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1年の目標を立てる前にやっておきたい「自分のWILLの見つけ方」【ワークシート公開中】

「あなたは、仕事や人生において何をしたい人なのですか?」
スタートアップ企業の経営者と話すと、よく聞かれる質問です。
「あれ? えーと、会社で評価されて、幸せな生活ができればいい…かな?」意外と言葉に詰まる人が少なくありません。
皆さんは、所属している会社のビジョンやミッションは言えても、自分自身のそれを、情熱を持って語ることができますか? 不確実性が高く、変化の激しい荒波の時代には、立ち止まることなく進む方向を示してくれる「人生の羅針盤」が必要です。それを私たちは「個人のWILL」と表現し、Value・Mission・Visionに分解して構造化することを薦めています。

ちなみに、“レンタル移籍者”は、移籍先のベンチャー企業を探す前に、このワークショップをガッツリやります。そして、「個人のWILL」を明確にしてから、それを実現するために必要な経験ができるベンチャー企業を探します。自分が働きたいと思うベンチャー企業に対して、自分自身の意志を語れなくては、ベンチャー企業に受け入れてもらえないのです。

(※レンタル移籍は、大企業の社員が一定期間(1年間など)ベンチャー企業で働く人材育成の仕組みです。300社以上のベンチャー企業から自身で探し、面談を受けることになります)

2020年のスタートということで、1年の目標を立てる人も多いでしょう。そこでぜひ皆さんにも、“自分のWILL”に向き合うきっかけになればと思い、普段、レンタル移籍者に向けたワークショップの一部をご紹介します。


ローンディール  大川 陽介

—「自ら選択して生きる」ことが、これからの時代に重要視される

まず最初に「個人のWILL」の重要性や役割についてお話ししていきます。冒頭でもお話しした通り「個人のWILL」は、Value・Mission・Vision(以降、VMV)の3つに分解して考えてみてください。

・Value:私自身が大切にしている価値観や信条
「なぜ、取り組むのか?=why」

・Mission:命(時間)を使って、やりたいこと。使命
「どうやってやるのか?=how」


・Vision:その結果、目指す姿や状態。見たい風景
「何を生み出すのか?=what」

「自身の人生」におけるVMV、「所属しているチーム(部署など)」としてのVMV、「会社」としてのVMVという3種類の視点で書き出していきます。書き出す順番は問いません。以下はワークショップで用いているワークシートです。よろしければ活用してみてくださいね。

スライド4

※左列に個人のVMV、中央に所属組織のVMV、そして右列に会社のVMVを入れています。

このように書き出すことで、自分のVMVと、会社やチームの「共通点」「違い」などが見えてくると思います。上記のサンプルでは、共通する部分を黄色で塗ってみました(ここではミッションが共通しています)。この共通点をつなげて考えることで、「私は自分のWILL(VMV)を実現するために、〇〇で共感するこの会社や組織に所属し、〇〇という仕事に前向きに取り組んでいます!」と語れるようになり、自分のやっている仕事の納得感も高まります。一方、「違い」を明らかにすることで、自分のWILLに共感する仕事を創るか、探しに行くという、ギャップを埋めるためのアクションがとれるようになるでしょう。つまり、自分の羅針盤ができることで、人生の舵を取ることができるのです。羅針盤を見て、行く方向を決めたら、そこに没頭しましょう。

ところで、WILLは一度決めたら変えてはいけない、という不変的なものではありません。生きていく中で価値観が変わることだってありますし、成し遂げるべき使命が新たに見つかることだってあります。今、決めきれないという方は“いったん”でも構いません。VMVを羅針盤に動いてみて「なんか違うな」と思えばまた次の方向を決めて動きましょう。たまに磁気嵐のような外乱によって針がクルクル回ってしまうかもしれません。でも、それはそれで、その瞬間に従うことで予想外の経験ができたりします。必ずしも針が指している方向に向かわなくてもいいです。あえて方向をずらしたり、逆方向行ってみるというチャレンジができるのも、自分のWILLが明確だからこそ。

