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「一生懸命だけじゃ通用しない。大企業→スタートアップで学んだ、結果を出すためにやり切る力」NTTコミュニケーションズ 木付健太さん -後編-

成果に対して当事者意識を持つことで、行動が変わった

従業員1万人超のNTTコミュニケーションズから、たった15人のチカクに“レンタル移籍”をした木付健太さん。期間は1年。気づけばあっという間に3ヶ月が過ぎ去り、季節は7月。熱い夏を迎えようとしていた。
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「いろいろ施策は打ってみるものの、なかなかインパクトのある結果には結びつかない。なんとかしなくちゃなという切迫感だけが自分の中で膨らんでいました」

そんな中、チカクの社内でギフトショー出展の話が持ち上がる。前年も出展実績はあったものの、今年もブースを出すならそれなりのパワーと時間を投じなければならない。そのリソースを割いてでも行うべきかどうか。社内で足踏みの空気も見られる中、手を挙げたのが木付さんだった。

「やってみようと思ったいちばんの理由は、今までと同じやり方をしていてもブレイクスルーはやってこないなと思ったから。この機会を自分の突破口にしたい、という気持ちは正直ありました」

転機は、いつだって自分から動いた人間に訪れるものだ。出展の責任者を任された木付さんは、まずは今回の出展を行うことで、どれだけのリターンを獲得するか、目標を設定し、その上で1社でも多くのバイヤーに興味を持ってもらえるよう、考えうる様々な打ち手を実践した。

「まずはこれまで何度も出展実績のある方を紹介してもらって、その方に注目されやすい展示の方法をアドバイスしてもらいました。それをもとにデザイナーさんと二人三脚でブースづくりを進めながら、同時にアプローチしたい企業に対してもこちらから積極的にアクションを仕掛けていきました」

これまでNTTコミュニケーションズで営業をしていたときも、最終的に顧客がパートナーを選定する大きな要素は「人」であると感じていた。誰から物を買いたいか。ソリューションの優位性もさることながら、そういった感情的な部分が重要な決定要因となる。だからこそ、本当にブースまで足を運んでもらいたい相手がいるなら、自分という人間に興味を持ってもらう努力は不可欠だ、と木付さんは考えた。

「何も案内がないところよりも、案内をくれたところに足を運びたくなるのが人間の心理。そう信じて、今回の展示の内容だとか、ご来場くださった暁にはどんなことをお話ししたいかも全部書いて、手紙やメールで1社1社アプローチしました。そしたら当日、その案内を見て来てくださった方が何人もいて。それはすごくうれしかったですね」

何か特別に派手な仕掛けや革新的なアイデアを盛り込んだわけではない。地味で地道な戦法だ。けれど、かつて梶原社長に言われた『一生懸命やるのは当たり前。その上で、結果を出すにはどうすればいいのか考え尽くすことが大事』という言葉の通り、結果を出すために考えに考え抜いたからこそ、最後は一生懸命が実を結んだ。最終的に、今回のギフトショーで獲得できた名刺の数は前年の約3倍。確かな結果を、木付さんは残した。

「自分が立てた目標に対し、当事者意識をもってやりきり、結果を残せた。あのギフトショーが、“レンタル移籍”後、初めての僕の成功体験でした。しかもそこで獲得した名刺の中から実際に商談につながり、最終的にある大手通販企業と契約を結ぶことになったんです。営業先を探すところから始まって、自分で企画を立てて、契約にまで至る。そのプロセスは、今までNTTコミュニケーションズでやってきたものとはまったく違うもので、本当に大きな経験になりました」

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展示会のブースでの1枚

外へ飛び出してみることで体感した未知のカルチャー

そうして気づいたら1年が過ぎようとしていた。自分の力を試してみたい。そのためにも、会社の外へ飛び出してみたい。そんな想いから始まった期間限定の冒険は、いくつもの財宝を木付さんにもたらした。

「やっぱり大きな会社とスタートアップではカルチャーも全然違う。チカクでいえば、メンバーがみんなミッション、ビジョン、バリューをすごく大切にするんです。正直、大きな会社にいると、企業理念って頭ではわかっているもののなかなか実感として得にくい。けれど、チカクでは何か意思決定をするとき、必ずみんな自分たちのミッション、ビジョン、バリューが実現できるかどうかを基準にしている。だから判断がブレないんです。このカルチャーの違いは、衝撃的でした」

また、チカクでは、近年注目を集める「OKR(Objectives and Key Results)」を目標管理方法として採用している。目標を決め、その達成のために必要な成果指標を定めるこの手法は、今後、NTTコミュニケーションズでも積極的に採用していきたいと木付さんは考えている。

「面白かったのが、チカクでは週1回、自分がやったことをみんなにシェアし、それを褒め合うフリーセッションを行っていて。基本的に全員参加で、クラッカーを鳴らしたりしながら、それぞれのやったことを称え合うんです。全体のモチベーションも上がるし、一体感も深まる。みんなが同じ方向を向くという意味でも有効性が高いなと思いました」

梶原社長をはじめ、経営陣と近い距離で仕事ができたことも、木付さんの視座を一段高みへと引き上げた。

「チカクでは、会社の目標や財政面の数字も適宜シェアしてくれていたので、そういった背景も踏まえた上で密度の濃い営業の戦略を立てられるようになったし、経営者目線も身につくようになりました。また、トップのOKさえもらえれば、ほぼ権限を移譲してもらえたので、ある意味失敗を気にせず、小さく何度も検証を重ねながら施策を打つことができた。はじめから成功する検証なんてどこにもない。何度もエラーを起こしながら、それをステップに最適解に近づけていく訓練を積めたのは、きっと今後の新規事業の部署で役立つと思います」

新たなステージで活きる、チカクで学んだスタートアップマインド

“レンタル移籍”を終え、現在は新設されたばかりのイノベーションセンターで新規事業を推進していくこととなった木付さん。1年間、チカクで学んだスタートアップマインドを、新たなステージで存分に発揮していくつもりだ。

「上長からも1年間の“レンタル移籍”で学んだことをどんどん発信してほしいと期待をいただいています。あとは、チカクで出会ったお客様からも新規事業で連携できることあったらやろうとありがたいお声がけをいただいているので、そういった人脈は今後も自分の武器にしていけたら」

現在、新型コロナウイルス感染防止を目的に、NTTコミュニケーションズでもリモートワークが実施されている。まるで想定していなかったこの局面においても、チカクでの1年間が支えのひとつとなっている。

「スタートアップはそもそも不確定要素が多く、一歩先の目標も自分で考えなくちゃいけないような環境です。そこに1年身を置いたおかげで、こういう不測の事態でもちゃんと自分で目標を立てて、いつまでにどういう状態にしておかなければならないのか、そのために今何をすべきか考え行動できている気がします。
また、挑戦の機会を与えてくれた移籍元のNTTコミュニケーションズにも感謝しています。日頃の悩みを聞いてくださったり、多くなりがちな時間外労働なども細かく管理して頂くなど手厚くフォローしてもらっていました。1年間温かく見守って頂いたことで、スタートアップでの業務に集中できたと思います」

できればあともう少しチカクにいたかったかも。そう冗談めかして笑えるほど、充実の1年を過ごした木付さん。最短期間で結果を最大化させるスピード感。目標達成のためにできる手段を解像度を上げて考え行動する力。成果に対する圧倒的な当事者意識。チカクで学んだスタートアップマインドは、きっと新規事業という挑戦の場で大きな花を咲かせるはずだ。

FIn

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協力:エヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ株式会社 / 株式会社チカク
文:横川良明
提供:株式会社ローンディール
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