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創業者にとって、規模の拡大とともに手触り感が消えてしまうのだろうか【ぼくらは仕事で強くなる vol.1】

改めて、はじめに。
ローンディールという会社を始めて5年が経ちました。有難いことにまだ、会社は続いています。そして、仲間が増えました。スタート時の本当に何もなかったことを振り返ると、なんだか無邪気でまぶしく見える過去もあり、一方で、今だから見える景色もあり、これから見たい風景は何だろうかという戸惑いもある。だから、一心不乱に事業のことだけ考えていたところから、組織のことや社会のことを改めて考える時期に来ているように感じています。
そんなこともあって、感じていることや取り組んだことを記録しておきたいと思い立ちました。マネジメントや組織のことについて、自分自身のキャリアについて、考えていることをちょっとずつ記してみようと思います。もともと、私個人のブログとして書いていたものをこちらに引っ越して、という感じです。

個人的には日々の判断を内省する機会にしたいと思っていて、言語化をしていくこと、それを人に見てもらう(という想定で書く)ことに意味があると思っています。一方で、お読みいただく方にとって何の役に立つのか、今はまだわからないのですが、もし何かに挑戦している方にとって、参考になるような内容をお届けできたなら、それはとても嬉しいことです。お時間があるときにでもお付き合いいただけたら幸いです。

では早速ですが、引越後、第一弾ということで「創業者にとって、規模の拡大とともに手触り感が消えてしまうのだろうか」、よろしければご覧ください!


一応、私は創業者で、「レンタル移籍」という事業の言い出しっぺです。そして、今のところ人類史上、最も「レンタル移籍」っていう単語を発した人間であると自負しています。もちろん全く結果も何も出ない時期をそれなりに過ごし、それなりに強い想い入れを持ってやってきました。

だから、レンタル移籍をしてくれる人が増えて、そういう人たちが頑張ってベンチャー企業で戦ってくれている姿を見て、めちゃめちゃ感動をもらうわけです。いやー、これこそ起業家冥利に尽きるな、と思ったりしてきました。ところが徐々に、有難いことに、メンバーが増え私自身が案件に直接かかわらない事例も増えてきました。組織マネジメントっぽい仕事が増えていたり、いろいろ確認しなきゃいけないことも増えている。

そんな中で先日、ちょっとした出来事がありました。レンタル移籍をしてくれた人たちには、移籍が終わったら必ず大企業の中で報告会というのをやってもらうんですね。ある企業で、いよいよ明日報告会という夜、移籍者と担当したメンバーの二人が、ひたすら報告に使用するスライドの内容について話しているんですよ。このスライドは意味が分からないから直したら、とか、ここはもっとこんな感じじゃない?とか、あーだこーだ言いながら、ずいぶん楽しそうにやってるわけです。聞けば、前日も2時間以上やってたという。(後で聞いたらその日も、終電までやったらしい。)そして翌日、そうやって迎えた報告会は、やっぱり感動的に良い仕上がりになるわけです。いい仕事したなー、素晴らしいなー。

その時なんか、この事業における、私の「上位互換」が現れたかもしれない、って思ったんですね。それは相当に嬉しく、誇らしいことでした。メンバーの熱量が、自分のそれを上回っているという感覚。

ただですね、実はここで、うーん・・・と思う自分もいるんです。自分の存在意義って何だろう。熱量で私自身がほかのメンバーに負けていいんだろうか、がんばらなくっちゃ!自分もストーリーのど真ん中で、感動を味わいたい!って。

でもやっぱり、自分の上位互換が生まれていくことはとてもいいことだと思う。だから、自分の情熱の矛先を少し変えていかなくてはいけないのかもしれないな。じゃぁその矛先って、どこなんだろう。でもそうなったときに、自分は今までよりも感動できるだろうか。そういうのをちゃんと見出していくことができるか、変化していけるか、それが言い出しっぺである自分が、ローンディールという会社にいる意義になるのかな。そんなことを思っています。このテーマはきっと、これからもちょくちょく書くことになりそう。今日は課題認識のところまで!

あ、もしかしたら、娘が嫁に行くときってこんな気持ちなのかな。彼女の幸せを一番考えているのは自分!って思っていたところから、あぁ、こいつの方が彼女の幸せを考えているのかも・・・って思う、みたいな。と、ちょっと思考が膨らんで切ない気持ちになりましたとさ。


【レンタル移籍とは?】
大手企業の社員が、一定期間ベンチャー企業で事業開発などの取り組みを行う、株式会社ローンディールが提供するプログラム。ベンチャー企業の現場で新しい価値を創りだす実践的な経験を通じて、イノベーションを起こせる人材・組織に変革を起こせる次世代リーダーを育成することを目的に行われている。2015年のサービス開始以降、計38社97名のレンタル移籍が行なわれている(※2020年7月実績)。→詳しくはこちら


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