人事戦略の策定・合意形成・実行方法について議論しました【人事のための対話会レポート #25】
こんにちは。ローンディールの笠間です。
今回は、6月に開催された第25回の内容を、ダイジェスト的に共有させてください。
人事の役割は、ビジネス環境や人材市場の変化を踏まえて戦略を立てるのみならず、社内での合意形成、そしてHRBPと一緒にその実効性を高めることまで、多岐に亘ります。そこで「人事戦略の策定・合意形成・実行方法を考えよう!」をテーマに対話会を開催しました。
今回は5月に事業計画を発表した三菱重工の吉村さんをお招きして、人事戦略の策定プロセスや課題についてお話をいただきました。
三菱重工の人事戦略策定プロセスと現状
・「2030年をターゲットにしたHR戦略(HR INNOVATION 2030)の策定プロジェクト」を2022年にスタートした。
・これまでのHRは、画一的な施策や、HR内だけで手を打てるようなものを行っていたが、それでは事業に貢献できるようなHRにはなれない、「人事が人事の中だけで仕事をしてしまっている」という課題認識があった。
・そこで、2030年までの経営戦略の理解と外部環境変化の予測を行い、HRとしてのあるべき姿を描くことからスタートし、バックキャストする形でHR戦略を描いた。
・戦略策定にはHR130人が参加。経営幹部や事業部門との対話も繰り返した。
・現在は戦略策定のフェーズを終え、実行フェーズに入っている。
・全社としてグローバルにHR戦略を展開するのは大切だが、事業部門が事業戦略推進の中でこのHR戦略を活用してもらうことが最も大事。実行フェーズにおいては、HRBPの役割が極めて重要だと認識している。
・大切にしたのは会社としての想いと従業員の想いを重ね合わせること。「未来を起動する」というメッセージのもと実行している。
・先日、中計(2024事業計画)を公表したが、この内容は今年度からの3か年で実現したいことに焦点を当てた具体策を記載しており、HR INNOVATION 2030に繋がっている。
取り組みの紹介を受けて生まれた対話
そのうえで、ご参加いただいた約30名の方々と、以下のような対話が生まれました!一部だけですが、ご紹介します。
・自社も、まさに人事が人事のための仕事をしてしまっていた。
ビジネスを成長させる人事となるよう、まずは経営層とHR領域の課題共有から始めたい。
・HRはいつでも経営ができる覚悟でやらないといけない、と気づかされた。
事業側と人事側の通訳者の必要性も感じた。
・人事戦略が絵に描いた餅にならないよう、目指す方針を浸透させることが重要だと感じた。
浸透にはHRBPや事業部トップの巻き込みがポイントになると感じた。
このように、経営におけるHRの重要性を再認識したり、具体的に次のアクションを思考する機会となり、大変盛り上がりました!ご参加いただいた皆さん、ありがとうございました。
対話会#25を終えて
人事戦略の実行性を高めるには、社員が新しい方針や手法に順応できるようHRBPのサポートが重要である、と改めて感じました。大企業では、戦略策定・制度設計・制度運用・HRBPなど、役割毎に部署が分かれるケースが多いかと思いますが、「人や組織の力を最大限引き出したい」といった想いは同じだと思いますので、ぜひHR全体で連携して、人事戦略を実現できるといいですね!
今回の対話会の内容紹介は以上とさせていただきます。7月は「経営者育成・タレントマネジメント」をテーマに開催予定です。JT社に取組事例をご紹介いただき、経営者育成やタレントマネジメントの課題やその打ち手について考えます!ぜひ多くの方と共に深められれば嬉しいです。
もし本レポートをご覧いただき、ご興味をお持ちいただいた方は、お気軽にお問い合わせいただければ幸いです!
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