取り組んでいらっしゃったとか。重要なポジションにありながら、なぜ、ベンチャーに行くことになったのでしょうか?

コールセンター業務に関わってもう10数年になります。各部署が必要としているお客様の声を集めるためのサポートをしたり、アンケートの回収をしたり、とにかくユーザーロイヤリティを高めるための活動をしていました。ここ数年は、社内で「もっとお客様の声を大切にしよう、活用していこう」ということになり、お客様の声を社内にどう還元していくか? という新しい取り組みに携わっていました。

ですので、色々と自ら発案しないといけない立場なのですが、アイデアは考えるものの、なかなか最後までうまく着地できず、途中で頓挫してしまうようなことがありました。思い返すと私はついなんでも自分一人でやりきろうとしてしまう節がありまして、それが結果的にできることを制限してしまっていたのだと思います。だから、ここ数年は、そんな自分を変えたい、「SEGASAMMY5つの力(※)」の一つである「共感力」を身につけて巻き込み力のある人材になりたい、そう思っていました。

※「SEGASAMMY5つの力」・・・セガサミーグループのビジョン「Be a Game Changer ~革新者たれ~」を実現するために、グループの従業員全員が共有し続けたいコンピテンシー。多様な個が力を発揮しながら、仲間と相乗効果を発揮していく為の土台となる、共通の人間力を表している。

そんな時に上司を通じて、セガサミーグループの横断的教育機関である「SEGASAMMY College」からレンタル移籍の打診があり、「ぜひ行きたい」と即答しました。現状を打破するために、何か動きたいと思っていましたから、いいタイミングでした。上司が「村瀬にチャンスを与えたい」と言ってくれて、本当に感謝しています。

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ー「このロボットはどうやって人を感動させるんだろう」

それはいいお話!“自分を変えたい”ということでしたが、200社以上あるベンチャーの中から、ユニロボットさんを選ばれたのはどういった理由でしょうか?

「感動体験を創造し続ける」というのがセガサミーのミッションなので、メッセージが近い企業であることと、とにかく “お客様を大事にしたい”という思いが私の中にあったので、お客様との距離感が近い事業を選びました。色々なベンチャーを見ている中、ユニロボットさんの「Unibo(ユニボ)」は人の気持ちを理解することに強みを持っていて、『ロボットが気持ちを理解する!?』と私自身が感動しまして、この感動スキルを体得したいと思い、面談を受けさせてもらいました。

面談でも、全方位的に色々チャレンジできるというお話をいただき、とても魅力に感じました。範囲が広ければ、自分を変えるチャンスも多くありそうだし、空振り率も低いかな…、なんていう保険もありましたが(笑)、“自分を変えたい、人を巻き込めるようになりたい”という目標だったので、様々な業務に携われて、しかも多くの人と関わることができる営業を経験することで、変化も、身につくものも大きいと感じました。

それに「このロボットはどうやって人を感動させるんだろう、どんな仕掛けで感動を生むんだろう、どういう世界をつくりだすんだろう」と、ソフトの部分にも興味があって、自社に戻った時にも、“感動を創造し続ける”考え方に活かせるだろうと思いました。

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世界初の個性を学習するパートナーロボット『 unibo (ユニボ)』

待機している時間がもったいない

今、ベンチャーに来て半年経ったわけですが、何か変化や気づきはありましたか?

そうですね、とにかくスピードが速くなったと思います。私は石橋をたたいて渡るタイプらしく、完全なる慎重派。何をやるにも完成度ほぼ100%までいかないと動けなかった。それが今は60%の完成度でも実行できちゃうようになりました。むしろ待機している時間がもったいないって(笑)。

ある時、(ユニロボットの)社長・酒井さんから「これをやっておいてね」って言われた仕事があって。私はそれをやるための準備を始めていたのですが、そうこうしているうちに「もうやっておいたから大丈夫」と言われてしまい…、自分のスピードって遅いんだなって気づきました。
でもそのスピード感にはすぐに馴染めました。着地点を100に置いていたところを60にしただけ。むしろ「60%でいいんだ」ってわかってからは、スイッチの切り替えも早かったと思います。

ーハッピーになる人がすぐ側にいるから、頑張れる

周りがどんどん動いている姿を見たら、立ち止まってはいられないってエンジンかかりますよね。このスピード感はベンチャーならでは、なのでしょうね。

ベンチャーだと「目の前ですべてが起こっている」状態。だから事の全容が把握できる分、行動までの時間も早いのかなと思いました。
一方、大きい組織では、私たちひとつのプロジェクトの全容を把握できない場合も少なくありません。だから変に裏読みしてしまったり、他への影響を考えてしまったりして、行動をためらったり、アクションが遅くなってしまうんだなって。…という事情はありながらも、大きい組織の中では、自分自身もそうだったように「必要以上に石橋を叩き過ぎていない?」と感じます。慎重なのはもちろん品質を担保するための良い面もある反面、機会損失していることもあるんじゃないかと、自分自身を振り返っても思うことがありました。(セガサミーの)社長は「どんどんチャレンジして良い失敗をすべきだ」と常々言っていますが、自分も含めて一歩を踏み出してチャレンジすることに、何か躊躇してしまう人が一定数いるのでは? と感じています。

あと、“ベンチャーならでは”だなって思うのは、責任感が強くなったこと。大きい組織だと仮に一丸となって何かをやるってなった時でも、自分の役割がはっきりしているので、「自分はここまでやったんだから」って、担当以外の部分は人任せにしてしまう傾向があると思います。それはトラブルが起こった時も同じ。でもベンチャーだと少ない人数で案件を回すので、自分ひとりの責任というのをすごく感じます。仕事以外のことをしていても、仕事のことを気にすることが増えました。それは、自分ができることであれば役に立ちたいとか、頑張りたいっていう思いが強くなったからだと思います。

そう思えるのも、自分が動くことで、ハッピーになる人々がすぐそばにいるからです。ユニロボットの仲間や、取引先が喜んでくれるから。
距離が近い、相手が見える、っていうのは本当に大事なんだなと気づきました。

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ー残り半年でやるべきは、相手に“踏み込む”ということ

“喜ばせる相手”の顔が見えたことで、責任感が増したのですね。コールセンター業務では、お客様と対面することはなかったと思いますが、今はかなり近い距離でお客様と接していらっしゃる。最初、そこに戸惑いはありませんでしたか?

