会社の枠を超えよう! “はみだしプロジェクト”のすすめ〜はみだして掴んだもの〜
【社会を変えるプロジェクト】
① 森に人が関わるほど、森も人も豊かになる!?
「さぁ森に行こう Morick(モリック)」
まず最初は、自動車メーカーに務める大多和明さんによるプロジェクトです。ご家族の影響で、元々農林業に強い興味があった大多和さんは、「森に人が関わるほどに、生態系が回復し、人々の心も暮らしも豊かになる」、そんな価値循環のしくみをつくるための取り組みをはじめました。日本の国土の7割は森林。にもかかわらず、本来は手入れが必要な森林が放置され、結果的に災害など様々な問題につながっているといいます。そうした問題を、森を身近に感じてもらう取り組みを通じて、解決していこうというもの。そこで大多和さんは、まずは、森林に興味がある多様な人たちとセクターを越えて対話する場を設け、アイディアを募るなどの活動をはじめたのでした。
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② 学校へ行こう!
「School&Co. (スクール&コー)」
続いては、地方銀行に務める高田彬さんのプロジェクト。地域の特色ある中小企業と学校現場をつなぎたい、そんな思いから始まった取り組みです。仕事を通じて、地域の魅力ある企業に寄り添ってきたことで、「もっと企業の魅力を伝えたい」と考えていた高田さん。そこで、地域企業と、「外の世界をもっと子どもたちに見せたい」という学校側のハブとなることを思いつきました。また、「学校の教員不足」「多様化する学習」に対しても手を差し伸べられるのでは、といいます。現在は、学校と企業で地域の課題を話し合える交流の場をつくることを模索しているとのことです。
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③ 「子どもが一歩踏み出せる」育成を語るコミュニティ
「Dyn(ディン)Coach 」
「自分で行動して、“やりきった”という経験が、人生において大事」。そう語るのは、電機メーカーで働く西川良謙さん。西川さんは、自らの意思で人生を選択し、チャレンジし続ける人があふれる世界の実現を目指しています。そんなビジョンを実現するために今回発起したのが、「Dyn(ディン)Coach 」というコミュニティ。まずは、中高生のチャレンジマインドを育むことにフォーカスし、中高生に向き合う教員の方が熱く語り合える場所をつくるというもの。ちなみに、Dyn Coachとは、オランダ北部の言葉で「あなたのコーチ」という意味だそう。実際に、高校生や教員の方と対話するなど、現場の声を聞きながら、コミュニティづくりを行っている様子。
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④ 「重い」を置いて帰る場所
「夜の保健室」
現在、大学教員として子どもの心理カウンセリングに携わる利光恵さん。利光さんはこれまで、大学という枠を超えて、障がいがあるお子さんやそのご家族の心理支援をしてきました。その中で、行政保健師(※ 地域住民が健やかに過ごすための様々なサポートを行う)の方と共に活動をすることも多く、いつしか、サポートする側である保健師の方を支えたい、そんな思いに至ったと言います。そこで発起したのが、保健師の方が仕事の後に立ち寄り、抱えるこころの重さを安心して置いていける場所「夜の保健室」。現在、地域の建物を借り、場所づくりに励んでいるそうです!
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⑤ ねこのようにそっと寄り添う
「ねこの聴き手」
このプロジェクトを発起したのは、普段、人事のお仕事をされている森圭吾さん。元々はご自身が、ねことの離別で苦しんだ経験から、「ねことの離別の悲しみ、人には語りきれなかった、ねこの話をひたすら深く聴き切る」という取り組みを考えていました。しかし、森さんの周りには、ペットとの離別だけではなく、様々な理由から喪失感を抱えて生きている人がいます。その人たちに寄り添うにはどうしたら? と考えるように。そうして行き着いたこたえは、自らが「ねこ」になること。「ねこが寄り添ってくれることで心が軽くなった」、そうした自身の体験談を思い出し、自らが「ねこ」のような存在になり、皆の悩みに寄り添おう。そう決めたのでした。
【地域を変えるプロジェクト】
⑥ 宇都宮のスタートアップ的なサードプレイスをつくる!
「組めば愉快だ宇都宮」
普段は、大手メーカーで事業開発に取り組んでいる髙橋賢司さん。職場のある栃木県・宇都宮市を拠点に、そこで働く・暮らす人がつながり・たのしみながらスタートアップ的な創造を促すサードプレイスをつくるというプロジェクトを発起しました。都心からの便もよく、日本有数の大企業が点在しながらも、異業種がつながる機会が圧倒的に少ないことに課題感を感じていた髙橋さん。まず最初は、仲間を巻き込み、コワーキングスペースなどを活用しながら、宇都宮の異業種が100人集まる場を作ろうと、取り組みを進めています。
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⑦ 小さな一歩から地域を元気に!
