小国士朗さんのはみだしのすすめ 「やりたいという衝動が大事」【4th place lab 第3期メンバー募集中!】
「はみだすことで、自分の軸がみつかる」。
元NHKの番組ディレクターであり、当時から、個人プロジェクト「注文をまちがえる料理店」を企画されるなど、はみだして、やりたいことをカタチにされてきた小国さんは、「はみだすことで自分の軸がみつかる」といいます。
私たちが運営する「4th place lab」は、会社をはみだして、やりたいことをカタチにするオンラインコミュニティです。現在、「会社の枠を超えて何か行動を起こしたい!」というコミュニティメンバーと一緒に、各々がやりたいことを支援し合う活動を行っています。
そこで、「4th place lab」の共同発起人でもある小国さんにもコミュニティに参加してもらい、はみだしのヒントをお話しいただいています。
当初は「コミュニティメンバーが上手にはみだせるように!」と、クローズドでお話いただいたので、公開する予定はありませんでした。ですがメンバーから「好きなことをやっていいんだと心から思えた」「動き方が180度変わった」などの多数コメントを受け、ここだけに留めておくのはもったいないと思い、小国さんに許可を取り、公開することに致しました。
今日はその一部をダイジェストでご紹介します。
▼ 小国士朗さんのはみだしのすすめ 7選
#01
「目的がなくてもいい、心の赴くままに動いてみる」
“お悩み相談①:興味があることはあるんですが、「これが本当にやりたいことなんだろうか」と、いつまでもやりたいことが定まらず、はみだすことができずに悩んでいます。”
そもそも「無理してやりたいこと見つける必要ってあるんでしたっけ?」って思うんですよ。僕も、取材を受けたりとかするときに、「次はどんなことをやられるんですか?」みたいなことを聞かれるんですけど特に何もなくて。だから「何もないです」って答えるんですけど。自分からこれをやりたいということは特にないんですね。
僕の場合は、いろんな人と話している中で「こんなことやりたいんですよね」みたいなことを言われることで、「じゃあ、こういうことやってみましょうか」ってアイディアが生まれたりする。それが得意なことだったりするので、僕自身は別にないんですよ。
だからやりたいことがないんだったら、無理に「やることを探さなきゃ」とかじゃなくて、いろんな人と会話をしながら「心動いちゃった」という、その瞬間をパッとつかまえる方がいいんじゃないかなと思います。
そうやって動いていれば、これだっていう何かに出会う瞬間は必ずあると思うんですよね。それまでは理屈とかじゃなくて、心の赴くままにやりたいようにやって、会いたい人に会って、聞きたいことを聞いて、ということをやってみたらいいんじゃないかなと。
迷いながら旅し続けることも必要だなと思うので、この”もがく期間”を大事にしたらいい。もっともっと心の赴くままに動きまくってみると、楽しい何かにつながるんじゃないでしょうか。
#02
「実は“前のめり12度”がおもしろい」
“お悩み相談②:社会課題に対して何かをしたいと思っています。でも社会課題の何に取り組みたいのか、 何から始めたらいいのか? その具体的な行動が見つかりません。”
やっぱり、世の中のいろんな情報に触れてみた中で「これはなんだろう」とか、「何でこんなことになっているんだろう」がスタートだと思うんです。
僕もソーシャルグッドなことをやっていると、社会起業家ですか?って言われることがあるんですが、起点はそうじゃないんですよね。
「SDGsの問題を解決しよう!」って掲げても、一人ひとりが動いていくのって正直難しいじゃないですか。
たとえば地球環境をよくしたほうがいいとか、SDGsをやったほうがいいって、言われなくても誰もがわかっていることなんですよね。ただ、それを「やらなきゃいけないことだ」「やらねばならない」って思った瞬間から、やりたい、ではなくなるし、身動きが取れなくなる。
そうじゃなくて、自分が条件反射的に「これ何だろう」って、”前のめり12度”になるくらいのことに向き合うのが面白いと思うんですよ。そこに何かヒントがあったりするんじゃないかなと。前のめり5度くらいだとまだ足りなくて、12度は必要(笑)。
そうやって「社会のこれってどうしてこうなんだろう」って、気になったものを大事にして突き詰めてみる。そこに対して、まずは動いていくのがいいと思います。
