見出し画像

「自分の弱さを認めたら、仲間ができた」大企業からベンチャーに行ってわかった、仲間を巻き込むために大事なこと5選

「仕事では、自分の弱い部分を見せてはいけない」。
そんなふうに弱みを隠しながら働いている人も多いのではないでしょうか。強く在ろうとすることは大事かもしれません。でも「できないことはできない」と認め、弱い自分を吐露することも必要ではないでしょうか。なぜなら弱さを見せることで、誰かが補ってくれるから。さらけ出すことで、共感してくれる仲間ができるから。

私たちローンディールは、大企業で働く人が、半年や1年間ベンチャー企業へ行き、大企業ではできない経験をして戻ってくる「レンタル移籍」というしくみを提供しています。ベンチャーに行くと、さまざまな壁にぶつかるのですが、その一つが仲間の巻き込みです。担当者が自分一人しかおらず、自ら中心となり、周囲を巻き込んでいかなければものごとが進まないということも。

「自分のできないことや弱さを思いきって周りに開示してみた結果、つながりが強くなった」
「声をかけてみたことで、世の中には助けてくれる人がたくさんいることがわかった」


これはベンチャーへ移籍した人々の言葉です。
そこで今回、移籍者の皆さんに、ベンチャーで働く中で「大事だと思った仲間の巻き込み方」をアンケートでヒアリングしました。その中で特徴的な5つをご紹介!周囲を巻き込むとできることが増え、より大きなことにチャレンジできます。仲間をつくりたい、つながりを広げたい方は、ぜひ参考にしていただけたら嬉しいです。

01 率直に頼る


まずは「力を借りたい」と素直に伝えてみるということ。大きな組織で働いていると「任されたら全部自分でやらなければいけない」などと考え、抱え込んでしまう方も多いのでは。もしくは、「できないのは甘えているから」などと自らを追い込み、素直に助けが必要であることを吐露できない人もいると思います。でも、ベンチャーではスピーディーにものごとを進めていくため、逐一コミュニケーションを取りながら進めていくことも多かったりします。自分が時間をかけてなんとかするよりも、力を借りて早く進めた方が得策である場合も。そうした環境に身を置いたことで、「手伝って欲しいと言えることがいかに大事か気づいた」、「伝えてみたことで一緒に進めてくれる仲間の存在に気づけた」という声も。

”巻き込みたい人に、まずは素直に「頼りたい」と話してみた上でコミュニケーションを進めた方が、お互いにとっていい関係になれると思った”

”思いきって素の自分を曝け出してみたことがきっかけで、周囲のメンバーとのつながりを強く感じられるようになった”

”ひとり悩んでいるときに、見かねた周囲のメンバーが声をかけてくれ、解決に導いてくれた。「もっと頼っていいよ」と言われるなど、自分は人に頼るのが苦手なのだと改めて自覚。それ以来、意識して相談したり、頼れるようになった”

02 関わり方を明確にする


一方で、「手を貸して欲しい」「関わって欲しい」と相手に伝えられたとしても、具体的にどう手を貸して欲しいのか、どのような関わりを望んでいるのか。また、”なぜその人に協力してほしいのか”。そうしたことをうまく相手に伝えられるようにしておくことも重要。大きな組織の中では自らの役割が決まっていることが多いため、「役割だからやる」「役割じゃないからやらない」、そうしたジャッジも多いと思います。ベンチャーでは役割や境界線が明確でないことが当たり前で、自分が「必要だと思うからやる」「意味があるからやる」「やりたいからやる」などの軸で判断をすることも。だからこそ、具体的な関わり方や、なぜ声をかけたのか、そうした背景を相手にしっかり伝えることが、巻き込む上で大事になってきます。

”言葉だけだと伝わりにくいので、図面にして具体的にイメージしてもらうなど、工夫をしていた”

”巻き込んだ後の役割をいかに明確に伝えるかが大事だと思った”

