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【第3章 何のためにやるのか?】「想いよ、届け」 〜180日で身につけた諦めない力〜

 「移籍者たちの挑戦」シリーズでは、大企業で働く社員が「レンタル移籍」を通じて、ベンチャー企業で学び、奮闘し、そして挑戦した日々の出来事をストーリーでお届けします。
 今回の主人公は、日本郵便株式会社から、紙やプラスチックに替わる石灰石で作る新素材LIMEX(ライメックス)を製造・販売している株式会社TBMに移籍した武澤歩沙美さん。武澤さんは2018年4月から移籍を開始し、6ヶ月間の移籍を終えて2018年10月に帰って来ました。そんな武澤さんのストーリーを全4回でお届けしていきます。

<過去記事>
第1章 この人たちと一緒に働きたい!
第2章 本気で挑むということ

—「教育実習」を思い出した!

6月下旬。
社員一人一人が“TBMが目指すべき理想の組織”を考え、組織としての共通言語を持つことを目的に、TBM創設以来の合宿「TBM CAMP」が開催されることになった。

武澤は所属部門のメンバーと共に、運営事務局のひとりとして、宿泊先の手配からレクリエーション企画などのサポートを行った。

もともとみんなで何かするということが好きだった武澤は、忙しいながらも自ら楽しんで取り組んでいた。

———そして迎えた合宿当日。
普段から仲良く、コミュニケーションも多いメンバー同士ではあったものの、日常ではなかなか深掘りしない話題にまで広がり、より関係性が深まったと思う。

そのきっかけのひとつが、武澤たちが合宿に参加するメンバーに事前宿題としてお願いした企画で、みんなのキャラクターを知るために行った「16Personalities」という性格診断だった。

今回の合宿で重要なことは、インナーの結束力を高めること。
「様々な個性を持つメンバー同士がどうしたらひとつになれるのか?」を導き出すために、まずはメンバー個々の価値観を共有することが大切だと考えたからだ。

また、「TBMで働いている」と話した時に、どんな風に思われたらいいのかなど、「TBMの社員」としてのブランディングについても話し合った。

例えば「仕事も遊びも全力で楽しむイメージ」に思われたいのであれば、それに近づくためには個々が何をしたらいいのか? など、みんなでひとつのビジョンに向かって、「ああしようこうしよう」と盛り上がった。

個性を尊重しながらチームのカラーを創り出していく……、バックグラウンドや年齢は異なるが、教育実習で担当したクラスをどんな雰囲気にしたいか、と試行錯誤した当時の経験を思い出す。

武澤は、みんなが同じ方向を向くために、まずはメンバーが自分の考えを共有しやすい環境づくりをどう実現できるかなど、コミュニケーションを活性化させるための工夫を考えることに強くやりがいを感じた。

—早く恩返しがしたい!

そして武澤は、この合宿で新たに「決意」したことがあった。

それは、山﨑をはじめ役員や社員が、このTBMでの想いを語る場面があり、メンバーそれぞれがこの場(TMB)で人生を懸けた挑戦をしていることを改めて知ったときのこと。

武澤は、「みんなやっぱりすごいなぁ」と尊敬するとともに、自分はまだまだだ……、と考えの甘さを痛感する。

気付けば移籍して3か月間が経った。慌ただしくあっという間だった。
振り返ると、周りのメンバーに助けられてばかりだった。片道の船に乗る覚悟が持てていなかった。彼らに近づきたいという想いはあるものの、行動に移せないことも多かった。
武澤は胸がキューッと締めつけられる。

貴重な機会を与えてくれた日本郵便と、快く受け入れてくれたTBMに恩返しがしたい! 今自分にできること、自分にしかできないことを、残り3ヶ月でやり遂げたい!

改めて気合いが入った。

合宿の打ち上げ時に撮影した1枚

—私、現場に行きます!

合宿を経て、武澤は残り3ヶ月ということをより強く意識した。

慣れてきたというのもあるが、仕事をこなす手一杯な状況から、どう成果を残すか、という思考にシフトしていた。

7月に入り、自治体との取り組みに加え、武澤が新たに関わることになったのは「太陽のマルシェ」。三井不動産レジデンシャルが協賛している、東京都の(中央区・江東区を中心とした)湾岸エリアの活性化を目的としたプロジェクトのひとつで、2013年以降、勝どきにて定期開催されている日本最大級のマルシェである。

「マルシェで使用する食器容器をLIMEX製にしたい」ということで、購入してもらったことをきっかけに、マルシェに限らず、湾岸エリアにおける新たなライフスタイルの創造のため、LIMEXを活用した連携施策を検討することになった。

どうしたら住民の方に貢献するかたちでLIMEXを使ってもらえるのか? 認知してもらえるのか? それを軸に自由な発想でいろいろと考えた。

ノベルティにして配るとか、マルシェの看板やチラシをLIMEXにするとか、「こんなことできたら面白い! 楽しそう!」という思いつくアイデアを出して、企画に落とした。

