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毎日がもっと楽しくなる! 会社員のための「マイプロジェクト」のつくり方【ワークシート付き】

好奇心に従ってみると、チャンスが広がる


「会社の看板を外したら、自分は何ができるのか」「本当に熱中できることはなんだろうか」。そんなモヤモヤを抱えながらも、そのこたえを見つけるきっかけが掴めずに悩んでいる方も多いのではないでしょうか。

そんな時におすすめなのが、純粋に「おもしろそう!」という好奇心に従って行動してみることです。私たちは、日々の忙しさや成果を求められるプレッシャーの中で、「メリット」や「効率的かどうか」に目が向きがちですが、あえてどうなるかわからない好奇心を優先して動いてみることで、自分の価値観に気付いたり、新しい自分を発見できます。

どんな意味があるかわからなくても、すぐに結果が見えなくても、最初は熱中できなくても、自分が少しでも心を動かされることに行動を起こしつづけると、いつしかその積み重ねが、キャリアやビジネス、さらには人生そのものにポジティブな変化を与えるのです。

みなさん、こんにちは。「4th place lab」 の小林です。私たちが運営してきた4th place lab(運営:ローンディール)では、はみだして、ためそう。をコンセプトに、これまで123名の方が3ヶ月のプログラムに参加し、自分の興味関心を軸にさまざまな活動をスタートさせました。「何から始めていいかわからない」という方も多くいましたが、地域でワークショップを開催したり、ボードゲームを開発したり、環境問題に取り組んだり、いずれもオリジナリティあふれる「マイプロジェクト」が生まれています。

ここでいう「マイプロジェクト」とは、自分の興味関心を軸にした、自分起点の活動のこと。活動を積み重ねる中で、「これが自分らしい道だ」と確信できるものを見つけたり、「人生をかけて取り組みたい」と感じるテーマに出会った方もいます。また、今取り組んでいるプロジェクトはどうなるかわからないけど、「人生の彩りが増えた」「毎日が楽しくなった」という方もいました。一人ひとり、活動内容も目指すものも全然違うのが面白いところ!

【4th place lab メンバーの活動の様子】

ちなみに「4th place lab」という名前には、“サードプレイス(第3の場所)”を越えた「第4の場所」という意味があります。仕事や家庭、従来のやりかたにとらわれず、自分が楽しいと思えることに純粋に向き合える場所、という意味が込められています。

「delece C」を始め数々のソーシャルプロジェクトを仕掛ける小国士朗さん、ローンディール代表・原田と共に発起し、おかげさまで昨年2024年10月で3周年を迎えることができました。実は3年の節目を迎え、プログラムの提供を一旦終了することにしたのですが(メンバーのコミュニティは継続中です)、2025年の始まりに「今年こそ、行動を起こしたい」「何か自分にできることを始めたい」と考えている方のお役に立てればと思い、4th place lab のプログラムをnoteで公開させていただくことにしました。

自分のやりたいことを具体化し、「マイプロジェクト」をつくるためのワークシートを用意しました。 4th place lab では、miroというアプリケーションを用いて行っていましたが、今回はどなたも参加しやすいようにパワーポイントを用意しました。このワークシートを用いて記事に沿ってワークをしていただければ、「マイプロジェクト」ができるようになっています。

★ ワークシートはこちらからダウンロード ★ 

【マイプロジェクトをつくる3つのステップ・9つのアクション】

これまでの4th place lab 参加者の力を借りて得た知見やフレームワークが、これから挑戦したいと考えている方々の一歩を後押しできれば嬉しいです。みなさんの大切な「思い」や「好き」が、新しい未来を切り開く力になることを願って。

(文:小林こず恵 / 4th place lab 共同発起人)


4th place lab で生まれたもの


4th place lab では、自分が「純粋にやりたい」と思う気持ちを出発点に、さまざまな活動が生まれました。メンバーの活動事例をご紹介することでイメージがわくと思いますので、最初にご紹介します。ちなみに、4th place lab では、ビジネスや社会的インパクトといった制約に縛られず、「自分が純粋に興味があること」や「社会に必要だと感じること」にフォーカスしていました。