また、明確に伝えるだけではなく、”実感してもらう”ことが大事だと思ったと言う意見も。

”いくらメリットを口頭で説明しても相手は実感がわかないようで、なかなか協力が得られなかった。だからたとえほんの少しであっても、言葉ではなく、良さを実感してもらうことが大事だと思った”

03  「思い」を伝える


3つ目は、先程の「なぜ関わって欲しいのか」の逆で、「なぜ自分はこれをやっているのか」という、自分の思いをしっかり伝えることが、相手の共感や応援を得る上でとても大事になってきます。たとえ働く環境や立場は違っても、「思い」に境界線はありません。「思い」は他者とつながる上で欠かせない要素。特にベンチャーでは、実績もなければ完成されたプロダクトもなく、あるのは思いだけという状況も。そんな時に「いかに思いで人を惹きつけるか」「一緒に取り組みたい」「協力したいと思ってもらえるか」が大事だと思ったという意見も多数ありました。

”思いを伝えてみたことで、実は同じ思いを持った人がいることがわかった”

”自分のWILL(やりたいことや思い)をチームリーダーに打ち明けたところ、実現できるように調整してくれたり、必要なスキルを教えてくれた”

04 本気を見せる

4つ目は向き合う姿勢です。たとえ「思い」があっても、そこに迷いや諦めがあったらどうでしょうか。どこか他人事だったり、本気が見えてこなかったらどうでしょうか。「仮に自信がなかったりしても、本気で挑んでいる姿勢を見せることが大事」、そんな意見もありました。本気でやるから自分ごと化できる、本気でぶつかるから相手を本気にさせることができるわけです。特に、自分の意思を軸に動くことが求められるベンチャーでは、相手を巻き込む際、自らが「本気」であることは欠かせません。

“何事も「自分ごと」として向き合うことが重要だと感じた。そうじゃないと本気度が相手に伝わらず、他人を巻き込むことができないと痛感した”

05 近況報告を繰り返す


最後5つ目は、案外大事な“じわじわ巻き込んでいく”ということ。なかなか1度伝えただけでは思うような巻き込み方ができない場合も多かったりします。また、距離が遠くていきなり興味を持ってもらうのは難しいという相手もいるでしょう。
そんな時に有効なのが、発信し続けるということ。相手に届くようになんらかの形で情報を伝え続けるということです。こんな例がありました。メディアを巻き込むために、どんな小さなことでも、「最近こんなことがありました」などアップデートした情報をお知らせし続けたことで、関係構築ができた、というもの。「少しずつ距離を縮めていく」「身近に感じてもらう」ことは、遠い人の巻き込みにおいて有効そう。

”都度、こちらの状況を報告し、活動を身近に感じてもらう工夫をした”

”業務時間外でも関わる機会を設けたり、関係者が取り組んでいるイベントへ顔を出して話しかけたりするなど、関係構築をした”

* * *

いかがでしたでしょうか。
当然、ご紹介した以外にも様々な巻き込みがありますし、どれかひとつを実行すればうまくいく、という話でもありません。私たちが伝えたいのは「自分は巻き込むのが苦手だから無理」だと諦めないで欲しいということ。自己開示し、誠意を持って相手と接することで、経験がなくても道は開けます。
私たちがレンタル移籍で見てきたのは、そんな景色でした。大企業で巻き込みの経験がなかった人たちが巻き込みの中心になる、そんな物語です。
ぜひ、みなさんも自分なりのやり方で実現していっていただけたら嬉しいです。

協力:レンタル移籍者のみなさん
文:小林こず恵
提供:株式会社ローンディール
https://loandeal.jp/

【ニュースレターのご登録はこちら】

ローンディールでは、働き方や企業・組織のあり方を考えるきっかけとなる情報を、皆さまにご提供してまいりたいと考えています。そこで、ご関心のある方には、レンタル移籍者のストーリーや最新のイベント情報などをニュ
ースレター(月1回程度)としてお送りします。

いいなと思ったら応援しよう!