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【特別対談】1人目のマーケターとして駆け抜けた1年間 レンタル移籍者 凌勇樹さん × 株式会社Holmes杜多真衣さん

2019年10月より、ラジオ番組「森清華のLife is the journey ※」にて、月に1度、レンタル移籍者および移籍先のベンチャー企業経営者をゲストに迎えた放送が始まりました。今回の放送は、トレンドマイクロ株式会社の凌勇樹(りょう・ゆうき)さんと、株式会社Holmes の杜多真衣(とだ・まい)さんをゲストに迎え、レンタル移籍での経験や、リスナーへのメッセージを語ってもらいました。

※ 毎週水曜 午後9:00から、かわさきエフエム(71.9MHz)にて放送中。企業経営者や各界のスペシャリストなどをゲストに迎え、これからのキャリアや生き方に迷い考える、特に20代後半・30~40代のビジネスパーソンに対し、一歩踏み出すための背中を押すことが目的の番組。番組自体は今回で195回目。ローンディールの仕組みを利用してレンタル移籍を行った移籍者と移籍先の経営者をゲストに迎える回は、月に1回の頻度で放送予定。パーソナリティーの森清華は、ローンディールのメンターとしても活躍中。

本記事では、当日の放送内容のダイジェストをお届けします。なお、当日の番組アーカイブも、spotifyおよび「森清華のLife is the journey 」にて視聴が可能です。

「こんなチャンスはない」
社外でスキルが通用するかどうか漠然とした不安

森さん:受け入れ先企業である、株式会社Holmesマーケティング・PR責任者・杜多真衣さんと、移籍者である、トレンドマイクロ株式会社 デジタルマーケティンググループの凌勇樹さんをゲストにお迎えしました。まずは、Holmes社の事業について、ご説明をお願いします。

杜多さん:Holmesでは、電子契約と契約管理サービスを通して、企業の契約業務の効率化と生産性向上を支援しており、クラウド型の契約マネジメントシステム「ホームズクラウド」というプロダクトを提供しています。電子契約やオンラインでの契約管理に加え、どういうプロセスで契約を進めていくのがいいのかという、最適な契約プロセスの構築も支援しています。

森さん:コロナ禍における契約書のペーパーレス化は注目を集めていますよね。そんなHolmesさんに移籍された凌さんは、現在、ドレンドマイクロ社でどのようなお仕事をされているか、教えていただけますか?

凌さん:トレンドマイクロは、ITセキュリティの製品開発や販売をしている会社です。移籍から戻ってからは、デジタルマーケティングの部署に所属して、デジタルツールを使った見込み客の獲得や、営業チームと連携してビジネスを進めていく仕事をしています。

森さん: 2019年1月から1年間レンタル移籍をされているということですけれども、なぜレンタル移籍をしようと思われたのでしょうか?

凌さん:2011年に新卒で入社してから、ずっと営業やマーケティングの仕事をしていました。会社での教育や様々な経験の中で、スキルを身につけてきた思っているのですが、「このスキルって外で通用するのだろうか」って漠然とした不安がありました。そんなとき、社内で「レンタル移籍」が正式に制度化されたことを知りまして、「こんなチャンスはない」って速攻で手を挙げて、Holmesにジョインすることになったのです。

「お願いします、助けてください」から始まった関係

森さん:凌さんは、なぜHolmes社を移籍先に選んだのでしょうか?

凌さん:今までずっと BtoBの仕事をしてきて、楽しさややりがいを感じていたので、移籍から戻ってきた後もBtoBをしたいと考えていたんですね。なので、BtoBにおいて経験を積めるところが良いという前提がありました。また、セキュリティサービスというのは特性上、マイナスをゼロにするという、痛みを負わないようにするためのソリューションです。なので、「便利になる」「売上があがる」など、ゼロをプラスにするソリューションを提供する会社に行きたいなって。そこで、Holmesに巡り合ったわけです。

森さん:実は杜多さんは、凌さんが移籍中に、Holmes社に入社されたということなんですよね。どんな思いでスタートアップに飛び込まれたんでしょうか?

