見出し画像

【特別対談】入社13年目のベンチャー。アウェーな環境で“挑戦する自分”になれた


2019年10月より、ラジオ番組「森清華のLife is the journey ※」にて、月に1度、レンタル移籍者および移籍先のベンチャー企業経営者をゲストに迎えた放送が始まりました。今回の放送は、オリンパス株式会社の澤田亮太(さわだ・りょうた)さんと、株式会社フューチャースタンダードCKO インテグレーション部 部長 林幹久(はやし・みきひさ)さんをゲストに迎え、レンタル移籍での経験や、リスナーへのメッセージを語ってもらいました。

※ 毎週水曜 午後9:00から、かわさきエフエム(71.9MHz)にて放送中。企業経営者や各界のスペシャリストなどをゲストに迎え、これからのキャリアや生き方に迷い考える、特に20代後半・30~40代のビジネスパーソンに対し、一歩踏み出すための背中を押すことが目的の番組。番組自体は今回で204回目。ローンディールの仕組みを利用してレンタル移籍を行った移籍者と移籍先の経営者をゲストに迎える回は、月に1回の頻度で放送予定。パーソナリティーの森清華は、ローンディールのメンターとしても活躍中。

本記事では、当日の放送内容のダイジェストをお届けします。なお、当日の番組アーカイブも、spotifyおよび「森清華のLife is the journey 」にて視聴が可能です。

一歩踏み出せないジレンマの中で

森さん:受け入れ先企業である、株式会社フューチャースタンダード CKO インテグレーション部 部長・林幹久さんと、移籍者である、オリンパス株式会社 科学ソフトウエア開発部 澤田亮太さんをゲストにお迎えしました。まずは林さん。フューチャースタンダード社ではどのようなお仕事をされていらっしゃるのか、事業内容含めてご紹介お願いします。

林さん:フューチャースタンダードは、映像解析に関係する様々なソリューションやプラットフォームの提供を行っている会社です。私は主に、映像解析を取り入れたいという企業様の要望を受けて、開発を行う部門の責任者をやっております。

森さん:映像解析ということですが、たとえばどのような分野で使われていらっしゃるのでしょうか?

林さん:たとえば、車や人の流れを計測したいというような要望があります。車の場合、どこにどのように走っているか? などを解析し、どこに道路を作るのか? どこに店舗を出店するのが良いのか? などといったことにお役立ていただいているようです。

森さん:それでは、澤田さんは現在、どのようなお仕事をされていらっしゃるのでしょうか?

澤田さん:私は、大学や研究施設の方に向けた、主にレーザーを使う顕微鏡の開発をしています。入社してからずっと開発部門にいます。

森さん:2019年5月から2020年2月までの10ヶ月間、レンタル移籍を経験されたわけですが、お二人は7ヶ月ぶりの再会とのこと。久しぶりに再会してどうですか?

澤田さん:そんなに期間が空いているようには感じません(笑)。

林さん:相変わらず元気そうで安心しました!

森さん:ちなみに澤田さんは、移籍当時は入社13年目だとか。長くお勤めになっていらっしゃいますが、自身のキャリアにおいて、どのようなことを考えながら、お仕事をされていたのでしょうか?

澤田さん:もう仕事にもかなり慣れていたので、新しいこともやりたいなって。ずっと一貫して開発をしていましたので。……でも、自発的に取り組みたいと思っても、踏み出せない状態が続いていたんです。だからこそ、違う環境で新しいことをやらざるを得ないというのはいいことなんじゃないかって、考えました。

ベンチャーだからスピード感も身につくだろうし、お客さんと近い距離で仕事ができる環境はいいなって。それに、映像解析という分野も面白そうだなと思って、フューチャースタンダードでのチャレンジを決めました。

森さん:まったく環境の違う所に飛び込んだわけですね。林さんは、そんな澤田さんの最初の面談もされたということですが、どのような印象を受けましたか?

林さん:非常に真面目な方なんだなぁというのが第一印象です。今までとは仕事も変わって、全然違う環境の中でどう適応していくのだろうと、成長が楽しみでもありました。

ベンチャーで“自分が再構築”できた

森さん:澤田さん、この移籍期間を振り返って、もし10ヶ月のストーリーにタイトルをつけるとしたら、どんなタイトルをつけますか?

