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日本特殊陶業が挑む「WILL」を語れる組織づくり
トップダウンで意思決定がなされる時代から、一人ひとりの意思に基づくボトムアップが重要視される時代へと、徐々に組織の在り方が変わってきています。企業の中でも「あなたは何をしたいのか?」というWILLが問われる場面が増えているのではないでしょうか。日本特殊陶業株式会社でも、2021年からWILLの概念が語られ始めていました。一方で現場からは「WILLって何?」という声が。そんな社員の戸惑いを感じたモビリィティビジネスカンパニー事業管理部の梶田隆司さんは、社員が腹落ちすることが重要と考え、ローンディールが提供する「WILL発掘ワークショップ」を導入しました。その結果、社内にどのような変化が生まれたのでしょうか。WILL発掘ワークショップの開発を行うローンディールの大川が、梶田さんにお話を伺いました。
「WILL」の言葉が一人歩きしている
大川:改めて、「WILL発掘ワークショプ」導入の背景を教えていただけますか。
梶田:2021年に発表した長期経営計画の中で、初めて「WILL」という言葉が使われました。会社が変換期にあり人も変わっていかなければならないということで、WILLという言葉が生まれたんです。
それを契機に、社内でWILLという言葉がよく使われるようになりました。ですが、社内では「そもそもWILLって何?」「本当に必要なの?」といった雰囲気もありまして。多くの社員が腹落ちしないままこの言葉を使っているように感じたんです。そこで、WILLにしっかり向き合う機会、WILLの重要性を知る機会を作りたいと思ったのが背景ですね。
大川:WILLについて理解を深める上で様々な選択肢があったと思います。なぜそれが、ローンディールのWILL発掘ワークショップだったのでしょうか。
梶田:「レンタル移籍」を経験した社員の声ですね。当社ではレンタル移籍を導入していますが、ベンチャーから帰ってきた社員が、移籍前の研修でWILL発掘ワークショップを受け、「すごく難しくてモヤモヤしたけど、自分の中ではWILLを持つ大切さが腹落ちした」と話してくれて。これをもっと多くの社員に向けてやってみるのはどうだろうと考えました。
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日本特殊陶業の半導体の開発部門に入社し15年間在籍したのち、人事、広報を経験。現在はモビリィティビジネスカンパニーの人事部門で人事評価、人財育成を担当。カンパニー内のベテラン社員と若手社員を融合させて、時代にあった、これからの組織作りをサポートしていくこに力を入れている。個人ではコーチングの資格を取得し社内、社外でコーチとして活躍できる人材を目指し活動中。
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予想以上の反響。社員に生まれた変化
大川:まず短時間で実施できるショート版からご一緒しましたね。
梶田:はい。まず「WILLがなぜ必要なのか」を理解して欲しいと思い、社員200人を対象としました。ただ人によって、こういう取組みを好む人と好まない人がいるという懸念もあって。やらされ感で参加しても意味がないと思ったので、まずは感触をつかんでもらい、さらにWILLを深めたいと感じた人には、次のステップとして通常ワークショップに参加してもらおうと、2段階で進めました。
大川:ショート版でもWILLのイメージは掴んでもらえるんじゃないかと思いますが、参加者からはどんな感想があがりましたか。
梶田:それが、参加者の8割くらいが肯定的な感想だったんです。「こんな風に体系的に学ぶことができると驚いた」とか「改めて自分の気づきになった」といったコメントがたくさんありました。
大川:梶田さんご自身にも参加いただきましたね。
梶田:私自身は「言語化していくのが結構大変だなぁ」と(笑)。なので半分くらいの社員に響けば良いかなと思っていたので、この結果は驚きでしたね。
大川:社内でWILLという言葉を見聞きしていたからこそ、入りやすかったのかもしれませんね。結局、200名の中から手を挙げた8名の方に次のステップとして本格的なワークショップを受けてもらいましたよね。
梶田:そうですね。「さらに学びたい」という社員が10人近くいただけでも、私としては嬉しかったです。そして、最後に自分のWILLを宣言してもらうというのがありますよね。そこで「WILLが見えた」と言っている人がいました。
また、「自分のWILLを会社の仕事につなげていくことが重要だと感じた」という声もありました。WILLというと個人だけで突き進むもののように聞こえますが、そうではなく、その想いを仕事にもどんどん生かしていきたい、ということを自ら感じたようです。
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仕事の中でもWILLが語れるように
大川:それから半年くらい経ちますが、参加者や、参加者の周りで何か変化は起こっていますか?
梶田:当社には自分をオープンにしたがらない人間が多いと思っていたんですが、みんなその殻が破れて「どんどん自分を出しちゃえばいいじゃん」という雰囲気になっていますね。自分を出すことで周りからフィードバックをもらえることもありますし、「仕事でも自分を出して、周りからヒントをもらっていきたい」といった声もありました。
大川:みんながどんどん自己開示していく、それはいいですね。ちなみに、梶田さんご自身にも変化が起こったと伺いましたが。
梶田:はい。私自身もワークショップに参加して本当にに良かったと思っているんです。たとえば上司に企画の提案をすると「そもそも君は何がしたいの?」と聞かれるんです。そんな時、企画の前提として「自分にはこういう想いがあって」とWILLを語るだけですごく伝わるんですよ。
ワークショップを通じてWILLとしっかり向き合ってきただけあって、はっきりと自分の想いを確認できるようになりました。「WILLはこういう時にも使えるんだ」って。
これを他の参加メンバーに話すと「自分もそうです!」と言われるので、「あ、みんな同じことを感じているんだな」とわかりました。実はちょうど先ほども他のメンバーが話しに来たんですが、「自分の中で決断をするとき、WILLが軸になってる」ということでした。
大川:嬉しいです。やっててよかった(笑)。改めて、WILLの深掘りが組織で働く一人ひとりにとって大事なってきそうですね。
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梶田:まさに当社にはハマったと思います。これまでトップダウンだった組織の社員が自分のWILLを語れるようになると、「私はこういうことがしたい。だからこの部門に行きたい」といったことも伝えられるようになり、会社としてもさらなる適材適所が実現するんじゃないかと思います。
今回一部の社員に限定して実施をしましたが、ゆくゆくは会社全体でやりたいと思っています。これから新入社員にも実施する予定です。また、今は社内でワークショップに参加したメンバーのコミュニティを作っていますが、今後は社外の方のWILLを聞いたり触れたりする機会もあるといいなと思いますね。
大川:そういう場を作っていけたらと思います。これからもよろしくお願いします。
Fin
【個人向け・WILL講座】
通常レンタル移籍者や企業に向けて実施している内容を、個人向けに特別公開しています。組織の中での自分のあり方にモヤモヤしている方、何のために働くのか今一度考えたい方、ご参加をお待ちしています!
【ローンディール イベント情報】
「社外経験は、セルフドリブンな社員を生み出すか?」主体性を持ち周りを巻き込める人材が育つために、欠かせない環境や体験とは?
協力:日本特殊陶業株式会社
文:大沼 芙実子
協力:株式会社ローンディール
https://loandeal.jp/