多くの人がわからないこと、気づいていないことはマイノリティの可能性がありますから、そこをやっていけば、おもしろいことになるんじゃないでしょうか。
#03
「この景色いいな。その一瞬を再現する」
“お悩み相談③:「こんな世界になったらいいな」という漠然としたビジョンはあるんですが、どうやってそれをカタチにしていっていいかイメージがわきません。”
描いてる世界があってもそれがすごく大きかったりすると、どこから手をつけたらいいんだろう、というのは確かに迷うだろうなって思います。
たとえば僕は、認知症(「注文をまちがえる料理店))や、がん(「deleteC」)のプロジェクトをやっているんですが、その時にすごく大事にしてるのが「原風景」なんですよ。
これはいろんなところでお話ししていますけど、「注文をまちがえる料理店」が生まれたのは、仕事でグループホームに行って、「今日のご飯はハンバーグだよ」って聞いてたのに餃子が出てきて。でも餃子が出てきたことに誰もそのことに突っ込まないで、みんな美味しそうにパクパク食べてる。その風景を見て思いついたんです。
普通だったら「これ違いますよ」と突っ込むと思うんですけど、そうじゃなくてその間違いを普通にみんなが受け入れている、その風景が素敵だなぁと思ったんです。間違いを指摘するんじゃなくて、こっちの世界の方がよっぽどいいって。
だからもともとは、認知症の人がキラキラ働く社会をつくろうなんてことから始まったわけじゃなくて、この風景を見て心を動かされたっていうのがリアルなところです。結果的に、そうなっただけ。
なので、自分が心を動かされた風景を大事にして、それを再現していくのが、いいんじゃないかと思います。まずは日常の中で「この風景いいな」ということをリスト化していくのがいいかもしれないですね。
#04
「企画力よりも着地力。いったんカタチにしてみる」
“お悩み相談④:以前から作ってみたいものがあります。でも周りにはその分野のプロが多いし、自分は素人だから作ったものを公開するのに抵抗があるんです...。”
「見せる」って超こわいし、超恥ずかしいっていうのはわかりますよ。だけど、「見せてみる」って、すごく大事なことだと思うんですよね。とにかく打席に立つということ。
最初は素人かもしれないけど、プロに見てもらってアドバイスもらって磨いていけばいいだけのことだし、やっぱり作って見せてみると、いろんなフィードバックがもらえて、気づきがものすごくあるわけです。「自分の軸」に気付くのもこういう時ですよね。
企画力と着地力っていうのがあって、僕は企画ももちろん考えますけど、重視するのは着地力なんです、つまりカタチにするということ。
「それ、自分も5年前に考えていました」みたいにいう人が世の中にはいっぱいいるんですけど、やっぱりカタチにした人の方が僕は偉いと思っていて。いくらいいアイディアを出しても、カタチにならないものはこの世には存在しないようなもの。
なので、まずは出してみる、カタチにしてみる。
それ自体にすごく意味があるので、「いいものを作る」ではなく、「カタチにする」を大事にしたらいいんじゃないでしょうか。
#05
「頑張らなくていい。趣味だと思えばいい」
“お悩み相談⑤:やるからにはちゃんとやりたいし、「もっと頑張りたい」と思っているけれど、本業が忙しかったり、時間が取れず、思うように進まなくて悶々としています。”
前提として、頑張らない方が絶対よくて(笑)。頑張ると疲れちゃって続かないんですよね。もしかしたら、はみだすことが仕事みたいになっちゃってるんじゃないですかね。
何かをやるとき、趣味だと思ってやるのが一番いいと思っていて。バンド活動とか草野球とか何でもいいんですけど、そんな感じで向き合ってみる。実際、僕はそうなんです。
仕事みたいにとらえちゃうと、退職とか転職とか、辞めるリスクがある。でも、趣味ってそういうのがないじゃないですか。趣味って好きだからやっているので。
だから続くし、熱中するし、追求しちゃう。
それに、ちょっとサボっても誰にも怒られない(笑)、趣味だから。
なので、頑張りはじめたら黄色信号、くらいに思った方がいい。
誰に文句を言われたって、「自分が趣味でやってるので」って、マインドセットを変えてみたらいいと思います。
せっかくはみだすのであれば、肩肘張らずに楽しんだ方がよくないですか?
