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誰もがコミュニティを持つ時代「会社員が自分のコミュニティをつくるには?」

「4th place lab」は、はみだして、ためそう。をコンセプトに、組織で働く個人が、3ヶ月間のプログラムを通じて、自分のやりたいことをカタチにする(=自分のプロジェクトをつくる)オンラインコミュニティです。オープンから半年を迎え、これまで約40名の方が参加し、自分のプロジェクトづくりを行っています。その一環で月1回、はみだし先輩(はみだして、やりたいことをカタチにされている方々)をお呼びし、“組織をはみだすヒント”についてお話しいただくオープンイベントを開催。 
今回ご登壇いただいたのは、社内外で10個以上のコミュニティ活動に関わっているという高橋誠さん。高橋さんは現在、富士通株式会社でコミュニティの運営をしながら、社外では「大田区 100人カイギ」を共同発起。また、パラレルに働く個人を応援する一般社団法人パラレルプレナージャパンの理事も務めています。
高橋さんは、「コミュニティに関わるようになったことで、人生が変わった」と話します。そんな高橋さんに「コミュニティの魅力やつくり方」をテーマにお話しいただきました。その様子を一部ご紹介します。

インタビュアー:小林こず恵( 4th place lab)

ー「3人いればコミュニティ」まずは小さく始めてみる


小林:高橋さんは、本業では社内の新規事業創出プログラムの事務局を担当されているとか。高橋さんがコミュニティ活動に力を入れるようになったのは、どのようなきっかけがあったのでしょうか。

高橋:僕は30年くらい富士通で働いていますけど、実は、社外の人と積極的に関わるようになったのはここ4年くらいなんですね。それまではシステムエンジニアの仕事をしていたということもあって、主に会社の中でしか活動していなくて。

きっかけは2018年です。社外向けのオウンドメディアの運営を任されて、編集部として社外へ取材に行くようになった頃から。元々人と話すのは好きだったので、取材を通じて社外の人と仲良くなって、徐々にその輪が広がっていった。始まりはそんな感じです。

小林:そうなんですね。たくさんのコミュニティに関わっていらっしゃるようなので、長年、活動をされているのかと思いました。ちなみに、具体的にどのように輪を広げていったのでしょうか。

高橋:そうですね。取材などを通じて知り合った人から「こんなのがあるよ」ってイベントやコミュニティに誘ってもらったりして、面白そうだなくらいの軽い感じで参加し続けていたら、またそこで人とつながって。みたいな感じでどんどん広がっていきました。今思うと、もっと早くからこうした活動しておけばよかったなって思うくらい、世界が変わりました(笑)。

高橋さんのコミュニティマップ。赤字が運営側、黒が参加側として関わっているもの

小林:いろんなところに顔を出すようになったわけですね。そういえば、私たちが出会ったのも、とある集まりでしたもんね(笑)。高橋さんは最初は参加者側としていろんなコミュニティやイベントに関わっていたところから、のちに「大田区 100人カイギ」を立ち上げたり、パラレルプレナージャパンの立ち上げ初期から参画するなど、運営側にも関わるようになるわけですが、どのような経緯だったのでしょうか。

高橋:「大田区 100人カイギ」の立ち上げでいえば、たまたまイベントで隣の席になった人と意気投合してスタートした感じです(笑)。いろんな場所で開催される「100人カイギ」に行っていたんですよね。当時はリアルで行われていたのですが、とある地域の100人カイギに行ったとき、たまたま隣に座った人が大田区に住んでいる人でした。

僕は大田区で働いているので、「大田区でやったら面白そうですね」ってふたりで盛り上がって。その時、まだ大田区では100人カイギが開催されてなかったので、「じゃあ、やっちゃいますか」って意気投合したのがきっかけですね。

小林:すごい。偶然の出会いから始まったんですね。

高橋:そうです。パラレルプレナージャパンに関しても、社外活動の中で知り合ったメンバーから、「パラレルキャリアの人たちを応援していく取り組みを考えているんだけど、参加しない?」って声をかけられて。軽いノリでOKを出したのですが、参加者として声をかけられたのかなと思ったら、実は運営側だったという(笑)。

