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【第3章 成功確率が見えない】結果を出したい!〜お祭りの現場で見つけた、ビジネスをつくるヒント〜

今回の主人公は、株式会社オリエンタルランドから、全国のお祭りを支援するベンチャー企業、株式会社オマツリジャパンに移籍した大内花菜子(おおうちかなこ)さん。大内さんは2018年6月から移籍を開始し、6ヶ月間の移籍を終えて2018年12月に帰って来ました。そんな大内さんのストーリーを全4回でお届けしていきます。

<過去記事>
第1章 このままじゃいけない
第2章 売上をつくれない

—気持ちだけが焦る

「今日も売上をつくれなかった」

そんな想いを抱きながらも立ち止まって悩んでいる余裕はなく、協賛先であるお祭りの開拓、時には直接お祭りの主催者に説明へ出向くなど、大内は提携先の獲得に急いだ。同時にクライアント側に協賛メニューやお祭りにについて説明する機会も増え、以前にも増して慌ただしい日々を送っていた。

しかしいくら動いても、未だ結果にはつながっていない。

正直、しんどかった——。

「早く結果を出さなきゃ」と気持ちだけが焦る。

オマツリジャパンは、あらゆることにオープンで、当然のように経営状態も共有してくれていた。その話を聞きながら「このままで大丈夫かな……」と思うこともあった。

そういう状況だからこそ「自分が売上を作りたい」と、人一倍責任感の強い大内は必死だった。オリエンタルランドにいた頃ももちろん数字には敏感だった。

しかし、自分ひとりの売上がもたらす影響範囲を考えたら、ベンチャーの方がとてつもなく大きい。大内はキャッシュの大切さに触れた。

—はじめて感じる種類の不安

一方、どうやったら成功するのか?
その答えが見えないでいたことも、大内を悩ませた。

外部を見ても近いモデルがないため、プロセスが分からず、成功イメージも見えない。
今までは、誰かが作り上げたプロセスを改善していく、より良くしていくという業務が主だったため、既に確立したモデルや実績があり、ある程度予測がつけられた。

しかし今は、結果の予測がつかないまま、目標としている収益を生み出せるか分からないまま、ただ走り続けている。その中でどうやったら成功につながるのか、どのように課題を深堀したらいいのか、日々考えていた。

大内にとって、先が見えないというのは初めて感じる種類の不安だった。

—不安を乗り越える精神力とは?

———ある日、同じタイミングでレンタル移籍をしているオリエンタルランドの2名と会う機会があった。(そのうち1名は出川千恵さん。ストーリーはこちら

他の2名は自分より社会人歴も長く、役職も持っている。
そんな2人もそれぞれ葛藤し、悩んでいることを知った。

「苦しいのは自分だけじゃない…。乗り越えないと」大内は勇気をもらった。そして、オリエンタルランドの仲間と話す中で、改めて気づかされたことがある。

それは、自分が今までやっていたことがいかに成功確率の高い仕事だったかということ。

スペシャルイベントはゲストからもメディアからも注目度が高い。多くのプレスが取材に訪れ、テレビをつければスペシャルイベントが特集されているのを目にすることも少なくない。常にたくさんのゲストが訪れている中で展開でき、更に十分な告知によって周知できる。

(売れて当然……)

つくづく恵まれた仕事だと思った。
それでも安全な道を選び、成功しないかも…と思ったらすぐに前例のある確実な方を選んでいた。

オマツリジャパンは、決して成功確率が高い事業ではない。
しかし、不安だからやらない、不確実だから留まる、そんなことをしていたらゴールには近づけない。成功確率が見えない中でも、ちょっとずつ前に進み続けていかなければいけないのだ。

そこには全国のお祭りを応援したいという強い想いが確かにあり、それらが原動力となり、先が見えない中でも不安を乗り越える強い精神力になる…、そう心底実感した。

—売上見込みがたった!

移籍3ヶ月目。

大内のこれまでの動きがようやく報われた。
東京都の目黒で9月に開催される、「目黒のさんま祭り」への協賛が決まったのだ。

同祭りは1日で3万人以上が訪れる人気のお祭り。
協賛内容は、飲料メーカーによるサンプリングブースの設置で、アンケートに答えることで発売前の商品のサンプリングがもらえるという仕組み。

オマツリジャパンのことを社内で紹介されたという担当者の方から連絡があり、「商品のテストマーケティングがしたい」と相談を受けた。お祭りにマッチする面白い製品で、初めての受注実績になるかもしれないと精一杯お祭りで実施するメリットを説明した。受注の知らせを受けた時は本当に嬉しかった。

しかし、決定から実施まであまり時間はなく、大内は祭りの主催者・クライアントとの調整から、当日に向けた設営準備に追われた。

—「お祭りならでは」を活かして

2018年9月9日。

目黒のさんま祭りは無事開催され、イベントは盛況に終わった。
ブースにも、大行列ができるほど多くの人が訪れ、クライアントも、想定以上に好評だったということで喜んでくれた。

▽当日のイベントの様子はこちら

様々な協賛メニューを提案していたが、今回のようなアンケートがお祭りと相性が良いのではないかという学びを得た。学びから検証までのスピードが早いのがオマツリジャパンの特徴。早速調査会社にアプローチしてみようということになった。知り合いに紹介してもらった調査会社の方と商談をし、感触も上々。

トライアルによって結果を得て、その結果によって方針を柔軟に変更する姿を見て、まずはやってみて成功でも失敗でも結果を得ることがとても大切なのだと気付いた。

—弱音を吐きそう。これは成長のチャンス!?

その後も見事、協賛が決まった。
あるプロダクトメーカーによる協賛で、ブース出展が実現した。やはり「ユーザーに直接商品に触れてほしい」という需要とマッチしたからだ。

大内は、相変わらず協賛の準備に追われていたが、ベンチャー企業が出展する展示会で、オマツリジャパンのPR活動にも参加していた。

イベントに出展中のオマツリジャパンのブースにて

ブースには、地方創生の事業をしている企業や、国や自治体関係の人が広く訪れ、この頃の大内は、すっかりオマツリジャパンの一員として対応できるようになっていた。

———気付けば、移籍も残り2ヶ月。

展示会を終えた大内は、山口県萩市のプロジェクトを担当することになった。

同市で毎年11月に開催されている「萩時代まつり」のサポートで、市役所からのオファだった。総勢200名を超える大名行列である「萩時代パレード」が有名で、市内の一大イベントでもある。

しかし、メインの大名行列が昼に終わってしまうため、宿泊に繋がらないという課題を持っており、宿泊につながるような夜の催しを作りたいということだった。

大内は企画提案から当日のサポートまでをメインで行うことになり、ひとりで萩市に通うことになった。正直かなり不安だった。そもそも、ひとりで提案に行くということ自体が初めてだったし、萩市は縁もゆかりもない土地。

本当に自分の力で実現出来るのか、すごく不安だった。

「出来なかったらどうしよう」と弱音を吐きそうにもなったが、不安もある一方、今出来ないことをどれだけ出来るようにするか、という成長のチャンスでもあると思った。

これが上手くいったら、自分も会社も成長できる、その想いひとつで大内は萩市に飛び込んでいった。

 最終章 確信に変わった へ続く

協力:株式会社オリエンタルランド、株式会社オマツリジャパン
storyteller:小林こず恵
提供:株式会社ローンディール
https://loandeal.jp/

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&ローンディール

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