<メンバーの活動事例>
・個人のスキが形になった活動
:大好きな本をテーマにしたイベントの開催、折り染めワークショップ、ボードゲームの開発・販売など
地域に密着した取り組み:映画祭の開催、地元の野菜を活用するプロジェクト、図書館の創設など
社会課題への挑戦:海洋ゴミの解決を目指す取り組み、認知症のない社会を目指す活動、フェムテックの推進など
人生をより良くする実験:自分を取り戻す「焚き火」の会、月曜日を楽しくする山登りツアー、仏教を身近に感じるコミュニティ運営など

もともと「これをやりたい」という思いを持って4th place labで活動をしていた人もいますが、多くの方は、やりたいことも経験もつながりもない中で、少しずつ形にしていきました。

行動を起こす際、「大きな計画を立てて準備してから」と考えがちですが、それではハードルが高くなり、いつまで経ってもスタートできないことがあります。まずは「身近なたったひとりの人を喜ばせる」など、少しずつ経験を重ね、仲間を増やし、活動を広げていく。こうしたプロセスこそが、やりたいことを現実のものにしていきます。4th place lab では、このような「スモールスタート」の実践を大事に運営してきました。

とはいえ、経験のないことにチャレンジするのは躊躇するもの。そこで、以下の3つの考えも合わせて重視しました。

1. すべては実験。失敗して当たり前だと考える
すべての行動は「実験」であると考えることで、うまくいかなくて当然と思えます。「これをやってみたらどうなるだろう?」とワクワクしながら軽い気持ちで動いてみる。結果的にうまくいかなくても、得られる経験や気づきは、次の一歩を進むための大切なヒントになるのです。

2.応援してくれる人を見つける
一人で挑戦するのは不安でも、仲間と一緒なら心強く進めます。4th place lab では、同じ志を持つ仲間と出会い、互いに応援し合える環境です。仲間のアイデアや挑戦を知ることで、新しい視点やヒントを得られるだけでなく、「それいいね!」という言葉が背中を押してくれることもあります。誰かの「やってみたら?」が思わぬきっかけになることもありました。

3.自分らしさを大切にする
そして、自分の思いと純粋な意欲を何より大切にしてきました。他人の基準に縛られるのではなく、自分にとって「好き」「必要」と感じるものを軸に行動を起こすことで、無理なく楽しく続けられるもの。みんなと違うからこそ価値があり、面白いのです。

「マイプロジェクト」を立ち上げる3つのステップ


ここからは、4th place lab で実践していた「マイプロジェクト」をつくる3つのステップ(細かく分けると9つのアクション)をご紹介します。

STEP1:自分を知り、
STEP2:仲間を見つけ、
STEP3:社会との接点を持つ。

この3つのステップを通じて、自分らしい活動を起こし、広げていきます。まずは自分自身と深く向き合い、自分の価値観や興味を明確にします。次に、それを共有できる仲間を見つけ、互いにサポートし合うことでできることを増やしていきます。そして自分のアイデアを社会に向けて発信し、新たなつながりを生み出します。

<3ステップを細かく分解すると・・・>

◉ STEP1:自分とつながる

自分自身を深く知ることから始めます。内面を掘り下げ、自分が本当に大切にしているものや興味を明確にしていきます。
ACTION1「自分のキーワードを言葉にしよう」
ACTION2「自分にとってのロールモデルを見つけよう」
ACTION3「自分の身の回りのキーワードを書き出そう」


STEP2:仲間とつながる
自分の挑戦や活動を支えてくれる仲間を見つけ、つながりを深めるフェーズです。共感できる仲間との関係構築は大きな力となるでしょう。
ACTION4「必要な仲間を具体化する」
ACTION5「周囲の人に発信してみる」
ACTION6「コラボレーションを考える」


STEP3:社会とつながる
最後に、自分のアイデアや活動を社会に向けて発信することで、より広い範囲で影響力を持つことを目指します。
ACTION7「妄想ニュースをつくってみる」
ACTION8「妄想ストーリーをつくってみる」
ACTION9「説明できるようにしておく」

これらのステップを繰り返し実践することで、アイデアが形になり、より多くの人々や社会とつながることができます。ちなみに、「やりたいことが具体的」という方はSTEP1は飛ばして2の「仲間とつながる」から始めても良いでしょうし、「すでに活動はしているが広がらない」という方は、STEP3の「社会とつながる」を重点的に見ていただくのでも良いと思います。