しかし、笹木にチェックしてもらうと、
「面白いけど、この企画でLIMEXはどれくらい使ってもらえるの?」
と聞かれ、
「……」
武澤は答えることができなかった。

また、
「そもそもなんでこの企画がいいと思ったの? 費用負担はどれくらいを想定しているの? 配布想定枚数は?」
「……」
武澤はまたしても答えられない。

ブレストやアイデア出しの段階であれば「面白そう」で良いだろう。
しかし今は実現可能な状態に落とし込むフェーズ。

「ビジネスにつながらないよ?」
笹木から言われ、そこまでまったく考えてられていなかった自分、そして、企画を一から作ったことがないことに気がついた。
武澤はどうしたら良いか分からず素直に言った。

「どうしていいかわかりません……」

「じゃあ、ちょっと聞くけど、湾岸エリアって言われてイメージ沸く?」
笹木に言われて、武澤は「いえ……」と答える。

普段ほとんど行かないエリアのため、確かにイメージを持てていなかった。
どんな街でどんな暮らしがあってどんな人がいて……、まずはそれがわからないことには、当然、的を得た企画を考えられるわけがない。

武澤は、まずはひとり現地に行ってみることにした。

—はじめての街頭インタビューで……

まずはマルシェの開催付近から湾岸エリアを歩いてみることにした。
しかしそれでは住んでいる人やその暮らしは見えてこない。

(「雰囲気がこうでした」って報告してもしょうがないし……)

武澤は、意を決して道行く人にインタビューをすることにした。
街頭インタビューは人生でまったく初めて。
最初はなかなか声をかけられなかった。

しかし、一人目で主婦らしき女性に事情を説明して話を聞くことに成功。
この地域の課題や現状を知るべく、街に望んでいることや課題をヒアリングした。
一人目が成功すると、そのあとは抵抗なく声をかけることができ、その後何名かから、貴重な意見を聞くことができた。

武澤は、企画を作る上でもう一つ笹木に教えてもらったことがある。
それは成功事例(施策)を参考にする、ということ。

そこで、とにかく近しい課題を持つ地域の成功事例を集めた。
そして再び街頭に立ち、当てはまりそうな施策を手に「これどう思いますか?」など、インタビューを繰り返した。

事例と課題を掛け合わせることで、徐々にその地域に合ったものにアレンジされて、提案すべきことが見えてきた。

—「本当の企画」ってこういうことだったんだ……

リサーチやインタビューの結果、このエリアには親子の歩行者が多いという事実、自転車が多いという課題があることが分かった。

ある地域の事例で「◯◯専用レーン」を作った、という取り組みをチェックしていた武澤は、自転車専用レーンや、子連れ専用レーンを作ったらどうか? というアイデアに至った。

それ以外にも、エリア内の店舗と連携する、街全体を巻き込んだ企画も考案した。
そう容易に実施できるものではないが、不可能なわけでもない。笹木に多くのアドバイスをもらいながら武澤は企画をブラッシュアップしていった。

笹木から聞いたアドバイスの中で、特に印象的だったのが、
「自分が心からやりたいという企画であること」
「実現可能かどうか、検証する必要があること」
「すでにこのエリアで活動している団体などを巻き込むこと」
という3点だった。

今まで、企画を検討する上で必要な情報収集すら分からなかった武澤は、調査の仕方、企画のまとめ方、巻き込み方、資料の作り方など、すべてが新鮮で、「企画ってこういうことなのか……」と身をもって学んだ。

—今まで私から提案されていた人は不幸……

武澤は、今回の企画づくりを通じて強く感じたことがある。
それは「今まで自分に提案されていた人って不幸だったなぁ、申し訳ない」という想い。

つまり、現地のこともよくわからないまま、「こうしましょう!」と提案してしまっていたこともあったからだ。そこには、視野の狭さもあった。

日本郵便の場合は、何か一つのことを通すにも、本社内での調整が大変で、各地の郵便局からリクエストを言われても「そんなことできない……」と思い込み、動けないことも多かった。

しかし今回、街の新たなルールを作るとかカルチャーを作るとか、やり方次第では決して不可能ではないんだ……、と企画づくりを通じてだいぶ考え方が広がった。

—最後の大勝負! 新たなドラマの始まりと終わり

気付けば8月下旬、夏が終わろうとしていた。
武澤が移籍当初から進めていた自治体との協定も佳境を迎えていた。

しかし、ここで予想外の大事件が起こる。
武澤は、移籍残り1ヶ月で、この移籍最大の試練を迎えることになった……。

最終章「諦めたくない!」へ続く


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【「&ローンディール」編集部 よりお知らせ】

武澤さんの移籍先、株式会社TBMさんでは一緒に挑戦できるプロジェクトメンバーを各種職種で募集しているそうです! ご興味ある方は是非チェックしてみてください。
https://tb-m.com/recruit/entry/

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協力:日本郵便株式会社、株式会社TBM
storyteller:小林こず恵
提供:株式会社ローンディール
https://loandeal.jp/


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