実は、コールセンター(インバウンド)も営業も、根本は近いのかなとは思っています。いずれも、”お話を聞いて課題を解決する”という点では一緒。違うといえば、今までは受け身で良かったのが、今は外に出て、まずは自分たちのことを知ってもらう努力から始めなければいけないということでしょうか。
ですが、知らない人と直接会ってコミュニケーションをとるのはすごく楽しい。私はおしゃべりな方ではなく、むしろ相手が嬉しそうに喋っているのを聞く方が楽しいタイプなんです(笑)。ゲーム系のコールセンターだったので、ゲームの話を楽しそうにしているお客様の話を聞いているのは楽しかった。ですから、今もお客様の声をヒアリングするのは楽しいです。それに、コールセンターで応対していると、どうしてもその場の問題解決が優先されます。ですが、対面営業だと“相手と関係を深めていける”、というのが新鮮に感じています。

それは良かったですね。長年のコールセンターでのスキルがリアルな場でも活かせていそうですね。いろんな人とコミュニケーションをとることで、得たいとおっしゃっていた、共感力や巻き込み力も身についたのではないですか?

そうですね、とにかく色んな場に行って、人と話をする機会は明確に増えましたね。交流できる場に積極的に足を運んだり、アポイントを取ってヒアリングに行ったり、商談したり…。それから、アクセラレータープログラムへの参加など、とにかく自分からアプローチしていくことばかりです。商談相手も、一般企業から、大学、政府系など幅広いですので、そういう意味で、人と一緒に何かしていくためのアプローチは経験できたと思っています。

ですが、まだ「unibo(ユニボ)」の販売や受託開発の成約まで至れた実績は少なくて…なんとか増やしたいと思っています。B to Bの場合、ただ導入してもらうというのではなく、相手の使い方に合わせて、搭載システムをカスタマイズする企画提案をしていく必要があります。たとえばですが、ベテランスタッフのノウハウを吸収したロボットが新人スタッフに寄り添ってアドバイスしてくれるとか、専門的なスキルを持つプロフェッショナルが事務作業から解放されるように、事務手続きを言葉だけで完結してくれる音声アシスタントとか、忙しいスタッフに代わって定期点検や声がけをしてくれるとか、クライアントごとに需要も必要なシステムも変わってくるわけです。

今だと正直「こういう技術があります、ニーズに刺さりますか?」という売り方しかできていません。本当は「あなたたちにはこういうニーズがありますよね? それを私たちが解決します」っていうところまで持っていかないといけない。そのためには、もっと相手に“踏み込む”必要があると考えています。

ー課題をプレゼントできる人間になりたい

つまりそれは、相手の課題をしっかり把握して、様々な解決策を提案できるようになるってことですか?

もちろんそれもありますが、相手が課題を明確になっていないケースも多くあるので、課題を見つけるところから、という意味です。ゼロベースで「今、社会はこうなっていて、それに対して業界ではこういう傾向があって、そうなると御社としてはこういうお悩みをお抱えですね? あるいはこういうチャンスがあるはずですよね?そこで、こういう解決はどうですか」といった感じで、課題を気づかせるところから提案しないといけない。つまり、課題がわかっていない人に課題をプレゼントできるようにならないと、最適な導入には繋がらないと考えています。

課題をプレゼント、いいですね。とにかく相手に踏み込んで課題を見つけて…。残り半年間、前進あるのみですね。

あと6ヶ月もあると思うと、本当にありがたいです。まだまだチャレンジしていいというのは楽しみでしかないです! もちろん、やることは山積みですが(笑)。

…ちなみに、(セガサミーの)上司と会って話す機会もあるのですが、自分が今ここで抱えている問題を共有して、アドバイスをもらうことも多いです。なんだかんだ月に1回くらい会っているんじゃないかなと思います。すごく応援してくれている。ちゃんと変わって、帰りたいですね。

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【「ユニロボット」さんより、人材募集のおしらせ】

村瀬さんがレンタル移籍をしているユニロボットさんでは、現在、各種エンジニアスタッフや、インターンを募集中です! 世界初の”個性を学習する”コミュニケーションロボットの開発・販売をはじめとするユニロボットさんのコンセプトに共感された方は、ぜひチェックしてみてください。
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【レンタル移籍とは?】

大手企業の社員が、一定期間ベンチャー企業で事業開発などの取り組みを行う、株式会社ローンディールが提供するプログラム。ベンチャー企業の現場で新しい価値を創りだす実践的な経験を通じて、イノベーションを起こせる人材・組織に変革を起こせる次世代リーダーを育成することを目的に行われている。2016年のサービス開始以降、計32社78名以上のレンタル移籍が行なわれている(※2020年1月実績)。→詳しくはこちら

協力:セガサミーホールディングス株式会社 / ユニロボット株式会社
インタビュー:小林こず恵
提供:株式会社ローンディール
https://loandeal.jp/

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