ここからは、具体的な3ステップのワークシートをご用意しながら、解説していきます。

★ ワークシートはこちらからダウンロード ★ 

【実践】STEP1「自分とつながる」


まずは自分とつながることから始めます。日々、さまざまな人や情報に触れていると、外に目が向いてしまい、誰かが求めていること、会社が求めていることばかりにフォーカスしがち。すると、自分の気持ちを置き去りにしてしまうことも。まずは自分がどんな価値観を持っていて、今どんなことに興味があって、何が実現できたら嬉しいのか。具体的にしていきます。


ACTION ①
10%の興味でOK! 特に興味があるキーワードを3つ選ぼう

ほんの10%の興味でもいいから、「ちょっと気になる」「面白そう」と思えることに目を向けてみましょう。それが自分の価値観や情熱の源を探る第一歩です。自分の中にある「興味のカケラ」を探し出し、それを言葉にしてみるところから始めましょう。

たとえば、最近ワクワクしたこと、ずっと気になっているテーマ、人生で長く時間をかけてきたことなどが、自分らしさを形作るキーワードのヒントになります。最後に、見つけたキーワードから、特に気になるキーワードを3つ選んでみましょう。

<ワンポイント💡>
キーワードは10%や20%の興味でOKです。「取り組んでみたい“かも”」エベルで良いのです。調べたり関わりを深めていく中で興味が増すこともあります。「100%これだ」と見つける方が難しいと考えましょう。また、ビジネスになるとか、誰かのためになるとか、キャリアにメリットがあるかとか、そうした視点は一旦置いておきましょう。そのキーワードに純粋に興味があるか、時間を使っても良いと感じるか、意義があるかなどといった視点で選ぶことをおすすめします。なぜなら自分が純粋に楽しめるもの、意義を感じるものこそ、取り組む価値があるからです。


【ACTION②】
こんな活動ができたらいいな! ロールモデルを見つけよう

次に、自分があげたキーワードに関連する世の中の活動を探してみましょう。キーワードはひとつに絞っても良いですし、絞りきれない場合は3つに対して考えてみましょう。キーワードを組み合わせてもOKです。

いきなりオリジナルの活動をしようと思っても難しいので、まずは世の中にある活動のやり方を参考にしてみることをお勧めします特に「この活動いいな」と思うロールモデルとなる活動を見つけましょう。「いずれこういう取り組みをやってみたい」でも、「この活動のこの部分を参考にしたい」といった部分的なロールモデルでも構いません。「この人みたいな存在になりたい」という人物のロールモデルでももちろんOKです。

4th place lab でこんなことがありました。「大好きな映画を通じて何かしたい」という思いを持っていたMさんは、個人活動の経験もなければネットワークもない中で、何から始めていいか分からずにいました。そんな時に、全国のカフェで映画祭を開く活動に出会ったのです。そこで「こういうやり方があるんだ」と知り、イメージがわいたと言います。ちなみにMさんはその活動の主催者に連絡を取り、アドバイスをもらいながら、映画祭を実現したのでした。

ネットやChatGPTで探すのもあり、周囲に「こんな活動ない?」と聞いてみるのもあり。少し先をゆく活動を見つけて、参考にしてみましょう。

<ワンポイント💡>
ロールモデルを探していると、自分が考えていたアイデアと似たような活動を見つけ、「もう誰かがやっているから、自分がやっても意味がない」と感じることがあるかもしれません。でも心配はいりません。同じアイデアでも、やる人が違えばその形は必ず変わります。活動を進めていく中で自分の個性が加わり、オリジナルなものへと進化していくのです。


【ACTION③】
チャンスは半径3メートル以内に! 自分が持っている資産を活用しよう

「何か新しいことを始めたい」と思うと、つい遠くにあるものや自分にはないものを探してしまいがち。でも実はチャンスは身近なところにあります。すでに持っている資産こそが、次の一歩を支える強力な武器になるのです。

まずは手元にある「資産」を見直してみましょう。資産とは、お金や特別な才能だけを指すものではありません。これまで築いてきたネットワーク、得意なこと、経験やスキルなど、日々の中で意識せずに積み上げてきたものも立派な資産です。自分がすでに持っているものに目を向けて、できることから始めてみましょう。

<ワンポイント💡>
ネットワークを活用すれば、その分野に詳しい人や協力してくれる人を見つけられるかもしれません。資格や経験を組み合わせれば、信頼感を持って活動をスタートすることができます。自由に使えるスペースなどを使って試しに始めることですぐに行動に移せるかもしれません。

