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ベンチャーに行ってわかった。実は役に立った”大企業スキル5選”

「ベンチャー企業に行って、何か貢献できることがあるんだろうか……」
これはとある大企業社員が吐露した本音でした。

  我々ローンディールでは、大企業の人材が1年程度ベンチャー企業で働き、価値創造や事業開発に取り組む「レンタル移籍」という仕組みを提供しています。現在、レンタル移籍経験者(以降、移籍者)は100名を超えています。

 多くの移籍者は、今まで大企業1社しか経験がないというキャリアの中で、初のベンチャーへ挑むことになるわけなのですが、行き先は、AI・ブロックチェーン・宇宙・ロボティクスなど、未知なる分野も多く、かつ、数名から数十名程度の新進気鋭のメンバーで構成されているという環境。当然、こういった疑問や不安が出てくるわけです。

 「果たして自分はここで何ができるんだろうか」と。

 しかし、いざベンチャーで働いてみると、「自分では当たり前のことだったのに、ベンチャーの人にめちゃめちゃ感謝された」とか、「xxができるのは自分だけだった」など、大企業で知らず知らずのうちに身につけていた”当たり前”が、当たり前じゃないんだ... と実感するのでした。

 そこで今回は、移籍者のみなさんから、ベンチャーに行って「実は役に立った!」という大企業スキルをヒアリングしました。大規模組織ならではのスキルから、「えっ、これもスキルなの?」という、一見できて当たり前に思われるものまで、特徴的な5種をご紹介します!

ー01 社内外で円滑な関係が築ける
「コミュニケーション力」

どんな環境であっても、やはり必須なのはコミュニケーション力。特に、営業などのシーンにおいて、社外の人と「はじめまして」で関係を築いていくにあたり、長年の経験が活きたという声も多数ありました。様々な立場の人と様々な事業に関わる中で磨かれたコミュニケーションスキルは、大規模組織での経験者ならでは、かもしれません。

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”顧客とのコミュニケーションや、折衝はベンチャーでも違和感なく活用できた。元々顧客へのサービス提供を実施していたこともあり、カスタマーサクセスや商談も、自信を持って説明やプレゼンができた”
(建設・不動産業界 / 営業担当)

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”ベンチャーの事業が拡大する中で営業スタッフも増え、同僚からは、自分の営業のやり方が「参考になります!」とか「言い回しをそのまま使わせてください」など評価してもらえた。社長からも「参考にするように」と、自分のやり方を営業メンバーに推奨するなど、ベンチャー側に普及できた"
(メーカー業界 / 新規事業担当)

そして、コミュニケーション力が活きるのは、当然、社外だけではありません。社内メンバーとの良好な関係構築にもつながります。
個性豊かなベンチャーのメンバーとコミュニケーションをとり、時には聞き手に周り、チーム全体のバランスを見ながら動いていく。そうやって自分のポジションを見つけ、関係構築をしていく力は、ベンチャーでも活きたようです。

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"人数が少ない会社であっても、自分から何もしなければ、みんなが積極的に自分を受け入れてくれるわけではない。だから、自分からコミュニケーションを取って、どんな形でも良いから自分が「どういう人間であるか」を示して信頼感を得るスキルが必要だと思ったし、今までのそうしたコミュニケーションスキルが役に立った"
(メーカー業界 / 研究・開発職)

ー02 正確 かつ 計画的に進められる
「確動力」

コミュニケーション力に続き、大企業ならではのスキルとして挙げられたのが、正確性を持って、計画的に進められる力。

立ち上げたばかりの事業をどのように進行したら良いかというプロジェクトマネジメントや、運用・保守のオペレーションマネジメントなどの進行管理能力は、大規模組織での経験があってこそ。ジョブ型で働いている人材が多いベンチャーにおいては、このスキルを活用して、大きな役割を担ったようです。

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"品質管理や進捗管理のフェーズにおいては、進め方や手順の踏み方は、大企業でのやり方が役に立った"
(ソフトウエア・通信業界 / ITエンジニア)

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"要件定義、仕様検討、設計などの点で、多くの時間をかけて詳細まで詰めていく大企業での経験は、効率的に進めているスタートアップの各作業の質を向上・下支えするという点では貢献できるスキルだと感じた"
(メーカー業界 / 研究・開発職)

また、常に変化しながら短期で物事を進めていくことが多いベンチャーでは、計画よりも行動を重視することも。

しかし、納期が定められているものや、一度に複数の案件を同時に回していくなどの場合においては、計画力が重要となる。そんな時に細やかな計画を立てて早め早めに行動していく、大企業での動き方が功を奏したという意見もありました。

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”ベンチャーだと「すぐにやる」のようなスピード感が常識だったりするが、規模や案件によってはGOがでるまでに時間を要し、ギリギリで進めていると遅れにつながることがある。そんな時、余裕を持った業務計画で進めていたため、遅れることなく進行できた。それも、”承認には時間がかかる”ことを前提に動くことが当たり前な大企業での経験があるからだと思う”
(メーカー業界 / 研究・開発職)

そして、ビジネスパーソンであれば誰もができて当然と思われがちな、「確実かつ、正確にやる」能力は、実はそうでもなかったりも……。

対面作法・メール作法などのビジネスマナーや、経費精算などの事務処理をしっかりと正確に行える能力は、強い信頼にもつながります。大企業の教育によって磨かれた基礎力はどこにいっても通じるのです。

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"基本的なビジネスマナーはどこに行っても必要だと思った。叩き込まれていたので、営業先でも「しっかりされていますね」と褒められた"
(建設・不動産業界 / 営業担当)

