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【第3章 火星でインターネット!?】「流れ星」を売る男 〜早くプロフェッショナルの一員になりたい〜

<過去記事>
第1章 「プロフェッショナルを目指して、 NTT西日本からベンチャーへ」
第2章「第2章 何者になりたいのか?」

—「突破力」について考える

梅雨も終わり、本格的な夏がやってきた。
世間が夏の訪れに浮かれる中、梶原は重い足取りで家路を歩いていた。

移籍してもう4ヶ月が経つ。
3分の1が終わった。

広報の仕事を通じて貢献をし、自分のポジションを見出し、外国人のスタッフともスムーズにコミュニケーションが取れるようになった。
時間があれば英語の勉強に勤しみ、だいぶ上達した。

しかしこの先、広報を極めるのか、英語力を磨き続けるのか……、
どちらもNOである。
では何を目指したら良いのか? その答えは自分で見つけるしかないのだが、「誰かその答えを教えて欲しい……」そのくらい追い込まれていた。

梶原は、移籍前に書いた「1年後の成長イメージ」に、
「移籍を通じて突破力を身に付けたい」と書いていたことを思い出す。

梶原の考える突破力とは、“自分の意志を貫いて前に進む力”のことである。「自ら動く」という経験は、メディアブリーフィングを通して実現できた。

しかし、「自分の意志を持って前進する」という域にはまだまだ達していない。それは、自分が目指したい未来が見えていないから、「そこに向かっていく!」という意志がないから、そう思った。

それでも何もしないで立ち止まっているよりは動いている方がいい。
興味があったマーケティングの勉強を始めてみたり、もともと学習意欲の高い梶原は、どんな状況でもインプットだけは欠かさなかった。
また、アウトプットも積極的に行っていた。

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メディアブリーフィングの時の1枚。スライドを準備中の梶原

—NTT西日本の仲間と宇宙トーク!

8月某日。
梶原は大阪に向かう新幹線の中で、「今日は仲間にどんな話をしようか……」と、ここ1ヶ月の出来事を振り返っていた。

梶原は移籍中、事務的な用事で、月1程度のペースで移籍元のNTT西日本に帰っていた。その際、移籍中のことを同じ部署の仲間にシェアするようにしていた。

「自分がいなくなって、みんなに負担をかけてしまっている……」
自分が一時的にでも抜けたことで仲間が仕事のフォローをしてくれる中、貴重な経験をさせてもらっているからこそ、その経験を仲間に還元ししなければいけないという気持ちがあったからだ。

梶原はALEでの出来事や学び、そしてこれからのことを話す。

すると仲間たちは、「人工流れ星を通じてこんなことをしたら楽しいんじゃないか? こんなコラボはどうか? こうしたら訴求できるんじゃないか?」
一所懸命考えてくれた。移籍元のNTT西日本で、大好きな人工流れ星の話を仲間と語るというアウトプットは梶原にとって大きな喜びだった。

そしてもう一つ、梶原にとって大切なアウトプットがある。
それは「週報」である。

「週報」は移籍者が必ず行う業務のひとつで、その週の業務や振り返り、そして気持ちの変化などを書いてローンディールに提出する。

忙しくて書くのが大変な週もある。
悩んでいて、その気持ちを書くのが辛い時もある。
しかし、還元したいという想い、読んだ人にも追体験して欲しいという想いから、感じたことに真摯に向き合い、丁寧に書くよう心がけていた。

先が見えず、下を向きそうになってもひたむきに続けたインプットとアウトプット。
その成果もあってか、梶原の中で明るい兆しが見えていた。

—そうか、NTT西日本でやればいいんだ!

秋の気配が訪れる頃、梶原の未来はいい方向に向かっていた。

もうすぐ移籍して半年、あっという間だった。
きっと後半もあっという間に過ぎていくだろう。

「この経験をどうやったらNTT西日本に還元できるんだろうか。そして何に貢献できるんだろうか?」
そろそろ考えていかなければ……、そう思うものの糸口は見つからない。

梶原はここ数ヶ月の自分を振り返っていた。
そんな時、以前参加したローンディール主催のイベントで、ゲストスピーカーである三井不動産の光村圭一郎氏が話していたエピソードを思い出した。

それは、「子供が生まれた時に思った。それまでは自分がやっている仕事は3年後とか5年後とかしか見ていなかったけれど、この子が大人になった時にどういう世界にしておきたいか、そういう視点で考えるようになった……」という話。

梶原はこのエピソードを聞いた時の強い共感を思い出し、「自分が作りたい未来かぁ……」そう想像したときに、ハッとした。

「そっか、NTT西日本で宇宙ビジネスをやればいいんだ!」
梶原はALEで宇宙のことを知る中で、「人類はもっと宇宙に出て行っていい!」そう思うようになっていた。

宇宙に投資する大手企業も増えている。
NTT西日本は、このまま何もしなかったら、宇宙に人類が出ていくことが当たり前になった時代に、地球の外では何もできない企業になってしまう……。

「だったら僕がNTT西日本で宇宙ビジネスをやろう!」

衣食住が整った火星で、インターネット的な技術が生まれたら面白いんじゃないか。想像が膨らむとともに、移籍して5ヶ月、「NTT西日本 × 宇宙ビジネス」という着想に至った。

———盲点だった。
ALEでの経験を、既存のNTTにどう還元するか、そればかりを考えてしまっていた。自分でNTTを変えていく、そこまでの視点で見ることができなかった。

「NTT西日本で宇宙ビジネスを推進する、それをできる力を持って帰ろう……」。これこそ求めていた突破力だと思った。

そして、先のイメージが見えてきたことをきっかけに、梶原の中で、止まっていたエンジンが動き出した。

—「人工流れ星を売る!」と決意

ちょうどこの頃、ALEでは2020年春に行う「SHOOTING STAR challenge」のスポンサー集めを始めていた。「SHOOTING STAR challenge」とは、人工衛星から流れ星のもととなる粒を放出し、広島・瀬戸内地域の上空に流し、地上から鑑賞するというプロジェクトである。

当初はまだスポンサーも少なく、新しいスポンサー候補を見つける必要があった。梶原は、ALEの魅力を世界に発信する広報での経験を活かし、セールスにつなげたいと思った。

「人工流れ星を作るとか、宇宙を研究するとかは無理だけど、マネタイズなら役に立てるかも!」
スポンサー獲得によりALEへ貢献でき、そしてNTT西日本に戻った後にも、それは大きな力になると思った。
梶原は晴れ晴れした気持ちだった。

———そしてついに、「人工流れ星」を売る男になる。


第4章「流れ星を売れない男!?」へつづく

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取材協力:西日本電信電話株式会社、株式会社ALE
storyteller 小林こず恵
提供:株式会社ローンデイール
http://loandeal.jp



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