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議論、できていますか?【ぼくらは仕事で強くなる vol.17】

連載「ぼくらは仕事で強くなる」は、ローンディール 代表 原田による個人ノートです。組織やマネジメントのこと、自分自身のキャリアについてなど、日々感じていることや取り組んだことを綴っています。週1回程度更新しています。

先日、とある打ち合わせでの出来事。

レンタル移籍をしていた大手企業の若手社員(以下、Aさん)と、その会社の役員の方(以下、Bさん)が参加しての打ち合わせ。あるテーマで話をしたときに、Bさんのコメントに対して、Aさんが別の意見を言ったんですよね。それがなかなか良い意見だったんです。それで、打ち合わせの後で「あれはいい議論だったね」ってAさんにお伝えしたところ・・・「いやぁ、Bさんに反論しちゃって、まずかったなぁって思っているんです」という回答がありました。

こういうケース、実際けっこうたくさんあるんですよね。

なぜ、Aさんがこういう心理状態になってしまうんでしょうか。端的に言うと、心理的安全性が担保されていないってことなんでしょうけれど、それはなぜなんだろう? Bさんは、私たちから見るとすごくフランクな方で、私たちとの取り組みにも積極的にかかわってくれる方。だから、若手から何かを教わったら、それを喜べるくらいの度量の持ち主のように見えるんですよ。でも、Aさんからはそういう風に見えない。なぜなんだろう??

考えられる理由はいろいろありますね。例えば・・・
①実はBさんはめちゃめちゃ器が小さくて、そうやって反論してくる人を排除してきたという噂の人物だった
②Bさんは積極的に意見を言ってほしいんだけど、AさんとBさんの間にいる人たちが忖度して、反論はだめなんだという雰囲気を出している
③本当はBさんは心から若手の意見を求めているんだけど、Aさんが勝手に権力を振りかざす上司像を描いて恐れている
・・・といったところでしょうかね。

私の場合、どっちかっていうといつも性善説に立っちゃうので③だと信じてしまう。だから、Bさんに今度会ったときに「みんな、あなたに意見を言えないみたいですよ。安心して意見を言える雰囲気をもっと出していった方が良いですよ」って伝えてあげたくなっちゃう。でも、万が一ここでBさんの正体が①だったら本当にやばいですよね。どうしたらいいんだろう?

あらゆる会社で、議論されるべきことが、当人同士で適切に議論されていないという事態が起こっているように感じます。例えば、現場はだれもうまくいくと思っていないようなプロジェクトが、トップダウンだからという理由で粛々と遂行されていくケースなんかはよく聞きます。これって、なんでなんだろう? トップの人が、本当に腹を割って現場と話ができたら、そんなプロジェクトがずるずると遂行されることってないと思うんですよね。トップに立つような人って、自分の間違いを受け入れられないような狭量な人なのかなぁ。そんなことないと思うんだけどなぁ。

少なくとも冒頭のような事象はよく見かけるわけで、正しく議論できていないという現状があることは間違いない。何をいまさら、という感じかもしれませんが・・・しっかりと議論をできる環境を作らなくてはいけない。これって自明のことだと思うんですよね。そのために、トップの側も現場の側も、どんな努力をすべきなんでしょうね? もし本当に、今のトップが、議論を受け入れられない人なら、それを次の世代でちゃんと断ち切らなきゃいけない。現場が勝手に畏怖を覚えているだけなら、それを乗り越えていける人を増やさなきゃいけない。いずれにしても、これはとても大きな問題ですよね?

でも、そういば、まったく逆の嬉しいケースも最近ありました。

あるレンタル移籍者が、移籍終了後に一念発起して社長に直接メールをした結果、月に1回、社長と若手のランチ会を定期開催できるようになったそうです。結構な大手企業で、ですよ。でもこういうことって、トップも望んでいたりするんだと思うんです。私も小さい会社ながら管理職を長くやっていたので申しますと、管理職側からメンバーをご飯に誘うのって勇気が必要なんですよね。(今はありがたいことに、そういう感じではありませんが 笑)現場の方にはぜひその難しさも理解していただきたいなと思います。

お互いが歩みあって、向き合って会話をできる場面が増えたら、もっと良くなる組織はたくさんあるんだと思うのです。とはいえ、結構根深そう。どうしたもんですかねー?課題は希望です。ぜひいろいろ、お考えを聞かせていただけたら嬉しいです!


▼ 過去のノートは以下より

【レンタル移籍とは?】

大手企業の社員が、一定期間ベンチャー企業で事業開発などの取り組みを行う、株式会社ローンディールが提供するプログラム。ベンチャー企業の現場で新しい価値を創りだす実践的な経験を通じて、イノベーションを起こせる人材・組織に変革を起こせる次世代リーダーを育成することを目的に行われている。2015年のサービス開始以降、計41社115名のレンタル移籍が行なわれている(※2020年10月1日実績)。→詳しくはこちら


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