また、やるからには大きなことをやらなきゃ意味がないと、大きな活動を考えがち。大きなビジョンや夢を持つことは大事なのですが、いきなり「1000人規模のイベントをやる」とか、「100万人に読まれるメディアをつくる」とか、「学校を建てる」とか、ムリですよね。まずは「たった一人を喜ばせる」くらいの規模感で考えてみましょう。それだったら何かはできそうじゃないですか? 身近な資産を活用しながらできることは必ずあります。

* * *

【実践】 STEP2「仲間とつながる」


ここまでのワークを通じて、「活動の輪郭」や「身近でできそうなこと」が少しずつ見えてきたのではないでしょうか。次は活動を支えてくれる「仲間」を見つけ、つながりを深めるステップです。仲間がいると、できることの幅がグンと広がります。自分だけでは思いつかないアイデアや視点が生まれたり、得意分野を補ってもらえたりすることで、一人では越えられなかったハードルを乗り越えることができます。また「一緒にやろう」という気持ちが活動を後押しし、大きな力となります。どんな人とつながるべきか「必要な仲間像」を具体的に描いてみましょう。


【ACTION④】
必要な仲間を具体化しよう

まずは、これまで出てきた「できそうなこと」の中から、実験することをひとつ絞ってみましょう。これだというものが見つからない、決められないという方もいるかもしれませんが、実験なので、極端な話、何を選んでも良いのです。途中で変わっても良いのです。身近な人がやっている活動を思い浮かべ「これならできそうだ」「これならやってみたいかも」くらいの感覚で選んでみてください。

そして、自分の活動にとってどんなスキルや考え方を持つ仲間が必要なのかを、具体的にイメージしてみましょう。

  1. 専門的なスキルを持つ仲間:「ITに詳しい人」「デザインや動画編集が得意な人」など

  2. 活動を盛り上げる仲間:「明るくポジティブで応援してくれる人」「企画を一緒に考えられる人」など

  3. 実績や経験がある仲間:「似た経験を持ち、アドバイスがもらえる人」「その分野で活躍している人」など

思い浮かべたら、具体的にリストアップしてみましょう。

<ワンポイント💡>
「こんな人が必要だけど、身近にはいない」ということもあるでしょう。しかしすでにつながっている人や、その人を介して新しい出会いが生まれることもあります。周囲の人に「こういうことを始めたいんだけど、詳しい人を知らない?」と相談してみると、案外「知り合いにいるよ」と繋がるケースがあります。友人や知人を思い浮かべてみて、「この人が協力してくれたら、どんなことをお願いできるだろう?」と考えるだけでも広がります。


ACTION⑤
思わぬ出会いがある!周囲の人に共有してみよう

必要な仲間がイメージできたら、仲間を募集していることや、自分のアイデアや計画を周囲に共有してみましょう。新たな仲間や協力者を見つけるきっかけになります。SNSや直接の会話などどんな形でも構いません。自分が「何をやりたいのか」を伝えることで、思いもよらない出会いやアドバイスが得られることがあります。

ただし発信する際には、相手に伝わりやすくするための準備が必要です。活動の名前やコンセプト、「なぜこの活動をするのか」といった背景を、自分の言葉で整理しておきましょう。仮でも構いません。シンプルで伝わりやすい表現が共感を呼びやすくなります。自分の活動名・コンセプト・なぜこの活動をするのかを言葉にできるようにしておきましょう。

<ワンポイント💡>
世の中にはさまざまなコピーが溢れています。ネットや街中など、意識的に「これいいな」と思うタイトルやコピーを探して参考にしてみましょう。
(ただし商標には注意。ネットでも商標登録検索ができますので、タイトルが決まったら商標登録されていないか、確認すると良いでしょう)。ちなみに、「しっかりと計画が固まっていないと発信できない」という声をよく耳にしますが、未完成の段階だからこそ発信することをおすすめします。自分一人で完璧を目指すよりも、人に話すことで新たな視点やアイデアを得られる可能性が高いからです。さらに、未完成だからこそ柔軟で、仲間と一緒に作り上げていく楽しさがあります。