小林:なんと! そうしたご縁が生まれたり、誘われたりするのって、やっぱり高橋さんが「誘われ上手」だからなんだと思います。どうしたら声がかかるようになるんですかね(笑)。

高橋:なんだろう。体格の割には、フットワークが軽いと思われているからかもしれませんね(笑)。あとは、いつもニコニコしているとか? 僕の場合、「社内で新規事業をやる部署にいる」っていうことは自己紹介で言っていたので、事業の立ち上げとかそういう印象を持たれたということも大きいかもしれませんね。「自分はこういう人間です。何かあったら誘って」みたいな感じで、声をかけやすい状況を自分から作っておくことも大事かもしれません。

小林:「大田区 100人カイギ」でいえば、やっぱり「一緒にやろう」という仲間がいたから、立ち上げられたのでしょうか。

高橋:僕の場合は、そうですね。やっぱりひとりじゃなくて、「誰かと一緒に」というのが大きかったと思います。志はあってもひとりだと行き詰まったり、共有できる人がいないとなかなかしんどいですよ。だから僕は、「コミュニティファースト」を大事にしているわけです。

高橋:「コミュニティファースト」というのは、コミュニティを起点に何かが生まれる、という感じです。テーマやお題を掲げて、ある方向にみんなが向かっていく。「じゃあ今度はこういうことをやってみよう」って、そこからまた新たな動きが生まれる。

だから、何かをはじめたいけど具体的じゃないとか、仲間がほしいという人はまずはコミュニティに入ってみるといいんじゃないかなって。そこからのご縁で何かが生まれる可能性ってあると思うんですよね。僕みたいに、コミュニティを立ち上げる仲間に出会えるかもしれないですし。

小林:確かに、コミュニティで出会った仲間であれば、コミュニティへの理解もあって、一緒につくるハードルが下がるかもしれない。

高橋:そう。それに「コミュニティをつくる」っていうと構えるというか、大変に思う人もいると思うんですが、全然そんなことはなくて。多様な考え方はありますが、ある本を引用すると「3人いればコミュニティ」だそうです。自分入れて3人でいいんですよ。そう考えるとすごくハードル低くないですか(笑)。いきなり大人数でやろうとせず、まずは気が合う仲間と小さく始めてみるといいと思います。

ーコミュニティ運営を充実させる4つのポイント


小林:高橋さんとコミュニティ活動との関わりを伺い、世界が広がったということはわかりました。社外での活動が、本業に活かされたことや、つながったことはありましたか?

高橋:本業のいろんなところに生かされているなって実感していますよ。たとえば今、イントレプレー育成とか新規事業、オープンイノベーションとか、そういうテーマで社内イベントやワークショップ、ハッカソンをしているのですが、イベントの企画や運営のやり方は、社外で学んだことばかりですね(笑)。

あとは社内イベントに、社外でつながった人をお呼びできたりするので、コンテンツも充実しますし、社内の人とつなげたり、橋渡しもできています。

小林:うまくリンクしているんですね。ちなみに、こうした社内の取り組みもしながら、社外でも多くのコミュニティに関わっているわけですよね。どうやってバランスを取っているんでしょうか。本業をしながら、個人としてのコミュニティ活動をうまく両立させるコツを教えて欲しいです。

高橋:僕なりのポイントが4つあるんですけど、とても大事な1つ目は、「本業を優先にする」ということです。これはね、絶対ですよ。優先というのは本業に時間をかけるみたいなことではなくて、たとえば、プライベートのイベントと本業のイベントが重なったら本業を優先するとか、そういう基本的なこと。やっぱり本業あってこその社外活動なので。今日も、本業の仕事をしっかり終わらせてから来ています(笑)。

2つ目が、コミュニティの中での役割を明確にするってことです。たとえば5人で集まって何かやりましょうってなったときに、みんな同じことをやってもうまく回らない。仕事みたいな感じですけど、やっぱり役割って必要で。ファシリテーターをする人もいれば運営する人もいて、デザインする人もいる。そういう役割をつくることによって、みんなで分担するのでうまく時間が作れるし、余計なことに気を揉まなくて済むわけです。