杜多さん:元々のきっかけは、声かけていただいたということもあるのですが、CEOの笹原と話す中で、その熱量や思いに共感しまして。それで、自分も新しいサービスを作り、育てていく過程に携わりたいなと思って参画しました。

森さん:杜多さんが参画された当時は、どういう事業フェーズだったのでしょうか?

杜多さん:社員数もまだ20名に満たないくらいで、メインのプロダクトをみんなで育てていくというフェーズでした。凌さんが移籍して半年くらいの頃です。

森さん:最初に凌さんに会ったとき、どういう印象でしたか?

杜多さん:器用にいろんなことを回しているのに、「困ってます!」って言われたのが印象的でした(笑)。何に困っているんだろうって。

森さん:凌さんは、何に困っていたんでしょうか(笑)?

凌さん:1人目のマーケターとしてジョインさせてもらったので、前例もなく、日々、試行錯誤しながらやっていたんです。何が正しいかもわからないですし、どう進めていくのが良いかもわからない中で、突き進んでいかなければならない状態。そんな中に経験豊富な杜多さんがジョインされたので、「お願いします、助けてください」って。最初に言った言葉が確か、それでした(笑)。

森さん:なるほど(笑)。移籍後半は、杜多さんと一緒に進めていたということなんですね。ちなみに凌さんがこの1年間の中で、分岐点となった出来事は何だったのでしょうか?

凌さん:本当に様々な経験をさせてもらったのですが、やっぱり杜多さんが入ってきてくださったことがインパクトとして大きかったですね。それまでは、マーケターは自分ひとり。そんな中、尊敬できる杜多さんが入社されて。社内外でのコミュニケーションはもちろん、プランニングの仕方、プロモーションの実行まで、“仲間として”相談させてもらいながら、一緒に進められたのがよかったです。

森さん:凌さんが、杜多さんから得た学びとしてどんなことがありましたか?

凌さん:マーケターとして経験が豊富の方なので、引き出しの多さや進め方など、「こうしたら上手くいくんだ」って、全てが参考になりました。

あらゆる経験ができたこと自体がバリュー

森さん:杜多さんにお伺いしますが、これまでの多くの経験を積まれているなかで、今までのマーケティングと、Holmes社でのマーケティングのあり方で、どのような違いがあったのでしょうか?

杜多さん:これまでだと、大企業だったりメガベンチャーでの経験が主だったので、サービスやプロダクトが既に世の中に受け入れられている中で、それをどう広げていくかという役割が中心でした。
一方、Holmesはプロダクトを作り、育て、価値を探っていくフェーズ。サービス価値がどこにあるのかを探り、未完成のものをどうやって進化させていくかをプランニングすることが重要となるため、アプローチがかなり違いますね。

森さん:凌さんは、Holmes社で濃密な時間を過ごされたかと思いますが、今年1月に元の会社に戻ってこられて、いままでと見える風景はどう変わったのでしょうか?

凌さん:見え方も仕事の仕方も変わったなと思います。“トレンドマイクロ流のやり方”は圧倒的に理解していたのですが、外に出たことでスタートアップを始め、世の中の様々なことを知れました。おかげで、新たな価値を提供できるようになっています。

森さん:ちなみに、トレンドマイクロ社とHolmes社の違いはどこにあると思いますか?

凌さん:トレンドマイクロの場合、マーケティング部門といっても多くのメンバーがいて、それぞれの領域の中でプロフェッショナルな仕事をしています。仮にマーケティングに関連する全部のことをしようと思うと、何回もジョブローテーションしなきゃ経験できない。ひとつの領域でやっていくことも、それはそれで良さはあると思うんですが、Holmesではすべてのマーケティング活動に携わることができました。あらゆる経験ができたこと自体がバリューだと感じています。

大切なのは「目の前のことを全力でやる」こと
一歩踏み出してチャレンジすることで道は切り開ける

森さん:移籍経験を今、どのようにお仕事に活かされていらっしゃるのでしょうか?