【ACTION⑥】
コラボレーションを考えよう

「他の活動と掛け合わせる」ことで、広がりが生まれます。互いの得意分野を持ち寄り、共に作り上げることで、新しい価値や可能性が生まれます。まずは自分の活動を整理した上で、「一緒に何ができるか」を探ってみましょう。得意な領域を活かし合ってコラボレーションすることで、思いがけないアイデアや成果が生まれることもあります。

<ワンポイント💡>
コラボレーションを成功させるには、「自分ができること」「相手ができること」「一緒にだからできること」を明確にすることが重要です。これをはっきりさせることで方向性が見え、相手を誘いやすくなり、実現の可能性が高まります。一緒に作り上げた成果が新しい活動の原動力となり、プロジェクトを次のステージへと押し上げてくれるはずです。

* * *

【実践】 SETP3「社会とつながる」


活動を形にして、身近な仲間とつながったあとは、社会との接点を意識的に作り、活動を発信していきましょう。アイデアや活動を社会に発信することでその輪は大きく広がり、多くの人々に共感や協力を得ることができます。SNSなどのツールや世の中のさまざまな機会を活用して、自分の想いや小さな成果を積極的に発信してみましょう。完璧である必要はありません。未完成だからこそサポートが得られます。以下のアクションを実践して、具体的な社会とのつながりを作っていきましょう。


【ACTION⑦】
妄想プレスリリースをつくってみよう

自分のプロジェクトが成功したときに、どんなニュースとして報道されたら嬉しいか。想像してみましょう。妄想プレスリリースを作ることで、プロジェクトの目的や方向性がクリアになり、自分が目指している「理想の姿」も明確になります。次に進むための動機付けにもなります。仲間や応援者に共有することで、同じ目標に共感してくれる人をより巻き込むきっかけにもなります。

<ワンポイント💡>
世の中のプレスリリースを参考にしてみましょう。企業や団体が発信しているニュースの中には、魅力的なタイトルやわかりやすいものがたくさんあります。また、具体的な数字やエピソードを盛り込むことを意識してください。たとえば「たくさんの人が参加した」よりも「1000人が来場した」の方がイメージが具体的ですよね。自分が達成したい理想の姿を思い描きながら、読む人に「自分も参加してみたい」と思わせるような明るいストーリーを作り上げてみましょう。


【ACTION⑧】
妄想ストーリーをつくってみよう

妄想プレスリリースで描いた「理想の未来」に辿り着くためには、その過程や道筋を具体的に描くことが大切です。これまでは現状から一歩ずつ進める考え方で行ってきましたが、ここでは「バックキャスティング(未来起点)」を意識してみます。まず1年後の理想的な状態を描き、それを実現するために遡って必要な行動を具体化していくのです。

<ワンポイント💡>
たとえば「地域の子どもたちが笑顔で参加する学びの場を作る」という理想がある場合、1年後にはどんな具体的な成果が見られるのかを設定します。そしてそれを実現するために半年後にどこまで進んでいるべきか、3ヶ月後に何をしているべきかを考えます。目の前の行動が理想の未来にどのようにつながるのかが明確になり、一貫性を持ったストーリーを描くことができます。


【ACTION⑨】
3分程度で説明できる資料を用意しておこう

チャンスを掴むために、自分の活動やアイデアをいつでも人に説明できるようにしておきましょう。初めて会った人に短時間で魅力を伝えられるように、簡潔でポイントを押さえた資料や説明を準備しておきましょう。たとえば「エレベーターピッチ」と呼ばれる方法がありますが、3分以内でポイントを伝える練習をしてみるのもおすすめです。

<ワンポイント💡>
資料の場合は「一目で伝わる」、口頭の場合は「一言で伝わる」ことを意識しましょう。シンプルで具体的な言葉を選び、複雑な説明を避けることで、初めて聞く人にもスッと伝わる内容に仕上げることができます。加えて「どんな協力やサポートが必要か」を具体的に伝えることも重要。相手が自分の役割をイメージでき、協力を得やすくなるからです。「なんでもいいのでお願いします」では、誰も動いてくれません。

また、すでに行動している場合は「今やっていること・これまでやってきたこと」を伝えると、本気度が伝わります。そして、「なぜこの活動をしているのか」といった背景も忘れずに。ロジカルと情熱のバランスを意識しながらまとめてみましょう。