3つ目が社外活動の優先順位をつけるということ。僕の場合は複数のコミュニティに入っているので、全部に全部、同じパワーを注いでいると時間と気持ちがもちません。「絶対参加するもの」「できたら参加するもの」など決めておくと楽ですね。

4つ目。実は結構大切だと思っているんですが、自分の運営するコミュニティを全部自分で回そうとせず、メンバーにお任せするということです。時間を作る上でも大事ですが、自分で全部やると自分しかできなくなっちゃう。それだと場として広がらないし、いつまで経っても手離れできない。100人カイギも、オンラインでしか会ったことのないメンバーばかりですが、できるだけお任せするようにしています。

ポイントとしてはこの4つなんですが、何より大事なのは、「楽しむ」ということだと思っています。僕の場合、コミュニティ活動が趣味みたいなものなので、楽しく続けられているわけです。頑張りすぎると苦しくなっちゃうので、前提として、自分が楽しむということは大事にして欲しいなぁと思いますね。

ー自分の可能性を伸ばせるコミュニティがおすすめ


小林:これまではコミュニティをつくる側、運営する側の視点でお話しいただきましたが、「初めてコミュニティに参加する」という人が、どういうコミュニティに入るといいのか、ヒントがあれば教えていただけますか。

高橋:当たり前かもしれませんが、大事なのは、やっぱり「価値観が合う人たちがいるところ」ですね。参加してみたけど、行かなくなったコミュニティもたくさんあります。やっぱり同じテーマに興味があっても、価値観が違う人たちだと長続きしないですよね。

それから、みんながポジティブである、ポジティブな会話ができるというのもポイントです。コミュニティは同じ目的で同じ方向性に向かっていく共同体ですから、リラックスして楽しい気持ちでいられることは大事にしたいところ。

高橋:あとは、新たな気づきをもたらしてくれるか、ということや、自分の可能性をどれだけ伸ばせるかってことも重要かも。たとえば僕は、オンライン配信なんて3年前は全くやったことなかったのですが、コミュニティを運営する中でそうした機会ができました。

ど素人だったのが、今では会社の中ではかなりの経験者で(笑)、いろんなところで呼ばれてサポートするまでになっています。そうやって色々できることが増えて、社内でも社外でも自分の活躍の場が広がるみたいなのもいいんじゃないかと思います。

小林:楽しいを前提に、自己成長につながる。ちょっとしたチャレンジができる場というのは大事ですね。最後に、みなさんへメッセージをいただけますか。

高橋:まずは、周りの人に面白そうなイベントやコミュニティがないか聞いてみたり、探してみたりして、自分が少しでも面白そうと思える場に行ってみるところから始めてみると、思わぬ出会いがあって、人生が変わっていくかもしれません。コミュニティをつくりたいという人はまずは3人で集まって何か対話をしてみたらいいと思います。またどこかで、みなさんとお会いできるのを楽しみにしています!

小林:今日はありがとうございました!


Fin


Profile
高橋 誠さん

富士通株式会社 / 大田区100人カイギキュレーター / 一般社団法人パラレルプレナージャパン理事
富士通入社以降、通信事業社、公共・金融・社会基盤系のシステムエンジニアの経験を経て、2019年度より社内の新規事業創出プログラムの事務局に従事。コミュニティやイベント企画ほか、ムービー制作やオウンドメディア運営などにもチャレンジ中。複業活動として「コミュニティファースト」をモットーに、大田区100人カイギキュレーターなど複数のコミュニティにて活動中。

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「4th place lab」は、はみだして、ためそう。をコンセプトに、組織で働く個人が、3ヶ月間のプログラムを通じて、自分のやりたいことをカタチにする(=自分のプロジェクトをつくる)オンラインコミュニティです。現在、2022年7月からご一緒する第4期メンバーを募集中です。わたしたちと一緒に、思いをカタチにしてみませんか?

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レポート:小林こず恵
提供:株式会社ローンディール

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