澤田さん:そうですね…。「自分の再構築」でしょうか。自分が作り変えられたみたいな感じがしています(笑)。

森さん:再構築ですか。たとえば、それはどんな経験からでしょうか?

澤田さん:やっぱり10年以上も同じことをやっていると、情熱が薄くなっている自分がいたんですね。でも、フューチャースタンダードでは、自分の責任で様々なチャレンジをさせてもらえたので、「自分で最後までやりきるんだ!」とか、「自分が前に出ていこう!」って、積極的なマインドに変わりました。

一方、何も知らない自分にここまで任せてくれるんだという新鮮さもありました。普通だったらリスク回避のために、できる人間に任せるとか、わからない人間だったらトレーニングするっていうやり方だと思っていたので。でも、林さんからは「任せたから、やってみて!」みたいな。最初は「これでいいのかな」って戸惑いながらでしたね。
でも「明後日までにね!」とかスピードも求められて、もうこれはやるしかないなって(笑)。

森さん:それはやらざるを得ないマインドになっていきますよね。

澤田さん:はい。でもそのおかげで、自ら行動できて、小さな成功体験も生まれました。同時に、「自分が動かないといけない」って意識に変わっていきました。

森さん:小さな挑戦の積み重ねで成功体験を得たのですね。もし、今回のように新しいことに挑戦しなければ、どうなってしまうと考えていましたか?

澤田さん:このままずっと同じ仕事をしていても、情熱がどんどん薄れてしまって、言われたことだけやり続ける人間になるんじゃないかって。30代半ばになって、同期が管理職になったり、下の世代がプロジェクトにリーダーとして挑戦しているのを見て。自分も変わりたいなって思いながらも、モヤモヤした状態が続いていたので、本当に良い機会でした。

アウェーな環境で生まれた挑戦意欲

森さん:13年目だと、上もいれば下もいて。挟まれた中でどう進んでいくのかって悩ましい時期ですよね。ちなみに、林さんは、ビジネスパーソンとして同じように悩まれたご経験はありますか?

林さん:私は30代前半の頃、最初に入った会社を辞めて海外留学したことがあります。当時はエンジニアリングの仕事をしていて、上司ともいい関係。それでも、子どもの頃から「海外に住んでみたい」ってずっと思っていたので、このまま仕事を続けて40歳になった時に「やっぱり海外に行きたかった……」って思うんじゃないかって。なので、会社を辞めて海外に行きました。

森さん:30代というのは、新たな経験を求める時期なのかもしれないですね。

林さん:アイルランドの大学に行ったのですが、日本人が私だけっていうかなりアウェーな状況で辛かった。でもそこでの経験が、今新しいことに向かう中で糧になっている。経験して良かったなって思います。

森さん:澤田さんはまさにアウェーな環境に飛び込まれたわけですね。澤田さんの中で、もっとも自分自身を変えたなって思う、ハード・シングスみたいな経験ってあったのでしょうか?

澤田さん:多国籍の会社だったので、最初の頃、日本語がしゃべれないスタッフと打ち合わせをしなければいけない、というのが大変でした。日本語がしゃべれる人にヘルプで入ってもらいながらも、結果、身振り手振りで伝わって何とかなったのですが……。この時、意外とやってみるとできるんだなって。自分は喋れないから誰か代わりにお願いするという発想じゃなくて、やってみるとできるんだなって。最初の分岐点はここだったように思います。

森さん:やってみたらできることを知ったわけですね?

澤田さん:自社にいるとリスク軽減のために、できる人間がやったりするんですけど、やったらできるっていうのは、成功体験につながりました。自分がやっていいんだって、だったらもっとおかわりしたいって(笑)。

森さん:林さんはそんな澤田さんにどんなアドバイスをしていたんですか?

林さん:とりあえずやってみてって。いろんなことをお願いしてきたと思うんですけど、澤田さんは何でも一生懸命やってくれて、できないっては言わない。大変だろうなって思うことも根を上げずに一生懸命にやる。周りの人に聞きながらも、一つひとつ乗り越えていました。放り投げて良かったです(笑)。

自分を試してみることも大事

森さん:次に迎えた分岐点は何かありましたか?