* * *

ここまで「自分とつながる」「仲間とつながる」「社会とつながる」の3つのステップをご紹介してきました。実践することで、漠然とした「興味関心」や「やりたいこと」が少しずつ形になっていきます。そして行動を続ける中で仲間が増え、社会とのつながりが生まれ、活動は予想もしなかった広がりが生まれるでしょう。

最後の章では、「スタートした活動を楽しく続けるコツ」についてお伝えします。諦めずに活動を続けることで、さらに見えてくる未来があります。続けてご覧ください。

活動を楽しく続けるには


ーー期間を決めて続けてみよう!次の道が見えてくる


こうしたワークショップを通じて「はじめの一歩」を踏み出すことができたとしても、その活動を「継続させる」ことはかなり難しいもの。

もちろん「やってみた結果、違うと感じた」場合は無理に続ける必要はありません。しかし、やりたい気持ちはありつつも、「思ったような結果が出なかった」「思うように広がらない」といった理由で活動をやめてしまうことがあります。活動を始めて2回や3回で思うような成果や変化が生まれることの方が稀。大切なのは長いスパンで物事を見ること。「半年は続けてみる」とか「10回は開催してみる」といった具体的な基準を設け、短期的な失敗や停滞に振り回されずに活動を続けることをおすすめします。

  1.  「これがあるから頑張れる」という拠り所(仲間や体験)を見つける

  2. 活動の中に「楽しい」と感じる時間をつくる

  3. 「小さな目標」を設定する

などを意識することで、より継続させやすくなるでしょう。活動は続けることで成長し、広がり、そして新しい道を切り開きます。頑張るのではなく、楽しむことを大事に一歩ずつ続けてみましょう。その先には予想もしなかった未来が待っています。

ーープロジェクトは変わってもいい!やり方は何通りもある

活動を続けていると、当初思い描いていたやり方や方向性が変わることがあります。それは失敗ではなく、むしろ自然で健全なプロセスです。状況や環境が変われば、自分自身が大切にしたいことや視点も変わるからです。大切なのは、「最初に決めたことに縛られずに柔軟に対応すること」です。

最初の計画に固執せず、「変わることは当たり前」と考えましょう。また「正解」は一つではありません。同じビジョンを描いていても、進め方は何通りもあります。「今のやり方が合っていないかも」と感じたら、視点を変えて別の方法をどんどん試してみましょう。

その際、「なぜ取り組み続けるのか」「譲れないことは何か」を明確にしておくと良いでしょう。活動の核となる想いを持ち続ければ、方法や進め方が変わってもブレにくくなります。

ーー伝え続けることでじわじわ効いてくる

そして、発信し続けることは、継続を支える大切な力です。最初は誰にも見向きされなかったり、関心を持ってもらえなかったりするかもしれません。しかし「伝え続ける」こと自体が種まきのようなもの。何度も繰り返していくうちに、少しずつ周囲の反応が変わってくることもあります。

「また同じ話か」と思われるくらいに発信を続けてみましょう。自分が情熱を持って言い続ける姿勢は本気の姿勢でもあります。そうした思いがわじわと届き、気づけば自然と仲間や協力者が集まるようになるはず。たとえ小さなリアクションでもそれを糧にしながら、粘り強く伝え続けてみましょう。

いつもの自分をはみだして動いてみると、案外できることがある


いかがでしたか。ここまでお伝えしたように、他人の期待に応えるだけでなく、自分の意欲や好奇心を満たすチャレンジが、豊かで充実した人生・キャリアをつくるカギです。そのためにもいつもの「枠」からほんの少しだけ、はみだして行動してみましょう。

「はみだす」とは、会社を辞めたり、大きな挑戦をすることではありません。 まずは自分の中の「好き」や「気になる」を軸に、小さな一歩を踏み出してみることです。完璧である必要はありません。「これがやってみたい」という素直な気持ちを行動に移してみてください。その純粋な一歩が、最初は小さくても、いずれ周囲や社会にも大きな力となっていくでしょう。

ここまでご紹介したフレームワークを活用して、ぜひ行動を起こしてもらえたら嬉しいですが、「新しい人とランチに行く」「自分の意見を思いきって伝えてみる」。こうしたいつもの行動を少し変えてみるだけでも、はみだしの一歩になります。

もし、取り組んでみた感想やご意見などいただけたらとても励みになります。お問合せまでお気軽にご連絡ください。

それでは、いつかまた 4th place lab の新しいプログラムで出会える日を楽しみにしています。

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