「宝塚をもっとワクワクする街へ」
交通業界で働く宮崎浩太朗さんは、現在暮らしている兵庫県・宝塚市をもっとワクワクたのしい街にしたい、という思いからプロジェクトを発起。宝塚といえば、宝塚歌劇をイメージする人は多いものの、それ以外の印象がないのでは? ということで、宝塚でたのしめることを増やしたいと思ったそうです。そこで、まずは市民をつないでコミュニティをつくることに。子どもから高齢者まで参加できるモルック(※ フィンランド発祥で、木の棒を投げて遊ぶ競技)のイベントも企画するなど、活動をスタートさせています。
【働くを変えるプロジェクト】
⑧ 男女ともに、ホルモンバランスについて考える
「フェムテック、と言うかホルモンテック」
「身体と上手に付き合うことが、自分らしく働く上でとても大事」。
そう話すのは、普段は人事の仕事をしている小木曽なつめさん。組織で働く人々に向き合う中で、分かったといいます。そこで、身体に大きな影響を与えている「ホルモンバランス」を意識する機会をつくろうと、プロジェクトを発起。ホルモンバランスは女性だけでなく、実は男性にも影響を与えるもの。男女ともに参画できる取り組みを始めました。WEB受講できる「フェムテック検定」をみんなで取得するような場を作ったり、セミナーを開いたり、まずは啓蒙活動に取り組んでいます。
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⑨ 男性が育児を“手伝う”を変える
「"イクメン"をなくす」
「イクメンという言葉をなくすことで、男性の育児を当たり前にしたい」と語る関駿輔さん。関さんは、ご自身が育休を取得し、毎日がてんやわんや、「めちゃめちゃキツい...」と、家事・育児の大変さを痛感したそうです。そこで、男性が“手伝う”という感覚をなくし、夫婦で一緒に取り組んでいくことが大事だと考えました。「男性の意識を変えるには?」を考えた結果、実家が経営する学童保育を活用し、パパ層に働きかけることに。そこで、まずは、健康・教育をテーマに、親子で楽しめる講座を開講するなど、新しいパパママ文化を作るための様々な活動を始めています。
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⑩ ゲームを通じて、「働く」をたのしく!
「“あそび”で生み出すワクワク組織」
IT業界で働く鈴木貴成さんは、「“あそび”を通じて、働くことをたのしいと思える人を増やしたい」、そんな思いでプロジェクトを発起。自身が過去、「仕事で思うような成果がでない。チームがまとまらない」などで悩んでいた際、窮地を救ってくれたのが“あそび”だったといいます。ボードゲームやレゴを通じて、新しい発想を得たことで成果につながり、カードゲームを通じて、チームメンバーと信頼構築ができたそう。そうした自らの原体験をもとに、同じく、組織で悩みを抱える人の力になりたいとのこと。まずは、社内でレゴのワークショップを実施し、高評価を得た鈴木さん。今後は、社内外でイベントを開催しつつ、コミュニティ形成をしていくということです。
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⑪ あなたは今、どこに立っていますか?
「自分の軸足をみなおすワークショップ」
人事一筋の中村 薫さんは、「人と組織の関係を良くしたい」という思いで、これまで組織の様々な課題に向き合ってきました。そんな中、組織外にはみだしてみたことで、改めて「組織のゴール」と「自分の軸足がどこにあるのか?」を知ることが大事だと気づいたといいます。そこで、自らが大好きなサッカーになぞらえた、「軸足を見つける」ワークショップを開発。実際に他組織でも実施したのでした。その結果、「自分がどうしたいのか分かった」「今、自分に不足していることが分かった」など、高評価だったそう。これからも、「自分の軸足が知りたい」という人に向けて、展開していくとのこと。
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⑫ ⼈⽣100年時代だからこそ、⼼⾝ともに健康でいよう
「働く心をしなやかに」
このプロジェクトを発起したのは、新規事業企画の仕事をしている今井雄さん。現在はイキイキと働く今井さんですが、過去、理不尽な職場環境に本気で悩んでいた時期がありました。そうした原体験から、「モヤモヤしている人が、環境を変えなくても心地よく働けるように」という思いが生まれたそうです。具体的には、セルフアウェアネス(自己認識)を深めるための問いを自らに投げ、自分の価値観やWILLを明確にするという取り組み。そうすることで、組織と自分の違いをハッキリと認識し、モヤモヤが晴れるといいます。今後も、自己認識を高める1on1や、読書会などを行っていくそうです。
【人生を変えるプロジェクト】
⑬ お茶摘みを通じて自分を解放しよう!