#06
「”べき論”を捨てたら、発想が広がるかもしれない」
“お悩み相談⑥:やりたいことが見つかりました。なので、まずは社内でやってみたいと思っているんですが、自社の主軸とはズレるため、会社でやるべきことなのか悩んでいます。”
会社で”やるべき”ことなのかどうか、ってことですけど、「べき論」は捨てた方がいいですよ。
これをやらなければいけないとか、逆ににやるべきじゃないとか、その発想が多分、自分を重くしてるんじゃないかなという気がします。そのマインドセットがはみだしを邪魔してるかも。
はみだしに限らず、仕事や生き方もそうかもしれないですけど、そうした「べき論」をなくして、もっと軽く考えてみるのがいいかもしれません。
僕がNHKに行た時にも言われましたよ。「注文まちがえる料理店」ってプロジェクトやったときは、あえてイベントのスタイルでやってるのに、「やっぱりNHKにいるからには番組を作るべき」って。やっぱりそういう凝り固まった発想になってしまう。
だからこそ、はみだして新しい視点を持つことがいいんですよね。
僕は入社8年目ぐらいのときにそれをすごく実感しました。このままだと自分はもういい番組作れないなって思うぐらい、自分の幅がどんどんどんどん細っていくのがわかった。
自分の中が空っぽなのがわかるんです。
何か湧き上がるものもなければ、新しい視点もない。
そういうときに、遊びの場所がすごい必要だなって。
「4th place」はまさにそういう場じゃないですか。だから、ここでの活動で気づいたことを取り入れて、社内でためしてみたらいいと思いますよ。
それが、はみだすということですから。
#07
「理屈よりも、やりたいという衝動が大事」
“お悩み相談⑦:自分の好きなことを軸にはみだしを始めてみました。一方、「これが誰の役に立つんだろうか」と考えてしまって。というのも「何のためにやっているのか?」と言われても、好きだからしか言えません。もっと活動の意味や、目的意識を持ってやったほうがいいのでしょうか。”
意味があるかどうかなんて動いてみた後で考えたらいいと思います。目的を持ってやれることなんてそんな大したことではないかもしれない。それよりも、先ほどからお伝えしているように、やらずにはいられない衝動を大事にした方がいい。
その先にある何かではなく、アクション自体がどれだけ面白いと感じられるか、自分がワクワクしてるって状態かっていうことに意識を向ければいいんじゃないですか。
僕がいたNHKも「なぜこれをやるのか?」っていうのが求められていました。
でも、理屈からやることを考えるよりも、「これをやりたいからやる」の方が、突き抜けられると思うんですよ。
たとえば井戸を掘ってくと、どこかでチョロチョロと水が出てくるかもしれない。でも、水脈にぶち当たらないと井戸はすぐ枯れちゃう。ただし、本当の水脈にぶち当たるまで掘っていけば、こんこんと湧き出てくるわけです。
これと似ていて。好きなら掘り続けられるし、掘り続けるからこそ水脈が見つかる。そのくらい自分の探求したいことを貫いて、周りから羨ましがられる人生を送った方がいい。好きなことやって楽しそうな人って羨ましいですよね。
「好きだからやっている」、かっこいいじゃないですか。
「4th place」で、はみだす時間をつくって、やりたいことを楽しんでいる人生って、側から見たら羨ましいですよね。だから先程の”べき論”じゃないですけど、もっと発想を自由にして、自由に動いてみたらいいんですよ。
僕もやっぱり、「小国の生き方って羨ましいな」「あいつ衝動のまま生きてるじゃん」とか、なんかそんなふうになりたいなと、みなさんと話していて思いました(笑)。
Fin
「4th place lab」では、第3期メンバーを募集中です。
(応募締切:1月31日(月))
「4th place lab」は、はみだして、ためそう。をコンセプトに、組織で働く人が会社の枠を超えて、やりたいことをカタチにするオンラインのコミュニティです。現在、2022年4月からご一緒するメンバーを募集しています。私たちと一緒に思いを実現しませんか?
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