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ひとりの熱意からはじまった “挑戦の連鎖” 【レンタル移籍 another story 】

今回お話を伺ったのは、京セラ株式会社の人事部門で働く赤星政樹(あかほし・まさき)さんと、森田勇平(もりた・ゆうへい)さん。
京セラでは現在、5名のレンタル移籍者がベンチャー企業で活躍しています。同社で初めて「レンタル移籍」を導入したのが入社5年目の赤星さん。赤星さんからバトンを受け取り、現在、担当しているのが入社2年目の森田さんです。おふたりとも“ただの導入者”、“ただの担当者”ではなく、熱い思いを持って、この新しい取り組みに挑んでいらっしゃる様子。
ベンチャー企業で挑戦する「レンタル移籍」の裏にある、もうひとつのドラマをお届けします。

—入社4年目のチャレンジ。課題感から…

ーー京セラさんでは、昨年12月より「レンタル移籍」を開始されて、現在は5名の方が移籍中とのこと。そもそも、なぜ赤星さんは「レンタル移籍」を導入されたのでしょうか?

赤星:経緯でいうと…、実は、自分自身のチャレンジでもあったんです。入社してから4年間、人事部門で人事制度の設計や見直しなど、会社の制度全般に携わる仕事をしていましたので、今回のような人材育成の取り組みには関わったことはありませんでした。

「レンタル移籍」との出会いは今から1年少し前。入社3年目が終わる頃でした。京セラでは4年目になると、全員必須で参加する「Step up制度」という成果発表会がありまして、自ら課題を見つけ取り組み、その成果を発表するんです。「何が課題かな…」って考える中で、これだって思ったのが「レンタル移籍」でした。これなら、自分が今感じている課題も解決できるんじゃないか…という期待もあって。

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写真左:赤星政樹さん、右:森田勇平さん

ーーどんな課題をお持ちだったのですか?

赤星:正直、現状に満足できていないところがありました。やりがいはありましたけど、京セラに入って3年間、仕事もある程度覚えて思ったのは、「他の企業の同世代と比べて、自分は成長できているんだろうか…。もしかしたら全然できていなんじゃないか…」というモヤモヤ。というのも、社会に出て京セラしか知らないので、外の世界がわからない。外も見てみたいと言いますか、他の会社の状況も知りたいって思っていました。

そのことを周りに話したら、同じことを思っている人たちも結構いて。もしかしたら、社内の多くの人たちがそう思っているんじゃないかって。そんな時にたまたま同僚が「レンタル移籍」の記事を見つけて「こんな制度があるよ」って。これなら、自分が抱えていた課題の解決になるかもしれないって思いました。

その後、実際に「レンタル移籍」をした人が登壇するセミナーに参加してみたのです。その時はNTTドコモの亀山さんという方のお話だったのですが、自分が想像していた体験ができそうだなということもわかりましたし、何より、経験者の亀山さんの雰囲気やオーラが自信に満ち溢れていて(笑)、ぜひやってみたいなって思いました。

—現場へのヒアリング。やる気と熱意の中で

ーー経験者の声を聞くとリアリティが出ますよね。導入にあたり、社内ではスムーズに進みましたか?

赤星:それなりに動く必要はありましたね…(笑)。直属の上司は「やりたいんだったらやってみれば」って言ってくれて。その際、導入したい背景もしっかり説明しました。新しいことにチャレンジしにくい、横並びで目立った人材が現れにくいといった、大企業ならではの問題があるということや、それを打破する施策が必要であることなど。
…ですが、部門長から指摘が入りまして。「その施策は本当にニーズがあるのか、各部門に話を聞きに行ったらどうだ」って。確かに実際にベンチャーに行くとなった際に、送り出す部門が同じ課題感を持っていないとダメだと思って、すぐにヒアリングに行きましたね。

ーー実際に話をしてみて、いかがでしたか?

