アベンジャーズじゃない組織【ぼくらは仕事で強くなる vol.19】
連載「ぼくらは仕事で強くなる」は、ローンディール 代表 原田による個人ノートです。組織やマネジメントのこと、自分自身のキャリアについてなど、日々感じていることや取り組んだことを綴っています。週1回程度更新しています。
今週、うちの会社ではみんなで1年間の振り返りをやっています。そんな中で、気づいたことをシェアします。
今年、弊社には4人の方が入社してくれました(昨年末時点で7人だったので、けっこうな増加率ですね)。その彼らの振り返りで、入社したらアベンジャーズに囲まれた気分だった、とコメントがありました。
手前味噌ではありますが、確かにうちはすごく経験豊富なメンバーに恵まれています。私よりも沢山イベントや講演をしているメンバーもいるし、自分が取り組んでいることをブログ記事に書けるレベルでやっている人もたくさん。まぁだから他の会社として比較してどうかというのはよくわかりませんけれども、少数精鋭感はあるのかもしれません。
でも、私は、私たちの会社がスペシャリスト集団だと思ったことは一度もありません。だから、うちの会社に対してアベンジャーズという捉えられ方をしていたことが、すごく不思議でした。
なんでだろうなーと思って考えた結果、誰がいるから、どんな能力があるからアベンジャーズになるのかどうかということではなく、それぞれが組織で果たしている役割の違いなんだろうなという考えに至りました。
最近は働き方も少しずつ多様化しているし、副業やプロボノで、いろいろな専門性をもった方々がスタートアップやNPOを手伝うというケースも増えてきているようです。何かしらの明確なミッションやビジョンがあって、そのために必要な役割が切り出されて、それにふさわしい人たちが集まってそのミッションを遂行するためにガリガリ進んでいく。確かにそういう専門家が集まって、パズルのピースをはめていくようにプロジェクトを進めていく組織ならアベンジャーズって思われるかもしれません。
でも、うちはそうじゃないんですよね。むしろ、もちろんそれなりの経験を積んだメンバーが集まっているんだけど、そんなメンバーがみんなしてつまづき、葛藤しながら、進んでいく。できることをやっているというよりは、自分たちがやるべきだと感じることに挑んで、結果的に失敗したりしながら。そうやって常に余白が生まれ、それをみんなで埋めあったりしながら、ぐちゃっとなって進んでいく。そんな感じなんですよね。
新しいメンバーの一人が「早く一人前になりたい、周りから信頼されたい」って悩んでいた時に、COOの後藤がかけた言葉がまさにそれを表していました。うちの会社で一人前になる、安心して任せられるってどういうことか。
「ちゃんと周りを頼れるようになることだよ」。
ジョブ型って話が時代の潮流みたいになってきていますけれども、何でもかんでもピザみたいに切り分けて仕事ができるわけじゃないと思うんですよね。みんなが融合しながら、境界線もあいまいなままどんどん広げていく。そんな組織のあり方も、あっていいんじゃないかな。少なくとも、今の私たちのチームは、どこまでいけるか未知数でとてもワクワクします。
おそらく今年最後のnoteになろうかと思いますが、お付き合いいただき、ありがとうございました。そんなわけで、至らぬ点も多々ある組織ではありますが、どうか来年もよろしくお願いします。
あ、そういえば、アベンジャーズって見たことないな・・・。
▼ 過去のノートは以下より
【レンタル移籍とは?】
大手企業の社員が、一定期間ベンチャー企業で事業開発などの取り組みを行う、株式会社ローンディールが提供するプログラム。ベンチャー企業の現場で新しい価値を創りだす実践的な経験を通じて、イノベーションを起こせる人材・組織に変革を起こせる次世代リーダーを育成することを目的に行われている。2015年のサービス開始以降、計43社118名のレンタル移籍が行なわれている(※2020年12月1日実績)。→詳しくはこちら