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「動いてみたことで、見えた世界」東芝テック株式会社 高畠政実さん -後編-

株式会社ウェルモでレンタル移籍をスタートした、東芝テック株式会社の高畠さん。順調なスタートを切ったものの、想定外のことが起こり、精神面でとことん落ち込んでしてしまいました。高畠さんはどうやって移籍最大のピンチを乗り越えたのか…?
後半では、ピンチを乗り越えたことで訪れた変化について、また、自社に戻って挑戦したいことなどを伺っていきます。
→ 前編はこちら

動いてみたことで生まれた、ちょっとした自信

ーーそこまで落ち込んで、どうやって回復していったのでしょう?

「…正直、時間はかかりました。でも、ローンディールの方に状況を相談した時、「とにかく動いてから考えてみたらどうか」ってアドバイスいただいたり。メンターの関さんからも、『自分が影響を及ぼせる範囲外のことで悩んでいても仕方ない。だったら自分が影響を及ぼせる目の前のことをしっかりやっていこうと。そうしていくうちに自分の意見を周りの人が認めてくれるようになる』と言っていただいたり」

「それに、(東芝テックの)上司からも『大丈夫か』って心配されてしまいまして(苦笑)。このまま周りに心配かけてしまっては申し訳ない。悶々としている気持ちとかは一旦置いておいて、アクションしてみようって。少しずつ、業務改善の仕事に向けて動き出しました。そこからですね、変わっていったのは」

ーーでは、動いているうちに気持ちが回復していったということでしょうか?

「はい、動いてみたことで、”自分の思い込み”に気づきました。実は、業務改善もやってみると、事業開発とある意味同じであることがわかったんですね。社内でヒアリングして、今のシステムをどう変化させていくか…それを検討して実行していくアクションは事業開発と一緒。事業開発と業務改善、今まではまったく別物で考えていたんですけど、根本は同じなんだなと気づきました。ヒアリングして仮説検証して実行して、また改善していくみたいな…。動いてみたことで、ようやく自分の成長イメージと業務が結びついていきました」

「それにこの頃、ウェルモ社は大きく変わるタイミングでした。自分がいた半年の間にも、スタッフが1.5倍くらいに増えている。成長期に入っていたので、属人化されているものを汎用的なスキームやシステムにしていく必要があって、業務フローの改善が求められている時期でした。だから、ウェルモ社にとっても重要なミッションだったので、その部分にコミットできるということは、モチベーションにつながりました」

「また、ツールを見直したり、実際に必要なシステムのコードを書いたり、技術的な部分では自分のスキルを活かすことができたのも良かった。社員の方に『ありがとう』と言っていただくことも増え、自信になりました。そのまま残り4ヶ月は業務に没頭できました」

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ーー行動したことよって様々な気づきがあったようですね。では、満足して終えられた感じですか? 

「もうちょっとやりたかったなって、思いますね。最終月の3月になって見えてきた施策もあって、自分から提案できそうなこともありました。今思うと、もっとスピードを上げて早めにできたかもしれないというのもありますし。
なので、最後はいろんな意味で寂しい気持ちで終わりました。もう少しやりたかったという寂しさと、みなさん本当に優しくて想いを持った人たちばかりだったので、そういう人たちとの別れの寂しさです」

20200330_高畠 政実

ウェルモ社で開かれた送別会の様子


想いを持って働くということ

ーー気持ち的にもかなり入り込んでお仕事をされていた感じですね。それはやっぱり、ウェルモさんで働く人たちの影響も大きかったのでしょうか?

「大きかったですね。皆さん、様々なバックグラウンドを持った多様な人たちなのですが、社会課題や介護の業界をどうにかしたいっていう熱い気持ちが強く、圧倒されました。ウェルモ社のビジョンは、『愛を中⼼とした資本主義のつぎの社会を描く』というものなんですね。最初は『愛の資本主義? どういうこと?』って思っていたんですけど、代表の鹿野さんはじめ、みなさん本気で愛を持って取り組んでいる。『愛』を持って社会を変えていくんだって想いを感じられたことで、自分も当事者意識を持つことができたんだと思います。たった半年ですけど、そういう場に身を置けて本当に良かった。これは座学では絶対に得られない」