赤星:まずは全体の中で10部門ほど、それぞれの部門の幹部に聞きに行ったのですが、半分くらいは好感触で、賛同してくれました。事業が細分化されていて全体を見渡せる人がいないとか、ゼロイチで立ち上げる人材がいないとか、課題意識が合致していた感じです。
私としては全部門を口説くくらいのつもりで話しに行ったので(笑)、「私みたいな若手って、日々こういう課題を持ちながら仕事をしているんです」って、幹部には届きにくい声もお伝えしました。

今回の施策は自分のチャレンジ企画でもあるので、当然、自分しかやる人がいない。そういう状況が、自身のやる気や熱意につながっていったのだと思います。

ーー赤星さんの熱意もきっと通じたのでしょう。賛同してくれた部門もあったということで、正式に導入が決まったのでしょうか?

赤星:そうですね、すぐに5部門で実施したいという話になったので、それをトップマネジメントに報告したら、現場もそう言っているなら、と承認を得られました。2019年の7月に承認をもらって8月に人選して…。そこから準備に3ヶ月、12月から1人目のレンタル移籍がスタートした感じなので、かなりスムーズでしたね。

今振り返ると、今回の取り組みは、会社の内部の状況も大きく影響していたと思います。トップマネジメントが「チャレンジし続ける」「結果を恐れず大きな変化を起こそう」「多様な人材を活かす」といった発言を多くされていたために、私の提案も承認を得やすかったと感じています。

ーー人選はどのように? また、実際に人材が何人もベンチャーに行くということに期待や不安…、いろんな感情があったのではないですか?

赤星:人選ですが、年齢や転職経験がない方などの前提条件は設けていましたけど、候補者の選定は各部署に任せていましたね。自薦もあれば、他薦もありました。ベンチャーに送り出すことは、もちろん初めてですし、どうなるんだろうって不安はありました。でもそれよりも、一旦外に出てみることで得られる価値の方が大きいんじゃないかなって。
なので、移籍者が戻ってくるところまで担当者として見届けたかったのですが、3人目を送り出したくらいで異動になってしまい…、そこで森田に引継ぐことになりました。

ーー道半ばでバトンタッチされたとのこと。どんな思いで森田さんに引き継いだのでしょうか?

赤星:不安が100%でした(笑)、この先どうなっていくんだろうって。初めて自分でイチから考えて導入した施策なので、思い入れも強くなっていて…。軌道に乗せて正式な制度化を目標にしていましたし。とにかく行っている人がすべてだと思っていたので、森田には帰ってきた人のサポートも含めて「頼むぞ!」と。

—ワクワクと不安を感じながらも、前へ

ーーそんな赤星さんの思いと業務を、森田さんはどのように引き継いだのでしょう。この時はまだ入社1年目でしたよね。

森田:引継ぎ時に赤星から「これほんまに俺の思いが入っているから!」って強く言われまして(笑)、成果をしっかり出していくんだって、責任感みたいなものはすごく感じましたね。それに、1年目の自分にここまで任せてくれるのかっていうワクワク感もありつつ、同時に不安もありました。やはり20代・30代の期待されている人材が社外に行く中で、まだ右も左もわからないような自分が、しっかりサポートできるんだろうかと…。

ーー赤星さんの想いも背負って、プレッシャーがありますね(笑)。ちなみに森田さんは、以前から「レンタル移籍」の取り組みはご存知でしたか?

森田:はい、入社前から知っていました。大学生の頃、パナソニックさんが導入したというのをメディアで見ていましたので。しかも友人が、受け入れ先のベンチャー企業にインターンに行っていたりしたので、その頃から注目はしていました。でも自分が関わるなんて未来は想像していなかったので、こうしてご縁をいただけて良かったです。
実は、タイミングもすごく良くて。「不易流行。残すべきものは残し、変えるべきものは変える」という、私が所属する総務人事本部の方針があり、また、会社も大きく変わっていく波を感じながら仕事をしているのですが、そんな中で、まさにその一端を担う取り組みに関われて良かったと思っています。

—人事は仲間。同じ挑戦者であるということ

ーー森田さんは現在、移籍中の方々とどんなやりとりをされているんでしょうか?

