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外圧の少なさを、強さに変える。 【ぼくらは仕事で強くなる vol.6】

連載「ぼくらは仕事で強くなる」は、ローンディール 代表 原田による個人ノートです。組織やマネジメントのこと、自分自身のキャリアについてなど、日々感じていることや取り組んだことを綴っています。週1回程度更新しています。

今日はローンディールという会社の特殊性を少し紹介してみたいと思います。すごく端的に言うと、それは外圧が極端に少ないということです。

今のところ、外部からの資金調達も行っておらず、株主は私のみ。例えば利益を上げていくということに、時間的な制約を受けることはありません。それはそれで、これから資本政策ってどうやって行くんだ、っていうことを考えなきゃいけないなぁと思っているところ。ちょうど大学院で「企業とは何か」をテーマに学んでいて、まずは自分なりの考えを改めて構築してから、かな。(今更か!というツッコミは甘んじて受け入れます。笑)

もう一つの特殊性として、競合のプレッシャーもない。(と思っている。)近しい事業をやっている企業はいるけれど、越境学習という文脈はまだ新しくて、そんな狭い世界で争うというよりも、みんなで切磋琢磨してこの領域を耕していこうという空気があります。経済産業省さんのお声がけで研究会が行われていたり、クロスフィールズさんとは共催でイベントをやったり、という感じです。

イベントはこちら、入山先生にもご登場いただくので、よろしければぜひ!

じゃぁこういう外圧の少なさというのは、平和な、良い状況なのか。もちろん、経営者として胃が痛くなる場面は比較的少ないと思うので、私でもなんとかやれているというところはあるかも(だから資金調達して、バチバチ火花を飛ばして事業やっている経営者の皆さんを本当に尊敬)。

で、この外圧の少なさを、私たちの「強さ」に変えていけているということが、重要だと思います。収益性を高めるとか、どこか他社を出し抜こうとか、そういうことに思考を使うことはほとんどなく、純粋に「レンタル移籍という事業をよくするにはどうしたらよいか」「移籍者のみんながもっと成長してくれるために、何ができるか」ということにみんなが没頭できているのです。例えば、レンタル移籍を開始するまでに、私たちが行うアクションは2020年初頭は40工程あったのですが、現時点で52工程。移籍者が最適なベンチャー企業と出会えるように、スムーズにレンタル移籍を開始できるように、大企業側もベンチャー側もかかわる人たちが積極的に関与してくれるように、「こんなことも必要、あんなこともやったらいいよね」って議論をしていくと、どんどんやりたいことが出てくる。これを大事にしたいなと思っています。

一方で、こういう形で「強さ」を持続し、さらに向上するために、忘れてはいけないことが3つあると考えています。

まず、大前提として、しっかりと収益性を確立しておくということ。事業を磨くということとセットで、それを相手に理解していただき、見合う対価をいただくということは常に努力をしていかなければいけない。純粋に事業を磨くということはとても充実感があり、ともすると独りよがりになりかねない。相手の価値になることなのかどうか、とことん冷静に向き合わなくてはならないということもセットです。

次に、常にビジネスプロセスを冷静に見直すという作業が必要になります。やるべきことを全部やっていくと膨大になってしまう。しかし、どこか一つの打ち手を打つことで、実は他のプロセスが不要になるってことが起こります。そういうものを定期的に見直していかないと、いつかプロセスが陳腐化したり形骸化したりしてしまう。それを見逃さずに、しっかりと作り変える。足し算だけじゃなくて、引き算・掛け算・割り算もちゃんと意識しないといけないなと思うのです。

そして、内的向上心みたいなものをどうやって維持するのか。当然同じことを繰り返していくと、よどんでしまう。それを回避し、常に向上心を維持し続けるためには事業にかかわるメンバーの多様性が重要だろうと思います。もっと言うと、やっぱり適度な外圧も必要だろうなぁと思うのです。そういうものをどうやって設計していくべきかなぁ。

そんなことを考えています。


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【レンタル移籍とは?】

大手企業の社員が、一定期間ベンチャー企業で事業開発などの取り組みを行う、株式会社ローンディールが提供するプログラム。ベンチャー企業の現場で新しい価値を創りだす実践的な経験を通じて、イノベーションを起こせる人材・組織に変革を起こせる次世代リーダーを育成することを目的に行われている。2015年のサービス開始以降、計38社97名のレンタル移籍が行なわれている(※2020年7月実績)。→詳しくはこちら


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