多数決の罪【ぼくらは仕事で強くなる vol.2】
連載「ぼくらは仕事で強くなる」は、ローンディール代表 原田による個人ノートです。組織やマネジメントのこと、自分自身のキャリアについてなど、日々感じていることや取り組んだことを綴っています。週1回程度更新しています。
先日、ちょっとした意思決定をするときに、多数決をとったんです。
5周年を迎えまして、このタイミングで、ノベルティを作ってお世話になった人にお送りしたいな、と。そして、かなりたくさんの人にお世話になっているので、ノベルティを作るにもそれなりのコストがかかるわけで、先行きが見えないこのご時世、どうしたもんかとちょっと迷いました。でも、これ面白いなというノベルティの案があって、やっぱり作りたいなぁとも思っていたわけです。そんな話題をZOOM会議で話していて、ふと、ZOOMの投票機能でやってみたんです。「賛成・反対」の投票を。匿名だし、みんな言いやすいかなと思って。
そうしたら、結果は「賛成9・反対1」だったんですね。
作りたいな、と思っていた自分としては、賛成多数だったので「やったー」ってなるかな、と思いきや、結果的にものすごい違和感が残りました。というか大失敗だったなと。結局、そこで議論が止まっちゃうんですよね。明らかな数字が出ると。反対が「1」であっても、本当は正しいこともある。本来だったきっちり議論をして決めていくべきものだったのに、数を恃んで有無を言わせない感じになってしまった。
このノベルティの話に限らず、日々いろいろな選択肢の中で、私たちは何かを選び、進んでいます。最後の最後にはどちらかに決めなくてはいけないし、人数が増えていけばもちろん全員の意見が一致することは減っていく。むしろ、複数の人が集まって、毎回満場一致なんて不健全ですよね。だから、議論百出させて、しっかり向き合ってやっていくべきですね。そこから逃げてはいけないんだ。
あと、もう一つ難しいなぁと思ったのは、「そうやっていろんな意見があったとしても、決まった以上は一丸となってやる」っていうのが、正しいのかっていうこと。よいチームというのはそういうもんだ、議論百出、決まったら一致団結。それが正しい姿だと考えてきたけど、ほんとにできるんですかね、そんなこと。大反対だったやり方に、一度決まったからって本心から動くことなんて、人情としてどうなんだろう。収まらない中でどうやって折り合いつけるか。これはどうやって対処すべきなのかなぁ。そんな疑問を抱きつつ・・・。
とにかく今後は多数決による意思決定はしたくない。ということだけは明確になりました。
【レンタル移籍とは?】
大手企業の社員が、一定期間ベンチャー企業で事業開発などの取り組みを行う、株式会社ローンディールが提供するプログラム。ベンチャー企業の現場で新しい価値を創りだす実践的な経験を通じて、イノベーションを起こせる人材・組織に変革を起こせる次世代リーダーを育成することを目的に行われている。2015年のサービス開始以降、計38社97名のレンタル移籍が行なわれている(※2020年7月実績)。→詳しくはこちら