凌さん:Holmesで様々なことを経験させていただいたので、そのままトレンドマイクロで展開しています。こうやると失敗するとか、うまくいくとか実体験をもとに話せるというのが大きいと思っています。本やウェブの記事を読んで提案するより、自分が実際にやったことを話すほうが、説得力がありますね。

森さん:杜多さんは、凌さんと半年間仕事をしたことで、ご自身にどんな影響がありましたか?

杜多さん:凌さんと仕事ができたのはすごく楽しくて。私はどちらかというと、認知拡大や利用促進を実現するために何が必要かを戦略的にプランニングして、事業のトップラインを伸ばしていくことを強みにしています。凌さんがセールスフォースの基盤を整えてくれたり、仕組みを築いてくれたことで、効率的なデータ測定が可能となり、補完しあって仕事ができたのはよかったです。異なる強みを持つ仲間と協力しあうことで、自分の成長も感じました。

森さん:お二人はこのコロナ禍で、働き方に変化を感じていらっしゃいますか?

凌さん:緊急事態宣言後は、会社にほとんど行っていないような状況ですが、まったく問題なく業務ができています。素晴らしい環境の会社だなって思っています。

杜多さん:Holmesも緊急事態宣言後、リモートワークを導入したのですが、業務もスムーズですし、コミュニケーションも意識的に行うことで、より活性化しているかなと思っています。ただ、リモート環境下でも、定期的にコミュニケーションを取る機会を作ったり、週1回出社して、みんなで話す時間も大切にしています。

森さん:最後に。お二人から、これから自分の夢を実現しようとしている方々へメッセージをお願いします。

凌さん:私自身が夢を実現できているという立場ではないのですが、日頃大事にしているのは、目の前のことを全力でやること。トレンドマイクロのトップの人たちの経験談を聞く機会があったのですが、共通していたのが、目の前の仕事やミッションに全力に挑んでいるということでした。仕事の報酬が、新たな仕事となってやってくる。だから、目の前のことをしっかりやって、成果を意識していくことが大事なんじゃないかなと思います。

杜多さん:自分自身がスタートアップの世界に飛び込んで、自分の決断を正解に変えていきたいと思っています。私は「自分と未来は変えられる」という言葉をずっと自分の中で大切にしています。「一歩踏み出してチャレンジしていくことで道は切り開けますし、未来を変えていくことはできる」、ということをお伝えしたいです。

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リスナーへのメッセージを色紙に込めて
写真右上:パーソナリティの森清華さん。写真右下:トレンドマイクロ株式会社の凌勇樹さん。写真左上:株式会社Holmes 杜多真衣さん。写真左下:番組の企画 / 制作会社 コトバリスタ株式会社 西川さん

レンタル移籍者と移籍先の経営者をゲストに迎えた「森清華のLife is the journey」、次回の放送は9月2日(水)を予定しています。スマートフォンのインターネットラジオアプリ「Listen Radio(リスラジ)」をダウンロードして、「選局」を選択→「かわさきエフエム」を選択して聞くことができます。これまでの放送もspotifyにて視聴可能です。

♪ 次回もお楽しみに ♪


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【レンタル移籍とは?】

大手企業の社員が、一定期間ベンチャー企業で事業開発などの取り組みを行う、株式会社ローンディールが提供するプログラム。ベンチャー企業の現場で新しい価値を創りだす実践的な経験を通じて、イノベーションを起こせる人材・組織に変革を起こせる次世代リーダーを育成することを目的に行われている。2015年のサービス開始以降、計38社97名のレンタル移籍が行なわれている(※2020年7月実績)。→詳しくはこちら

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協力:トレンドマイクロ株式会社 / 株式会社Holmes
Report:小林こず恵
提供:株式会社ローンディール
https://loandeal.jp/

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