他人に自分の人生の舵を握らせず「自ら選択して生きる」ことが、これからの時代により重要視されてくるのではないでしょうか。

—原体験からWILLを言語化する 

「個人のWILL(VMV)」を持つ理由や、自身のWILLのイメージできましたでしょうか?  とはいえ、いきなりVMVを書こうとしても難しいもの。そこで、私たちがやっているVMVを言語化するまでの具体的な手順を、ワークシートを使ってご紹介します。

【STEP1
 これまでの人生を振り返り、自己評価の上下動を示す人生曲線を書く     

幼少期からの出来事とその時の自己評価など、思いついたことを全て書き出していきましょう。いわゆる「人生曲線」ですが、縦軸は自分で設定することがポイントです。自分の人生を振り返った時、何で自分を評価しているのかを考えてみましょう。

※ まずは左下エリアにある、縦軸(評価基準)と横軸(年代や年齢)に、思いついた出来事を埋めていきましょう。サンプルでは、僕自身の人生曲線を例に挙げています。縦軸は「湧きあがる好奇心」に設定しました。振り返りをしたところ、何かを始めるきっかけや、大切な仲間との出会いは、”好奇心”によって生まれていることがわかったからです。

スライド1

STEP2
自分の考え方や動き方(働き方)に、強く影響を与えた原体験を抽出する

先ほどの曲線で書き出した出来事の中から、自己評価の高低に関わらず、今の自分に影響を与えているかどうかという視点で複数選んでみましょう。どんな体験によって、大きな変化が起こったのでしょうか?

※ 左上の「TOPICS」に記入していきます。曲線から重要な原体験を3つピックアップして記入してみましょう。

スライド2

STEP3
原体験から、VMVを言語化する

いよいよVMVに落とし込んでいきます。まずは言い回しなどに拘らず、思ったことを書いてみましょう。単語でも文章でも構いませんので、とにかく一度、言語化してみることが大事です。

※ ワークシートの右列のVMVに書き出してみましょう。

スライド3

STEP4
出てきた言葉と原体験のつながりを確認する

全体の一貫性が出るまで①~③を繰り返してみましょう。このステップを一回やっただけですぐに納得感のあるVMVが書ける人は、実は普段から考えているのかもしれません。「私ってなんで、こんな事思うようになったんだっけ?」と、問いかけを繰り返し、そのヒントを過去の経験から見つけていきます。これは、過去の経験に「意味付け」をしていくという作業です。


自分が歩んできたことには、必ず意味があります。
大きな原体験が見つからなかったとしても、小さな体験をつなげていくと、星座のように意味を持つ絵になることもあります。根気強く、手を動かしながら考えていきましょう。
友人と一緒に双方問いを投げかけながらやると、思考が深まり、意外と「これだ!」と“納得感のある言葉”が見つかったりするものです。考える際のコツは、とにかく「書き出す」こと。「これ大事かも…!」と頭の中に浮かんだ言葉は、経験でも、感情でも、やりたいことでも、人の名前でも、何でも良いので、できるだけ書き出してみましょう。書き出さないと次の言葉が出てこないため、いつまで経っても核心に近づけません。

次に、出てきた言葉を深めていきます。以下の3方向で思考を掘り下げていくと良いでしょう。

①Really?(ほんとう?)
②Why?(なんで?)
③So what?(それで?)

たとえば、「〇〇が楽しい」という言葉が出てきたとします。上記に当てはめて考えると…

①「本当に楽しいって思ったの? ただの思い込みじゃない?」
②「なんで楽しいと思ったの? 何が楽しいの? もう少し詳しく言うと?」
③「楽しかった結果、何か変わったの? 何をしたの?」

同時に、自分の人生曲線を見ながら、言葉を裏付ける原体験を発掘し、紐づけていきます。「こんな経験があったから、こんな事を言われたから、だからこれが大事なんだ!」と自信を持って言える状態まで繰り返します。思考が深まらないと、納得感のある言葉は出てきませんので、根気よく試行錯誤してみましょう。