澤田さん:もともと「お客さんの近くで仕事をしたい」っていうのがあったので、提案やデモをして、直接リアクションをもらえる機会があったのが良かった。しかも、フィードバックを受けて再度提案する、みたいなトライアルが繰り返しできる環境でした。お客さんに直接触れたことで、「責任持って自分で最後までやりとげて、その経験を持って帰るぞ!」って気持ちが高まりました。
それに、プレゼンしていいリアクションをもらったりしたことで、もっと前に出て喋ってみようかなって。喋るのは苦手なんですが、そう思えるようになりました。

森さん:お客様の声を聞くのと聞かないのと。開発への向き合い方は変わるものですか?

澤田さん:オリンパスに戻ってきてからも、「これは誰の何のための機能なのか」「お客さんは何を求めているのか」「本当にお客さんが欲しいと思っているものになっているのか」そういうことを考えるようになりました。同時に、「もっとこういう風に作ればよかったかな」って思うことも。今まで、ちゃんとお客さんが使いたい機能を要件に落として作れていなかったのがもったいなかったなって。向き合い方が変わりました。

森さん:挑戦の火は、今いかがでしょうか?

澤田さん:火が消えないように、どんなことでも「せっかくだからやってみよう」って、自分にそう言い聞かせています。部会でも「自分はこんなふうに変わった」「こんな風にやっていく」って宣言して自分を追い込んでいます(笑)。せっかくだからどんどん行動を起こしていきたいです。

森さん:“せっかくだから”というのが澤田さんを動かしていくキーワードなんですね。そんな澤田さんを見て、林さんはどんな声をかけますか?

林さん:何でも一生懸命取り組むということが、戻ってからも続いていて嬉しいですね。このまま頑張って欲しいなと思います。

森さん:最後に。お二人から、これから新たな挑戦をしようとしている方々へメッセージをお願いします。

澤田さん:知らないところに行くのって怖いと思うんですけど、一歩踏み出して行動してみて欲しいです。レンタル移籍の場合は、メンターも付いてくれますし、フューチャースタンダードのような素晴らしいベンチャーに行くこともできます!

林さん:大変かもしれないですが、たまにはアウェーな場所で自分を試してみるというということが大事なんじゃないかなと思います。

iOS の画像 (18) (1)

リスナーへのメッセージを色紙に込めて
写真右:オリンパス株式会社の澤田亮太さん。写真中央:パーソナリティの森清華さん。左下:株式会社フューチャースタンダード林幹久さん。


レンタル移籍者と移籍先の経営者をゲストに迎えた「森清華のLife is the journey」、次回の放送は11月4日(水)を予定しています。スマートフォンのインターネットラジオアプリ「Listen Radio(リスラジ)」をダウンロードして、「選局」を選択→「かわさきエフエム」を選択して聞くことができます。これまでの放送もspotifyにて視聴可能です。

次回もお楽しみに ♪

▼関連記事
「手を挙げてみる。たったそれだけで世界は変わる」 オリンパス 澤田亮太さん

【レンタル移籍とは?】

大手企業の社員が、一定期間ベンチャー企業で事業開発などの取り組みを行う、株式会社ローンディールが提供するプログラム。ベンチャー企業の現場で新しい価値を創りだす実践的な経験を通じて、イノベーションを起こせる人材・組織に変革を起こせる次世代リーダーを育成することを目的に行われている。2015年のサービス開始以降、計41社115名のレンタル移籍が行なわれている(※2020年10月1日実績)。→詳しくはこちら

▼ 読者アンケートご協力のお願い ▼
いつも「&ローンディール」をお読みいただき、ありがとうございます。
今後もより楽しめるストーリーや記事をお届けするために、ぜひ、ご意見・ご感想をいただけますと幸いです! ご意見いただけると励みになります。


協力:オリンパス株式会社 / 株式会社フューチャースタンダード
Report:小林こず恵
提供:株式会社ローンディール
https://loandeal.jp/



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?