森田:以前赤星から「移籍者は大変なはずだから、フォローをしっかり」って言われていたので、変化や機微に気づいて、メールなり電話なりでコミュニケーションをとるようにしています。管理ではなくて、同じ立場で、仲間としてサポートしていますってことを伝えるようにしています。たとえば週報を見て、来週も頑張ってくださいとか、見ていますよ! ということが伝わる工夫をしています。

週報や月報を読んでいて気づいたのは、みなさん、環境や仕事の進め方が(京セラとは)違う中で奮闘しながらも、「これは自社での取り組みにも反映できるんじゃないか?」って、自社のことを考えながら、仕事されているということ。施策としてもポジディブに捉えてくれていて「めちゃめちゃ辛いんですけど、来て良かったです」とか(笑)。「人事の支えがあってこそです」みたいなメールをくれる人もいて、仕事のやりがいも感じています。

ーー赤星さんは、そんな森田さんの頑張りを見ていかがでしょう?

赤星:私が思っている以上に頑張っているなって(笑)。聞いていると、私の思いだけでもなく、森田なりの思いも加わって、つくりあげてくれているのかなって思います。

ーーちなみに赤星さんも、3名の送り出しを見届けていらっしゃるんですよね。その時は「いよいよ始まったなー」という感じでしたか?それとも…?

赤星:やっぱり…「頼むぞ!」みたいな感じでした(笑)。もちろん、上から目線というわけではなく、”同志”という立場としての思いですよ。自分が導入したプログラムなので、私自身もちゃんとやらなきゃ…ということもあって、同じ立場で挑戦しているって。そこは強く伝えましたね。

—広がる認知。どこに行っても活躍できる人材を

ーー森田さんは、今後どういう工夫をしていきたいですか?

森田:移籍者が戻ってきた時に、どう部署を巻き込んでいくのか…っていうところが大変なのかなと思っていますので、受け入れの土壌をつくることをやっていきたいです。そのためにも、各部門にヒアリングをしたり、「どういう目的でやっているのか?」ということを社内で広めていきたいです。

ーー社内ではどれくらい移籍者の存在が認知されているのでしょうか? 送り出したことで何か変化はありましたか?

森田:施策に興味があるということで、名前も知らない人から「森田さんですか、話を聞かせてください」って声をかけてもらうこともありました。もっと周知されたら、自ら「社内を変えていこう」っていう人も増えていくんじゃないかなと感じています。

ーー赤星さんがおひとりで始めたことが、社内で広がっている感がありますね。この先、どんなことを期待しますか?

赤星:やっぱり今回の取り組みの成果って、まずは「戻ってきてから何ができるのか?」だと思っていて。京セラでしか育ってこなかった人たちとどれだけ違いを見せられるかっていうことかなと。私個人の思いとしては、「京セラでしか学んだことないから、次に行ったら活躍できない」っていう人材育成はしたくなくて、どこに行っても活躍できる人材になって欲しいと思っているんですね。なので、まずは、社内で真っ先に名前があがるような突出した人材になって帰ってきてほしいなと思っています。
もともと自分が行ってみたいと思っていたくらいだったので(笑)、制度化して、いつかチャンスがあれば…と。

—ちなみに、赤星さんご自身としては、これからどんなチャレンジを?

赤星:近い将来、海外で働きたいと思っています。今は、海外の人事担当をしているので、その入り口になればと。一つのやり方にこだわらず、これからも様々な提案をしていきたいと思います!

ー森田さんは2年目に入っていかがでしょうか?

森田:まずこの取り組みでいうと、とにかく移籍者には活躍して欲しいです。その一言に尽きます。昔はひとつの目標にベクトルを合わせてみんなで向かうために同質性を重視する、というのが強かったと思うんですけど、多様な人材が京セラにはいるので、一人ひとりを尊重し、個性を生かしながらも、皆がここぞというときには、ベクトルを合わせ、経営目標の達成につながるような組織づくりに貢献していきたいです。
それから私自身でいうと、入社前から海外というのがキーワードにあって。赤星さんと似ているのですが…、今後、会社が成長発展していく上で、海外においても活躍できるようになりたいです。でもまずは…、組織を強くしていける人材を目指したいですね。

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協力:京セラ株式会社
インタビュー:小林こず恵
提供:株式会社ローンディール
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