—ひとりのWILLが、組織も世界も動かす

いかがでしたか? 原体験にVMVのヒントが隠されていませんでしたか?WILLの言語化はとても大事なことです。

「Words create Worlds(言葉が世界は創る)」と言われるように、言葉には世界を創る力があります。自分が共感し、納得できる言葉は、聞き手をも共感させます。聞き手が自分の考えと重ね、共に行動を申し出るくらいの魅力があります。

力を持つ言葉(パワーワード)の例で言えば、皆さんは「持続可能な発展」という言葉を聞いたことがあると思います。1980年に社会に出てきた言葉ですが、当時「発展」と言えば、環境汚染等が問題視され、開発を続けるか否かという議論が多かった中、「持続可能」といった新しい視点の言葉を掛け合わせることで、多くの人の心に引っかかる力を持つようになりました。

聞き手:「持続可能な発展ってどうゆうこと?」
話し手:「環境と開発を互いに反するものでなく、共存し得るものとして捉え、環境保全を考慮した節度ある開発が可能であり重要であるということだよ」
聞き手:「なるほど! 自分も取り組んでみる価値がありそう!」

という会話が成立するように、相手の心に引っ掛かり、説明すると、「なるほど!」と膝を打つ言葉です。WILLを、多くの人が共感できるメッセージに置き換えて伝達したことで、世界中の人々によって、様々な取り組みが成されました。現在は、「SDGs」という言葉に進化し、さらなる影響力を持っていることは、実感できることではないでしょうか?     

信念あるWILLを発信することによって世界中をも動かすことができるのです。とはいえ、いきなりこのような言葉を紡ぎ出すことは難易度が高いですよね。まずは「いま自分が起こせるアクションを想像し、実行できる解像度」を意識することからはじめると良いかもしれません。     

何度もお伝えしましたが、浮かんできたVMVが完全に肚落ちしていなくても、その想いで「動ける」のであれば、仮置きのWILLで行動して問題ありません。真剣に動き続けた結果、思考は深化し、肚から自然に言葉が出てくるようになります。その自然に生まれ出てきた言葉こそ、多くの人を巻き込む力になるでしょう。弊社の提供する「レンタル移籍」も、移籍者だけだけではなく、関わる人や組織も巻き込み、皆で変化していくことも大切にしています。だからこそ個人の「行動」だけでなく、関わる人が共感し、自然と動いてしまう「言葉」を発信していくことにもこだわっています。

自分のWILLを言葉にする準備はできましたか?
組織、会社のそれとのつながりは明確になりましたか?
今年一年、自分のWILLを実現するために何をしていきましょうか。
「人生の羅針盤」を見ながら、具体的な目標を立てていきましょう!

Profile
大川 陽介  

株式会社ローンディール 最高顧客責任者
2005年富士ゼロックスにSEとして入社。ソリューション営業等を経て2015年から新規事業開発。大企業やベンチャーとの共創活動を推進。2018年から人材開発を担当。また、55社の大企業若手有志1700名を巻き込んだ任意団体「ONE JAPAN」の共同発起人として、挑戦する個人の覚醒、組織風土変革、オープンイノベーションによる価値共創に挑む。変革/成長には「越境」が効果的であるという実体験からローンディールに共鳴し、2018年12月より参画、最高顧客責任者。大企業・移籍者の経験価値向上に取り組む。中小企業診断士。

【レンタル移籍とは?】

大手企業の社員が、一定期間ベンチャー企業で事業開発などの取り組みを行う、株式会社ローンディールが提供するプログラム。ベンチャー企業の現場で新しい価値を創りだす実践的な経験を通じて、イノベーションを起こせる人材・組織に変革を起こせる次世代リーダーを育成することを目的に行われている。2016年のサービス開始以降、計32社78名以上のレンタル移籍が行なわれている(※2020年1月実績)。→詳しくはこちら

提供:株式会社ローンディール
https://loandeal.jp/






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