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"資料の誤字脱字などもすごく気を遣い、仲間が作ったものの赤入れをしたりしていました"
(建設・不動産業界 / 営業担当)

ー03  説明できる、は武器になる。
「論理的説明力」

人を巻き込み、動かしていくには、当然、情熱を持って語ることは大事です。しかし、皆が”納得して進める”ためにはロジックも必須。ものごとを論理的にわかりやすく資料にまとめ、説明できる論理的説明力は、大企業の中で、幾度もの承認を乗り越えなければならないという試練の中で培われたもの。

特にベンチャー企業が、大企業相手に商談をしなければいけないというシーンにおいて、大企業のなかで通るロジカルな資料がつくれる、説明ができるというのは、大きな価値を発揮したようです。

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 "何もわからない人に説明するために「どうしたら伝わるか」を論理だててまとめる力が、ベンチャーで発揮できた。大企業にいたことでそれがいつの間にか習慣化できていたことに気づいた"
(メーカー業界 / 研究・開発職)

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"現場のデータや事実をしっかり調べ、それに基づき、ロジカルに説明できる力は、ベンチャーにおいても必要だった"
(メーカー業界 / 研究・開発職)


ー04 後から力を発揮する
「情報編集力」

会議や打ち合わせにおいて、「記録する、まとめする、共有する」というのは大企業では当たり前かもしれません。一方、少人数のベンチャーでは関係者も少なかったり、また、そういったポジションの人がいないため、メモや議事録の文化がなかったりするケースも。

しかし、組織規模の拡大や、煩雑なプロジェクトの進行などにおいて、都度、要点をまとめたり、サマリーをつくるなどの情報編集力は、重要な役割を果たした様子。

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”ベンチャーでは、議事録を残す文化があまりない様子。会議で率先して議事録を取っていたところ、皆の振り返りや、過程をたどる際に活用してもらえた。やはり、記録をまとめるなど、メモしておくことは重要だ"
(メーカー業界 / 研究・開発職)

ー05 粘り強く取り組むは、実はつよい。
「忍耐力」

ベンチャーでは、不確実で答えが見えない中で物事を進めていかなければいけないことばかり。そんな時、”できない言い訳”をせず、たゆまずに努力を続け、実直に取り組める姿勢が大事だった、という意見も多々ありました。

仕事において、真面目にこつこつ取り組むことは当たり前と思っている人も多いと思いますが、その姿勢は、どんな世界でも求められる大事なヒューマンスキル。真摯さを忘れずにいれば、どんな世界に飛び込んでも信頼を獲得できるでしょう。

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”愚直に、真面目に、嘘をつかず、粘り強く何事にも取り組むことが大事だと思った。そうやって、大企業で当たり前に行ってきた業務に取り組む姿勢がベンチャーでかなり評価された”
(ソフトウェア・通信業界 / 新規事業担当)

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”スキルも大事だけど、結局は粘り強く業務に取り組む姿勢が一番強い。新規事業創出をしていたが、不適切な人材は『言い訳する人』とスパッと言われた。言い訳しない、筋を通す、など、結局は人間力が大事だと思う”
(メーカー業界 / 研究・開発職)

また、ベンチャーでは、昨日までやっていた仕事が突然なくなり、翌日から全然違う仕事に取り組まなければならない、なんてこともあります。思い通りにいかない、なんてことは日常茶飯事。

そんな中で、いかに落ち込み続けることなく、気持ちを切り替えて次に進んでいけるかということが大事なのです。大企業で養われた、まっすぐにやり抜く精神力が意外にも(?)役に立ったという声も目立ちました。

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”メンタル的に不安定だとつとまらない。何を言われても、愚直にやりぬける精神力や業務遂行力も強みになると感じた”
(ソフトウェア・通信業界 / 営業職)


いかがでしたでしょうか。
これまで、特徴的な5種のスキルを紹介しましたが、これらはごく一部です。ここではお伝えできなかった、大企業人材のベンチャーでの活躍が以下マガジンよりお読みいただけますので、ぜひご覧ください。

また、実際に、大企業人材を受け入れたベンチャー経営者側からも、「キャッチアップも早く、即戦力だった」「ベンチャーの社員にいい影響を与えてくれた」など、賞賛の声が。以下よりご覧いただけます。


ーひとつの環境にいると、気づかない。
ところ変われば価値になる。

このように大企業で働く中では当たり前だったことが、外に出てみると、誰かの価値になるのです。このことについては、ローンディール・代表の原田が「自分は会社の外に出ても通用するのだろうか?」の中でも書いてますので、よければ合わせてご覧ください。

一歩でも、半歩でも。
外の世界に自信を持って踏み出すきっかけにしていただけたら幸いです。


Fin

【イベント開催のお知らせ】


【2021年 8月3日開催!】
とびださなくてもいい、上手に”はみだそう”
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【レンタル移籍とは?】

大手企業の社員が、一定期間ベンチャー企業で事業開発などの取り組みを行う、株式会社ローンディールが提供するプログラム。ベンチャー企業の現場で新しい価値を創りだす実践的な経験を通じて、イノベーションを起こせる人材・組織に変革を起こせる次世代リーダーを育成することを目的に行われている。2015年のサービス開始以降、計45社121名のレンタル移籍が行なわれている(※2021年2月1日実績)。→詳しくはこちら

協力:レンタル移籍者のみなさん
文:小林こず恵
提供:株式会社ローンディール
https://loandeal.jp/

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