「たまの茶摘み」
機器メーカーで働く金井浩さんは、たまたま参加したはじめての茶摘みで、今までにないほどの解放感を味わい、一気に魅了されたといいます。「自分が味わったような自己解放をもっとたくさんの人に経験してもらえたら。そして一緒に分かち合えたら」。そんな思いから、みんなで茶摘みをするこのプロジェクトを立ち上げたのでした。また「高齢化」「後継がいない」お茶農家のサポートにもなるということで、「誰かの役に立っている」という喜びも大きかったそうです。今後は、独自の茶摘みツアーを企画するなど、様々な茶摘み体験を考えているとのことです。
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⑭ 自信がなくても、スキなことを公開してみる
「スキを、さらそう。」
「ものづくりが好き。でも自信がないから人に公開できない...」。
普段、IT企業で働く野川智史さんは、そんな自らの原体験をもとにプロジェクトを発起しました。さらせない理由は、自分より上手で、熱量が高い人が世の中にはたくさんいるから。そんな自分の殻を破るため、4th place labに参加。まずは仲間内に自分の作品を公開、徐々にSNSやイベントなど、さらす範囲を拡大させていったのでした。結果的に、共通の悩みを持つ方と繋がったり、ものづくりがさらに楽しくなったとのこと。今後は、スキなことをさらす楽しさを体験してもらう「スキをさらす会」を定期開催するようです。
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⑮ 前向きで成長意欲を持つ人を増やす
「To Be Ambitious」
「前向きに生きる人が増えれば地域が元気になるんじゃないか」。
そんな思いから、東京に暮らしながら、地元・北海道を盛り上げる活動を発起したのは、大手通信業界で働く吉澤尚史さん。北海道の母校の学生団体と一緒に、キャリアイベントの開催や、OBと学生を繋ぎ、ロールモデルを見つける取り組みなどを実施しました。また、前向きに生きる人を増やす取り組みの一環として、「10年後を考えてみる」ワークショップも開催。その結果、「今が大事ということに気づけた」「もっと自分らしく生きようと思った」などの感想が得られたといいます。今後もみんなで前向きに生きる・みんなで成長する機会を作っていくとのこと。
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⑯ “未知のベテラン”子どもと一緒に未知を体験!
「好奇心で生きてみる」
「子どもと未知体験をやってみたら、何が起こるだろうか」。
自動車メーカーで働く小笠原 康二さんは、「子どもとの未知体験」をテーマに活動をはじめました。サーフィンや、スケボー、BMXなどにチャレンジ。そこで分かったことは、子どもは未知のベテランだということ。大人は未知に対してワクワクより不安の方が大きくなりがちですが、子どもは、好奇心が大きく勝り、何度も飛び込もうとする力があります。親の背中を見せるのではなく、子供の背中を見て親がチャレンジする。そんな一コマがあったそうです。これからも子どもに刺激を受けながら、一緒に未知体験を楽しんでいくようです。
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⑰ 笑っちゃうほど愛おしい
「推し採集」
「話を聞くのが好き」。そんな自らの特性を生かし、プロジェクトを発起したマナベランさん。マナベさんは普段、組織開発に関わり、皆が「ご機嫌に働く」ことを大事にしているそう。そこで今回、世の中にご機嫌に生きる人を増やすため、「自分のご機嫌は自分で守る」をテーマに活動をスタート。そうして生まれたのが「推し採集」でした。推しの人・もの・コトを語ってもらうことで、自然と笑顔になる時間を増やすというもの。実際、何人もの「推し」を採集したマナベさん。参加した人からは、「自分にも好きなことがあったと気づいた!」「毛穴からセロトニンが溢れ出た」などと感想をもらったそう。これからも採集し続けるとのことです。
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⑱ 趣味をはみだす出会いのプラットフォーム
「オンライン」
「オンライン」は、人材業界で働く島田壮一郎さんが、18年前に立ち上げた、趣味のソフトテニスサークル。「オンライン」の由来は、テニスのルール(※ テニスコートの白い線の上にボールがあたることをオンラインという)から名付けられています。趣味を軸にしたコミュニティを長年運営している島田さんが今回、4th place labに参加したのは、「メンバーの得意なことやスキルをサークル内で共有し、シェアする場に発展させたい」という思いからでした。実際に、サークルのビジョンを幹部メンバーに共有したり、合宿を開いたり、同好会を立ち上げるなど、テニス以外の取り組みも生まれてきている様子。
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【第5期メンバー募集中!】
会社をはみだしてみませんか?
いかがでしたか。このような感じで、思いもプロジェクトも人それぞれ。
みなさん、最初から「これをやりたい!」があったというよりも、活動を通じて、自分のWILL(やりたいこと)を深掘り、行動を繰り返していく中で、カタチになっていきました。伝えてみる、行動してみる。その繰り返しで、道が開けていく。そんな瞬間をみなさんと一緒に作れたら嬉しいです!