ーー 想いを持って働く。この経験は、これからの事業開発にも活きそうですね。

「はい。自社でも、自分含めて関わるみんなに当事者意識が生まれる事業を作りたいと思っています。正直いままでは、自分がやらなくても誰かがやってくれる的な、他力本願な部分があったんですね。
でもそうじゃなくて、関わるみんなが主体的に取り組んでいくことが、より良い事業につながるということがわかったので、自分ごと化を意識していきたいです」

ーーちなみに高畠さんは、ベンチャーに行くことでご自身を変えたいとおっしゃっていました。この当事者意識を持てたというのが、ご自身の中では変化だったのでしょうか。

「もちろんそれもありますが、自分の中では、『モチベーションが落ちた時の克服の仕方がわかった』ということも大きな気づきでした。先が見えなくなった時に、そのままどうしようって悩み続けるんじゃなくて、動いてみるのが大事だということ。動いてみると、その先が見えてくるということを、身を以って経験できたのは良かった。今後色々チャレンジしていく中で、当然落ち込んだり先が見えなくなることもあると思います。そういう時に、今回のように動いてみると解決できるんじゃないかなって。そう思うと自信になるというか」

「ウェルモ社の代表の鹿野さんもおっしゃっていたのですが、『短距離走みたいに全力で走って休むを繰り返すのではなく、マラソンランナーのように一定の速度感で走ったほうが信頼も安定も生まれる』ということ。その辺りの大事さが、自分がマイナスになったことでわかったのは、大きな気づきです」

これからがはじまり。みんなと実現できたら…

ーーそれはいい経験ができましたね。他にも何か今後に活かせそうなことはありましたか?

「コミュニケーションの考え方も変化したと思います。ウェルモ社は、個々の情報発信力を大事にしていて、ピッチをして発信力を磨いていくということをしていました。発信する習慣をつけることで、周りに自分のことを伝えることができるし、周りのことも知れる。それってすごく大事なことだなって」

「今はリモートだから、より積極的にコミュニケーションを取っていかないといけない状況だと思っています。ウェブ会議だとやっぱり雑談ぽい話がしにくい。でも雑談によって新しいものが生まれたり、距離が縮まったりする。そういうのを気軽に話せる機会を増やして、業務以外でも発信できる場を作れたらと考えています」

ーー自社でやりたいことが色々浮かんでいるようですね。

「そうですね。でも自分一人ではなく、みんなと実現できたら。これからは自分の役割や、部門を超えた社内外の人を巻き込んでいかないと、新しいことが生まれにくいんじゃないかと思っています。だから、まずは社内の人を巻き込みつつ、外に広げていきたい」

ーーこれから楽しみですね、どんな変化が生まれていくのか。

「ウェルモ社への移籍は終わりましたけど、これで終わりにしてはいけないと思っています、これからです。ちょうど私の後に移籍した小西くんが6月で戻ってきましたし、これから移籍仲間も増えていくでしょうから、一緒に挑戦できたら嬉しいですね」

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FIn

【株式会社ウェルモ 会社概要】

社会課題をICTと先端技術の力で解決することをミッションに掲げる、ケアテックカンパニー。ケアプラン作成支援AIの「ケアプランアシスタント」、介護の地域資源情報を集約するプラットフォーム「ミルモネット」、児童発達支援・放課後等デイサービス「UNICO(ユニコ)」の事業などを展開しています。
・ウェルモコーポレートサイト:https://welmo.co.jp/


【レンタル移籍とは?】

大手企業の社員が、一定期間ベンチャー企業で事業開発などの取り組みを行う、株式会社ローンディールが提供するプログラム。ベンチャー企業の現場で新しい価値を創りだす実践的な経験を通じて、イノベーションを起こせる人材・組織に変革を起こせる次世代リーダーを育成することを目的に行われている。2015年のサービス開始以降、計38社97名のレンタル移籍が行なわれている(※2020年7月実績)。→詳しくはこちら


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協力:東芝テック株式会社 / 株式会社ウェルモ
Interview & Writing:小林こず恵
Photo:ANN
提供:株式会社ローンディール
https://loandeal.jp/


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